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 袋から出て来たヘビなのですが、あちらこちらにそのお腹に何故入ったと言いたくなるような大きめのキノコを食べていることが分かる状態で、結構ちぐはぐしているそのお加奈は見ている分には面白いモノで。

 そんなお腹を見ていても何も始まらないのですが、ここまで人懐っこいヘビを倒そうという気にもなれず、くるりとナイフを反転させて刃の部分を持ってレベッカさんにナイフを返したのですが、首を何故か横に振ります。


「流石に武器というにも弱すぎるけど、それぐらいは持っていた方がいいと思うわ?」

「という事は、コレは支給品ですかね?」

「支給品……というかまあ、武器?でも、何もないままだと流石にまずいから、それを支給品として登録すれば……補助金も出るかな?」


 何やら少し怪しい感じの雰囲気のレベッカさんですが、それを門番の二人が窘めます。



「で、このヘビどうするのが正解ですかね?」

「え?飼うんじゃないの?」

「お前が世話をするんだろ?」

「連れてきちゃったのに、責任を持たないとか無いよな?」


 三人に言われ、驚いた顔をしたのですがその驚いた顔を見たアウェクルとヘビの二匹は凄く冷めた目でこちらを見てきます。

 その目はこの間の非力な自分を見ていた時のレベッカさんと同じような憐憫を含んだようなとても悲しそうな目で。


「飼うのが嫌だというよりは、あの部屋で飼っていいんです?」

「別に毛が大量に抜けるわけでもないし、掃除さえしてくれれば問題は無いわよ?」


 思っていたよりも簡単に飼う事に決定していくのですが、本人確認をしていない事に気がついたので、念の為に確認を。


「正直、かなり弱いぞ?それでもついて来るか?」


 言葉が分かるかどうかは別として、確認をするように聞いてみるのですが勿論返事なんてなく、じーっとこっちを見てきます。

 流石にここで視線を外すのはどうかと思ったのでそのまま視線を外さずにいると、少しずつ寄って来て、足の辺りをすりすりとします。


「かなり懐いているな」

「知らないとか言いながら、本当はこっそり飼おうとして連れて来たんじゃないのか?」


 そういわれても仕方がないぐらい懐いている動きを見せて来るヘビに驚きと戸惑いを隠せないまま居たのですが、現実は非情なもので。


「とりあえず、今日の査定はキノコが無いから宿代ぐらいで食費まで行かない感じになっちゃうけど、大丈夫?」

「あ……キノコはそういえば食べられちゃったんでしたね」

「ヘビってキノコ食うんだな?」


 その言葉で視線は一気に足元に居るヘビに行くのですが、何やら先程からずっと足をすりすりしている状態で何をしたいのか分からないでいると、何かを察したであろうアウェクルがパクっと尻尾の方をくわえると首をクイっと上げます。

 それと同時にお腹をすりすりするのがヘビとアウェクルなのですが、何をしたいのか良く分からないのでそのままでいると、満足したのかアウェクルが離れようとしたのですが、ヘビの方はもう少し何かしたいみたいでアウェクルの方を向きます。

 結局何をしているのか分からないままの人間四人は何が起こるのかを見守る形でぼーっとそれを見ていると、少しだけ飛ぶような感じで自分の肩の上にヘビが乗ります。


「そこが特等席ってか?」

「今のジャンプ力、もしかしたら貴方より力があるかもしれないわよ?」

「懐いていていいな」


 三人は見ているだけなのでそんな事を言いますが、いきなり肩の上に乗られたこちらとしてはビックリする話。

 驚いて払うわけにもいかず、だからと言って何か出来るわけもなく。

 大丈夫。問題ない、怖くない、大丈夫。と心の中で言い聞かせながら、無理矢理平常心を保つようにしているのですが、どうやら言葉が多少漏れていたみたいで、そこにいる三人が思わず笑います。


「キノコの分ぐらいは俺が今日は出すよ」

「かなり面白かったわね」

「よかったな。コレで今夜はタダ飯だぞ」


 飯が食えることは嬉しいのですが、イマイチどんな表情をしたらいいのかは分からないままだったので、小刻みに首を縦に振る事に。

 そしてそれが面白かったみたいで、アウェクルもまたなぜかお腹に顔を当ててすりすりと。


「魔性のお腹なのかな?」

「俺らも今度すりすりしてみるか?」


 更に笑いは大きくなるのですが、とりあえず無事に今回も帰って来ることが出来たので、さっき聞こうとしていたことを確認しようかと思ったのですが、急ぎ聞かなくてもいいだろうと思ったので、岩の先の話は飯のついでで聞くことに。



 部屋に戻ってヘビをベッド脇に降ろしたら、先に貰っておいたお湯にタオルをつけて全身を奇麗に拭っていくのですが、離れてわかるありがたさというか、お風呂でさっぱりすることがどれだけ気持ちよかったのかが分かる事に。

 そんな感じで自分が全身奇麗になった気でいると、ベッド脇に控えていたヘビが同じことをしてくれとせがむような感じで首を長くこちらに向けてきます。


「一応外から帰ってきたわけだから、まあ奇麗に拭うのは当たり前……か?」


 自分が使って汚れた部分で拭うのは流石に可哀そうなので奇麗な場所を探して、頭から尾っぽに向けてあまり強く握り過ぎないように注意しながら拭ってあげるのですが、野生の癖に全然汚れていない状態。

 自分の方がよっぽど汚くなっていた事に少しだけショックを受けるのですが、奇麗に体を拭いてあげたヘビは少し喜んでくれたみたいです。





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