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極氷姫の猟犬  作者: 骸崎 ミウ
第7章
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密林の乱1

列車の位置まで戻ると無事だった資材が外に運び出されており、列車の側で野営の準備が進められていた。




「戻ったよ〜。そっちの方はどんな感じかな?」



「あ、礼華隊長。さっき東支部と中央に連絡がつきまして、東からは救援が来て中央からは復旧班が派遣されるそうです。ただ、双方早くて2日は掛かるそうで……」



「まぁ、来ないよりかはマシだよ。物資の方はどんな?」



「瓶詰めの薬品は一部駄目になっていましたが、それ以外は無事でした。食料は缶物と干物と大量の長期保存固形レーションのみです」



「…………………出来るだけレンガ消費しようか。料理人のリクが異能の反動でダウンしてるし」




そうしてある程度共有を終えた後、体力の温存を理由に隊全員で横転した列車の側で火を囲んで夜を明かす事にした。



────その日の真夜中。



明かりは焚き火のみで寝ずの番は交代で行っていた。




「……………ん」




そんな時であった。先程まで寝込んでいた理玖が眠そうな顔をして、のっそりと起き上がった。




「……あ、起きた。どうしたのリク?」



「………トイレ」



「あー……そこの茂みでやりなよ。あんまり奥に行かないでよ」



「……わかった」




そうしてリクは少し離れた茂みに向かった。しばらくして、用を済ませたリクが野営地まで戻ろうとした時……。




「…………ん?」




暗闇に潜む獣の瞳と至近距離で目が合った。





***





『グガァァァァァッ!!!』




静寂に包まれていた暗闇の密林に野太い獣の咆哮が響き渡り、それに続き特徴的な霊長類の動物に似た鳴き声が複数響き渡った。




「──ッ!!敵襲ッ!!!」




眠気に微睡んでいた愛莉珠は咆哮と同時に覚醒し、野営地に怒声を響き渡らせた。怒声を聞いた隊員達は寝ていた者も含めて全員飛び起き、各々の武器を構えて警戒した。



しかし、茂みが揺れる音が聞こえるものの、鳴き声自体は徐々に密林の奥へと消えていき、最後には元の静寂に包まれた密林へと戻った。




「なんだったんだいったい………。そうだッリク!リクッ!ちょっと返事してッ!リクッ!!」




静寂に戻った密林にて愛莉珠は悲鳴に近い声で先程密林に向かった理玖を呼んだ。しかし、いつもならすぐに駆けつける理玖はおろか彼女のことをそれなりに慕っている魔狼もやって来なかった。

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― 新着の感想 ―
[一言] やっぱり理玖が攫われたか(ʘᗩʘ’) さてさて、お次はどうなるやら(⌐■-■) 案外、歓迎会されるかもな(´-﹏-`;)
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