わんわんパニック〜2
「一体貴女達は何をしてるのですか?」
心底呆れた様子でそう言う夜奈の視線の先には土汚れやらなんやらで汚れてボロボロになって地面に倒れている愛莉珠とそんな彼女の上にどっかりとお座りをしているヒグマポメラニアンの理玖がいた。
愛莉珠はボール遊びに失敗してから理玖の機嫌を直そうと様々なものを試した。
まずは分かりやすく食べ物で気を引こうとしたが、愛莉珠が用意したお菓子(犬用)を出せば頭突きをされ、生肉を出せばビンタで生肉強奪して食堂の厨房で焼いてもらい食べて、理玖の好みのスイーツを出せば愛莉珠の腕ごとかぶり付いた。
………尚、腕ごとかぶり付いた理玖はその後愛莉珠をしっちゃかめっちゃかに振り回して吹き飛ばした。もちろんおもちゃにされた愛莉珠は気合いで張り付いて理玖を撫で回していた。
そしてせめてステーキを食べている時に触ろうとすれば、ポメラニアンがしたら駄目な歯剥き出しのガチの威嚇を愛莉珠に向けた。
続いて愛莉珠は棒投げやフリスビーなどで気を引こうとした。しかしそれはボールの時と同じく、無視されるか非常に哀れな者を見ている様な視線を向けるだけであった。
一応、フリスビーの際にはあまりの反応の悪さに泣き出した愛莉珠を見た理玖がため息を付いてやる気ゼロなノロノロとした動きでフリスビーを取りに行ったが、そんな理玖に飛びつこうとした愛莉珠は鬼ビンタを受けて地面に沈んだ。
そうして現在では理玖は何を考えたのか地面に沈んだ愛莉珠の上でお座りをし始めた。見た目ポメラニアンだが、サイズはヒグマなのでかなりの重量があり、現にマット代わりにされている愛莉珠は若干苦しそうにしている。
「…………ひとまず理玖は私が預かります。いいですね礼華隊員」
「いやなんで連れてくのさ。僕はリクを持ち帰ってモフモフを堪n──グェ」
理玖を抱き抱えようとする夜奈に愛莉珠はそう反論していると理玖は愛莉珠の頭を踏みつけて中断させた。
「見事に嫌われているじゃないですか。どうやら無理矢理この姿に変えたみたいですね。このまま貴女が連れて帰ってもボロ布にされるだけですよ。それに戻ったとしてもこの反応から見るに確実に家出しますね」
夜奈はそう言って理玖を両手で持ち上げ抱き抱えた。愛莉珠の時とは違い、特に威嚇する様な素振りは見せなかった。
「えぇ〜〜………、もうわかったよ。じゃあ、リクをよろしくね柳龍」
「えぇ、わかってますよ。では行きましょうか理玖」
「うん夜奈姉」
「………………ちょっと待て今返事したよねリク?」
「ワフ?」
「気のせいですよ」
そうして夜奈は足早に理玖を連れて行ってしまった。
来週はお休みします




