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 後は火竜と槍を持って村に帰るだけという状態になり、色々とあったもののとりあえずゆっくりできる空気が出てきて安心していたのですが、左手に火竜を持ってみると持ち上がりはするもののそのまま完全に持ち上げるには厳しく、だからと言って背負う事が出来るかと言われると、首が長いタイプのドラゴンなので胴体は小さ目とバランスが良くなく、中々思っているように簡単に持てる感じはありません。


「コレ、持って帰れない場合はどうしよう?」

「そこはコボルトさん達にお願いをすればいいのでは?」

「お願いって、どうやって?」

「そういえば、何度か倒すところは見せて貰いましたがコボルト便の使い方はあまり習っていませんでしたね?」

「こういう事があるから、何でも体験するべきなんだよね……本当は」

「ですね」


 そんな会話をしていると、ひょっこり顔を出してくれたのが今まさに名前を出していたコボルトさん達。


「噂をすれば何とやらという奴ですね」

「えーっと、喋れるのかな?」

「私ならば問題ありませんが……どのみち外に一度出ないとダメですね?」

「このままは流石に無理だね」


 と、ココから出てコボルトさん達に火竜と場合によっては槍も持って村に戻りたいという話をしようとこの後やる事は決まったのですが、次の問題にすぐに直面することに。


「で、ココから出るには?」

「普通に出ればいいのでは?」

「どうやって?」

「それはほら、ボタンを押して?」

「どのボタン?」

「あれ?ボタンを、えーっと多分そこらへん?」


 撫子も簡単に言うのですが、そもそもボタンがあったとしても今の状態だと手足の先は動くものの身体全体は固定されたまま。

 まずはこの椅子から起きる事が先決なのですが、こういう所はかなりこのロボット自体優しくなくて。


「ボタンも無い、出られない、どうしよう?」

「緊急脱出用ボタンとか、自爆用ボタンとかロボットには一つ二つ普通はあると思うのですが、無いんですかね?」

「そのどっちもあったとしても押さないからね?今は緊急脱出じゃなくて普通にこれから降りればいいだけだし、自爆なんてする必要も今は無いんだから」

「知っていますけど、それがロマン……なのでしょう?」

「ロマンかどうかで言えば、ロマンと言えなくもないのが困ったところだけど、今は必要ないから」

「分かっていますよ。今はですよね。強大な敵と戦ったらその限りではないとかそういう話ですよね」

「分かってない!!!」


 こんなやり取りで数分コックピットの中で撫子と会話をするのですが、降り方が分からないまま時間だけが過ぎていくと結構正直な話困ってしまうのですが誰か助けて。と思った瞬間、ピピピと今日は何度も聞いている電子音。


「おやおや?」

「ん?」


 撫子は何か気がついたみたいですが、音が鳴っただけなので視線を前に戻すと文字が出てきます。


「チュートリアルは終了しています。サポートモードを起動しますか?」


 そんな文字が目の前に浮いたので、すぐにカーソルを「はい」に合わせるように視線をあわせて、指を使って選ぶと何かとても小さい声が。


「……………」


 声が小さすぎて何を言っているのかさっぱりわからないのですが、多分何か喋っているような感じはあって、目を閉じて声に集中しようとしてみるのですがそれでも声は小さく、何を言っているのかはさっぱり。


「何か言ってる?」

「え?何か聞こえたのですか?」

「サポートモードが起動したはずなんだけど、多分声が出ている気がするんだけどなんて言っているのか聞こえないというか、分からないんだよ」

「でしたら普通に音声のボリュームを上げればいいのでは?」

「ボリュームを上げるの?」

「だって、聞こえないんでしょう?」

「あー、うん」


 撫子にそのやり方が分かるならさっさとやっていると言おうとしたのですが、このロボットは全体的に高性能。頭で想像をすれば、それを実行してくれるというありがたい機能がついている事を思い出したので、頭の中にパソコンの画面のようなものを想像して、音声を示すグラフみたいなものをしっかりと想像して数値を上げるような想像をしてみます。


「サポートモードを起動します。音声による交信が可能です」

「お?」

「聞こえましたね」


 ロボットのサポートモードが無事起動してくれたみたいなので早速この場所から降りる方法を聞きましょう。


「ロボットから降りる方法」

「このロボットはマスター登録をされた為、降りる事は出来ません」

「……ん?」


 いやいや、別に愛車を手放すようなこのロボットを捨てるとかそういう意味じゃなくて、只一時的にココから降りたいって意味で言ったつもりだったのですが、降りることは出来ないって返事は流石にビックリな発言。


「一時的にコックピットから降りる方法」


 言い方が悪かったと思ったので、もう一度ここから降りる方法を聞いてみたのですが何故か何の音も帰ってこない状態に。


「どうやらこのロボット、アナタを降ろしたくないみたいですよ?」

「いや、撫子?普通人間は食事や排せつ、他に睡眠とか色々とやらないと死んじゃうからね?」

「分かっていますけど、返事……無いですよ?」


 乗ったら最後。

 死ぬまで降ろして貰えないそんなロボットに乗ったつもりは無かったのですが……これ、大丈夫ですかね?




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