ベースキャンプ〜2
「とりあえず着付け剤は投薬しましたが……まぁ、早くて30分ですかねぇ。やはり魔法薬使えないのがねぇ……というかなんで効かないんですか?魔力関係」
後片付けをするマユリはソフィアにそう質問した。
「確か……彼女はレオナルドと同じ覚醒ビーストで魔力を吸って眷属を生み出したり対象の能力を奪い取る異能と耳にしましたが」
「なんですかそのチート。一体誰のバディなんです?」
「第二特殊戦闘部隊隊長の礼華 愛莉珠です。ちなみに彼女のご両親は先代隊長とそのハウンドで現ユグドラシル局長の姪です」
「血筋までチートでした……」
「そしてどちらも今現在祟り神になってこちらに向かって来てる様で」
「終わったじゃん監獄長。………いやそもそもなんでそんな核弾頭が地雷になってる子がここに来てるんです??」
「……………中央名物の嫌がらせです」
「はいくそー」
ソフィアが苦々しい表情でそう言えばマユリは半端ヤケクソになりテントの支柱へ頭突きを始めた。
逆鱗に向かって殴られた挙句宝を奪われたブチ切れドラゴンと同じく横面殴られて愛し子を攫われた祟り神が来ているとなればヤケクソになるのは必然である。
ましてやそれが自分達が知らない場所での足の引っ張りあいの産物では尚更。
「まぁ、幸い?な事に今は空中要塞形態ですので彼女らの到着まで最短3日の猶予があります」
「なるほど確か」
「……空中要塞形態だと何かあるんですか?」
ソフィアが言ったことに疑問に思ったウィステリアはそう聞いた。
「あー、この監獄って空中要塞になるとバリアが出るんですよ…。確か………くっちゃらなんちゃら……」
「屈折透過壁です。天候や気候がゴロゴロ変わる中を飛行していますからシュヴァルツ監獄長が設置させたんです」
屈折透過壁。
それは『天災』以降の過酷な環境下の拠点都市によく採用されている魔法結界であり、簡単に言えば人為的に多次元を生成して外側からの物理的な干渉を受けなくなる結界である。
また、その屈折透過壁を無理に通過するには多次元を解析した上で結界と同じ魔力パターンの結界を衝突させて空いた穴に入り込むしかない。
また屈折透過壁は埋没式や移動都市系よりも燃料となる魔力も桁外れでコストが高いが、結界がある限りは無敵な為、資金に余裕がある拠点などで採用されている。
「よくそんなお金出ましたよね……確かあれって設置だけで数十億は消し飛ぶとか。あと燃料の魔力なんて1分で大都市1ヶ月分が消し飛ぶとか」
「設置に関してはそれはもう揉めましたよ。燃料に関しては………アレです」
ソフィアがそう言って指差したのはだらしない顔で眠るレオナルドであった。
「………………あぁ、なるほど」
ウィステリアも納得してしまった。
ちなみに燃料補給のやり方は充電ケーブルを咥えた10人のレオナルドがシュヴァルツの鞭捌きによって1時間ブヒブヒ言わされるという見るに堪えない代物である。
燃料効率はいいがレオナルド本人が重犯罪者専用監獄『ラビュリンス』に収容されるほどの危険な犯罪者である事と懲罰に関して色々うるさい為、監獄内での使用に留まってしまっているのである。
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