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極氷姫の猟犬  作者: 骸崎 ミウ
第11章
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子狼の微睡み〜終

夕食を食べ終えた後はしばらくまったりとして、3人で布団の中に入り就寝する事にした。



時刻は午後9時を指しており、まだ寝るには早い時間だが、幼くなった理玖に合わせての時間であった。




「さぁ、理玖坊や。良い子は寝る時間じゃぞ」



「………ん」




神崎に手を引かれる理玖はもう眠気に襲われているのか昼間よりもより動きと反応が緩慢としていた。



そして足取りもだいぶ怪しくなって来た為、神崎は彼女を抱き上げてそのまま布団へと誘導して中へと入れた。




「……みーねぇ」



「なんじゃ理玖坊」



「………ママとパパ、だいじょうぶ?」




何気ない問いかけだったのだろう。子供が両親の安否が気になるものであるし、危険な場所に行っているなら尚更である。




「……………大丈夫じゃ。必ず帰って来るぞ」




神崎は出来るだけ動揺を表に出さずにそう答えた。先程まで目をショボショボさせていたのに、今はそのアメジストの目をしっかり開いて神崎を見ていた。



神崎はなんだかその視線が自分の内側を覗き込んでいるかの様な錯覚を覚えた。




「………ん、わかった。おやすみ」



「おぉ、おやすみ」




そうして理玖は目を閉じて眠りに入り、それを見届けた神崎は起こさぬように静かに部屋を出た。



暗い廊下を歩いてまだ明かりが付いている居間に行けばそこには暖かいお茶を飲んでいる夜奈がいた。




「なんじゃ、酒は飲まんのか?」



「流石に今日は飲みませんよ。それより理玖はどうでした?」



「すぐに寝たぞ。まぁ、昔のままならば早々起きてはこんじゃろな」



「そうですか。……………もう2年ですか」




『2年』それが何を指すのかは神崎にもわかる。



理玖の両親の幸子と翔太が最後に目撃されたのはボイドの激戦地帯である西支部の奥地。ボイドが絶えず生み出される地獄の地にして、『天災』の始まりの地。



例年以上の異常発生に戦況が不利となった時、引退気味であった2人が夜奈の反対を押し切って先陣を切って向かった。



2人が先陣を切ってしばらくしてボイドの異常発生は終息したが、2人は帰って来なかった。




「………あの時、私が権力を行使してでも止めていれば何か変わっていたのでしょうか」




そう呟く夜奈は少し俯いており、湯呑みに残っているお茶には後悔の念が出ている表情が写り込んでいた。




「それはわからんな。……あの2人のおかげで今の前線を維持できておるし、使ったところで似た者同士の彼奴らはそれを無視して向かっておったじゃろ。お主に理玖坊を預けてな」



「…………そう、ですね」



「それに……お主だってあの2人が生きておると信じておるじゃろ。でなければ時間を割いては西支部の奥地に飛んで探しにいったりせんわな」



「……………」



「…………さて、わっちらも寝るとするかの。早寝早起きは美容にも良いからの」



「……それは夕食で理玖に小皺が増えたと言われたからで?」



「言うな」




そうして2人は居間の電気を消して理玖と同じ部屋へと向かい、眠りについた。




────尚、理玖の幼女化は一晩で治り元に戻った。ちなみに理玖が着ていたアホロートルの着ぐるみパジャマには夜奈が伸縮変化の魔法を編み込みながら作っていたので破けて素っ裸になる事は防がれた。

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― 新着の感想 ―
幾らタラへば話しても変わらんにしても(◡ω◡) もし最初から居たら、最初からもっと大変だった事になるしな(´-﹏-`;) アリスとリクとの出会いも防がれたかもしれんし、最初の大立ち回りの終息に夜奈と…
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