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極氷姫の猟犬  作者: 骸崎 ミウ
第9章
148/194

帰還

ユグドラシルと監獄を繋ぐ道は長いものの、監獄とユグドラシルを直通するのはさほど時間は掛からない。



そもそも行きは列車での移動でいくつかの関所に加えて1番安全な線路を通過する都合上時間がかかる。



一方で1番手っ取り早い移動は直接地上を進むものではあるが、秒単位で変わる災害レベルの天候の中を突っ切るかと言われるとまずやらない。



やるとしてもそれなりの実力を持つ人でそれもある程度信用されている人しかできない。今回救助にやってきた3人はこれに該当する。



そして現在、理玖とウィステリアを尻尾の中に入れた神崎が荒野を走ってユグドラシルに戻っていた。




「ほれお前さん達、そろそろ着く頃じゃ」



「案外早かった」



「いや早過ぎでしょ。どんな足してるのよ……」



「これくらい足の速いウマ系のビーストならば行ける速さじゃよ。まぁ、あの天候を抜けられたらの話じゃが」




そんな会話をしているなかでようやくユグドラシルの外壁が見えてきた。



………そしてその外壁にまるで巨人が蹴り破ったかの様な巨大な穴が空いているのを見た神崎の目は死んだ。




「……澪姉さん。見間違いじゃなければ厚さ20メートルの外壁に穴空いてるけど?」



「心配するでない理玖坊。わっちにも穴が空いている様に見える」




中まで見える位置まで到着するとその被害がよくわかった。



外壁から壁際の建物までは1キロ以上距離がある筈だが、それを余裕で超えて建物や道路などが破壊されていた。ただし、その破壊現場は既に技術部の修復作業が開始されていた。



しばらく破壊現場に沿って移動していくと終着点の瓦礫の山に突き刺さった白い塊が見えた。神崎の尻尾から出た理玖はその瓦礫の山を登って白い塊を引っ張り出すとそれは目を回したボロボロの愛莉珠であった。




「理玖坊。その白いゴミ(愛莉珠)に魔狼でも付けて中央の懲罰房へぶち込んでおけ。わっちはやらかしたアホを捕まえにいく」



「わかった」




完全にキレた様子の神崎が理玖にそういうとどこかへ向かっていった。心なしか尻尾が一回り大きくなっていた。




「………ねぇ、大泉。神崎管轄長って怒るとやばい感じ?」




と理玖と一緒に出てきていたウィステリアが神崎の事をよく知るであろう理玖にそう聞いた。




「澪姉さんは基本的に夜奈姉に負けるけど、一定のラインを超えたら鬼神に変わります。夜奈姉が怖がるぐらいにはやばいです」



「やっぱり普段優しい人とかやばい感じなのね」



「そうですね」




理玖はそのまま逃げなければ怖くはないのに逃げるから酷くなるのだと心の中でそう思った。



───その後、ユグドラシルの一部を破壊した夜奈と愛莉珠は仲良く懲罰房に送られ、理玖しばらく神崎と共に過ごした。

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― 新着の感想 ―
無事(じゃないけど)帰って来れたか(ʘᗩʘ’) 何か悪足掻きでもして来るかと思ったが(゜o゜; そんな事も起こらず、自分でヤラカシてるよ(٥↼_↼)
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