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極氷姫の猟犬  作者: 骸崎 ミウ
第11章
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わんわんパニック〜3

ヒグマサイズのポメラニアンになってしまった理玖を抱えたまま夜奈は自身の仕事場である中央の本部にある執務室へと向かっていた。



道中、二度見どころか三度見されたが、気にする事もなく進んでいき、ビルの階層を何階か通過してようやくたどり着いた。




「では理玖。私はまだ仕事がありますので大人しくしていてください」




夜奈はそう言って理玖を下ろして自身の机へと向かい、作業を始めた。



理玖が夜奈の執務室に来るのは3度目であり、1度目は第二特殊戦闘部隊に入隊した時に形式的な挨拶をしに行った時で、2度目はウィステリアの捕縛(5章最後)でのやらかしの説教だ。



執務室はそれなりに広く圧迫感はない。整理整頓された黒いデスクに座り心地の良さそうな椅子、ワインレッドのカーペットに来客対応用ソファと机があり、部屋全体には絵や花瓶などの調度品が置かれている。



またよく飲んでいるのかコーヒーの良い香りが残っており、夜奈の背後には何世紀物かはわからない古そうな蓄音機が置かれている。また陽の光がよく入る様に設計された大きな窓もあり、そこからユグドラシルを一望する事ができた。



夜奈は蓄音機で音楽をかけながら黙々とデスクの上の書類の確認と電話での指示出しや対応をして、理玖はその隣で日向ぼっこをする事にした。



夜奈の執務室と比べて愛莉珠の執務室は良くも悪くも雑多で騒がしい。



まずやりたい事以外は面倒くさがりな愛莉珠は重要な書類など期限ギリギリまでほったらかしにする事がよくある為よくレイチェルや神崎に怒鳴られているし、他の隊員との共用の部屋なので色々と物が溢れている。



第二特殊戦闘部隊の騒がしさは嫌いではないが、夜奈の執務室の様に穏やかな静けさの方が理玖は好みである。



───まぁ、本人からすれば愛莉珠に構われる方が断然良いが、今回はやらかしがやらかしなのでこちらに来たのだが。



理玖は陽の光がよく当たる窓側で黒い毛玉饅頭になって昼寝をしていた。呑気なものだが、ポメラニアンになってしまったでやれる事がないし、そもそも夜奈の仕事内容に他部隊の理玖が関わるのはあまり良くないからだ。



そうして陽の光の温かさでウトウトしていると執務室の入り口の扉が開いて神崎が入ってきた。




「失礼するぞ夜奈、この前の北部支部の物資の…………なんじゃその毛玉は」



「理玖です。礼華隊員が異能封じの魔道具を装着させて変身ポーションをかけた結果この様に」



「あぁ………だからポメラニアンなのかの。というかサイズがおかしいじゃろ」



「軽く調べましたところ、どうやらこの異能封じの魔道具は試作品の様で中途半端に効果が消えてこの様な結果になった様です。あと数時間すれば元に戻ります」



「ほうほう……それは災難じゃったなぁ」




神崎はそう言いながら理玖の顔辺りに手を差し込んでわしゃわしゃと撫でていた。理玖はそれに対して特に嫌がる素振りは見せず、されるがままにジッとしていた。




「毛の中は随分暖かいの。天日干しの影響かの?」



「………確かに暖かいですね」




ヒグマサイズのポメラニアンのモフりに夜奈も加わり、理玖の毛並みはどんどんふわふわとしたものへと変わっていく。それがなんとなく嫌になって身体を揺らせば2人はやめてくれた。




「さて、仕事もひと段落しましたので昼食に行きましょう。理玖、また抱えていきますか?」



「歩く」



「わかりました。では行きましょうか」



「その姿でも喋れたのか……」




そうして3人は昼食をとりに中央の食堂へと向かった。

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天日干しでふあふあホカホカだと下手に犬吸いすると寝るなコリャ(ʘᗩʘ’)
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