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 音の鳴る方向を見てみると、ピピッと鳴りロープと同じように表示されたのは興味深い文章。


 『隕石の落ちた遺跡のライト』

 『遺跡の魔力を使って光を放つため、半永久的に使う事の出来るライト』

 『生体センサー反応によりオンオフが切り替わる為、省エネルギー仕様』


 ライト一つでここまで情報が出ているので他のあれこれを見たらもっと情報が出てくると思われるのですが、おかしい部分もあって。


「ライトはここまで情報が出るのに、さっきのロープは……大した情報が出ないのはなんでだ?」


 独り言をつぶやくような形で言葉を発すると、ペチペチと撫子が反応するのですがヘルメットのようなものがある状態なのでしっかりと撫子を認識できないのでこれはこれで少し問題かと思っていると、にゅるんと首の辺りから一緒に顔を出してきて真横に撫子が来ます。


「え、え?狭いけど大丈夫?」


 すりすり


 器用に体を揺らして返事をしてくれますが、撫子が入ってきたのは右側で右半分は撫子のせいで見えない感じに。


 そんな中、またもピピピと音が鳴り今度は左側。

 運がいいのか撫子と反対側だったので音のあった方向に視線を合わせるのですが、二重丸の視線が今までと違い全然合いません。


「あれ?方向的にこっちを見れている……ハズなんだけど……」


 しっかりと視線を合わせている気がするのですが、微妙にずれて何故か視線をしっかりと合わせる事が出来ないでいると、今度はさらに下の方からピピピと音が鳴り、その音は今度右、そして上、とあちらこちらから鳴り始めます。


「え?え?あれ?」


 視線を合わせない事には音が鳴り止まないみたいで、慌てる事になるのですがどうにも視線は合わないまま。

 何が起きた?と少し考えてみるのですが、一つ視線が増えていることに今更気がつきます。


「あ、撫子の視線も把握しているって事?」


 すりすり


 正解と言わんばかりの返事が撫子から来ましたが、分かっているならどうにかして欲しいと思っていると、ペチペチと抗議するような反応が。

 そして見えづらい右側を少し見てみると、なにか読めない文字のようなものが色々と上から下に流れていて、それを見ているだけでもかなり気持ち悪くなりそうだったので目を背けて左側を見ていると、最初の左下の方のナニカにカーソルが合ったみたいでピピッと情報が出てきます。


『アンノウン』


 視線が合った場所はどうやらこのロボットの左手だったみたいですが、不明という意味だと思われるのですが、カタカナが英語表記に変わりそしてそのまま崩れます。

 そして別の場所も数か所見る事が出来たのですが、結果は一緒で、アンノウンと出るだけ。


「不明って、このロボットが自分の事分からないって事?」


 すりすり


 撫子が返事をしますが、何故か喜んでいる感じで不思議に思っていると、スッとヘルメットから抜けるような形で撫子が外へ。

 凄く窮屈という程ではなかったのですが、右側も簡単に見渡せるようになってかなり楽になると、今までそろわなかった視線もすぐに合わせる事が出来、ピピピとかなりなっていた音はおさまります。


 ロープとライトぐらいしか情報を見ることは出来なかったわけですが、ライトの方からは隕石が落ちた遺跡という単語や魔力、生体センサー、等の色々と新しい単語を発見することが出来て、チュートリアルが進んでいるような気になるわけですが、視線を合わせるチュートリアルが終わったのか、終わっていないのか分からないまま次の場所が示されることはなく。

 どうしたらいいか考えているのですが、当たり前ですが何も浮かぶことはなく。

 少し撫子が居なくなった分息が吸いやすくなった気がしていると、声が聞こえてきます。


「アー、あぁ、あー?聞こえますかね?」


 初めは機械音声のような声だったのですが、数回のアーの間に普通の人の声に変わり、一応どちらかと言えば女性的な声が確認をしてきます。


「聞こえますよ」

「あぁ、よかった」


 返事がすぐに帰って来るので、小さく頷くばかりですがこの声の主が気になるところ。


「この声は、よく分からないロボットの自動音声か何かです?」

「いいえ?」

「チュートリアルの最中なんですけど、次の表示がないんですがそれのサポートでは?」

「違いますよ?」


 こちらの言葉に的確に否定を入れて来るのはちょっとだけ困る話ではありますが、そうなって来るとこの声は何なの?という話に。


「えーっと、この声はどちら様が?」

「え?本気で分からないの?」

「ええ」


 その声と同時にぼふっと撫子がかなりいい感じの体当たりを決めてきますが、ちょっと機嫌でも悪くなったのかな?それともこの声の主になにか言いたいことがあるのか分かりませんが、珍しい反応だなぁと思っていると、ペチペチと撫子が反応します。


「ね?」

「いや、ね?って言われても……分からないんですけど」

「まーじーでー?」

「マジです」


 すると今度は撫子がいつものようにすりすりと動いてきますが、よく分からないままで。


「ほら?」

「ほら?と言われても?」

「私よ?」

「どちら様です?」


 ペチペチともう一度叩かれて、いきなり画面の目の前にペタッと顔を付けてきます。


「私よ!な・で・し・こ!!」


 ……ヘビは喋れないと思います。




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