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極氷姫の猟犬  作者: 骸崎 ミウ
第10章
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抵抗戦線〜終結

不機嫌な理玖のドスの効いた返しに金持が冷や汗をかいていたその頃、第一第二合同鎮圧部隊も攻め込めずにいた。



そもそもこの争いは金持が主導となって行動している抵抗軍の鎮圧であり、結界により大きく弱体化している今ならば強固手段を取れば多少怪我はあれど即捕縛出来る。



しかし捕らえた後は即病院に連行され文言無用でワクチン接種される。ワクチン接種の際、怪我などがあると状態によってはワクチン接種は後回しにされる事がある。



そのため出来る限り無傷での捕縛が推奨されているのだ。




「動き無し……そろそろ攻めないとマズいなこれ。時間的に」



「仕方ありません。アレを使いましょう。経費は私が出しますので」



「………随分太っ腹じゃん。何が望み?」



「来週の休日に理玖を借ります。共に出掛けたいので」



「………………まぁ、いいよ」



「契約成立ですね」




愛莉珠と夜奈はそんな会話をすると何かを用意し始めた。その時の時刻はちょうど正午前であった。





***





「………腹減ったなぁ。ラーメン食べたい」




時刻は正午過ぎ。金持は最後の拠点である廃ビルの壁に寄りかかってそうぼやいていた。




「リーダー、それ言わないでくださいよぉ……余計意識しちゃうじゃないですか」



「いやごめん。………でもレンガだけだと思ってしまうんよ」



「まぁ、わかりますよ?不味いですし。…………というかリーダー?アレどう収拾をつけるんですか?見るからにヤバいじゃないですか」




金持の参謀とも呼べる同期が指差した先には先程と変わらず部屋の隅で長期保存固形レーションをガリガリと齧る理玖がいた。



ただ普段人形の様なその顔の眉間には大きく皺が刻まれておりガルガルと唸ってはいないもののはっきりと不機嫌とわかるもの。心なしか周りの空間が歪んで見えるのは気のせいだと金持は思いたかった。




「………………………未来のウチに任せる」




そんな爆発寸前の火薬庫を見た金持は顔を青ざめてそう後回しにした。今の金持は尊厳破壊なワクチン接種かブチ切れ魔狼蹂躙パーティの2種類のエンドしか見えなかった。



そんな金持が自身の近い未来に震えていた時、拠点の外……鎮圧部隊がいる方面が何やら騒がしくなった。




「……なんや?急に騒ぎ出して………なんかいい匂いするな」



「あっ、確かにそうですね。まるで肉を焼いている…よ……う……な…………」




鎮圧部隊が何をしているのか双眼鏡で確認したところ目に飛び込んできたのは……



大きめのBBQコンロにジュウジュウと熱せられた鉄板で焼かれる肉類に色とりどりの野菜にそれらを囲んで楽しそうに談笑しながら食べている鎮圧部隊。



…………そう、彼女らはクソ不味い長期保存固形レーションしか食べれない抵抗軍の目と鼻の先でBBQをしていたのである。




「あんの女狐共がぁぁッ!!ウチの目の前であんなもんやりおって!人の心ないんかッ?!」



「──ッ!リーダーッ!大泉ちゃんが消えましたッ!」



「はぁ?!」




理不尽な所業にキレる金持に残された抵抗軍のメンバーが慌てた様子で叫んだ。その報告に金持は慌てて理玖がいた場所を確認すると床が壊されてその下に人1人通れるサイズの穴が空いていた。




「そうか!アレは理玖ちゃんを誘き寄せるための罠ッ!」



「いやでもさっきまでレンガ食べてましたよね!?空腹はそれで満たされて──」



「アホッ!3日間まともなご飯食べれなかったから暴走しとるんや!幸子ちゃんだって半日しか保たなかったやろ!?充分耐えていたわ!」



「ど、どうしますかリーダー?!最高戦力が向こうに突撃しちゃいましたよ!?」



「ええいッ!こうなったらヤケクソやッ!!行くぞお前らッ!!最後の足掻きを見せてやるぞォ!!」



「「「了解ッ!!」」」



「よしッ!では突撃ィィィィィッ!!」



『『『YAHAAAAAAAAAAAAAA!!!!』』』




理玖という最高戦力が堕ちた結果、自棄になった抵抗軍は決死の突撃攻撃に移った。それは自分達の尊厳を守るためのものであった。




────一方で理玖はというと地面から頭だけを出して夜奈に餌付けされていたのであった。

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― 新着の感想 ―
誘き出して、最終突撃させて、早期決着に踏み込んだが(٥↼_↼) 元々勝ち目のある戦でもなかったか(─.─||)
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