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極氷姫の猟犬  作者: 骸崎 ミウ
第9章
133/194

上層へ

灯りが乏しく薄暗い縦長の空間



そこは貨物エレベーターが移動する際に通るパイプであり、エレベーターを使わずに上層に移動するにはそこしか道はない。



しかし、その空間の側壁はほぼ凹凸がないもので吸着する様な道具が無ければまず登れない。



そんな空間内でギュポギュポと特徴的な音が下から鳴り響いていた。




「いや〜、やっぱりカードキーはケースに入れておかなきゃいけませんよねぇ。私よく割っちゃいますから」



「そもそもカードキーを割るなんて中々無いと思うわよ……というかアンタなんでカードキー持てるくらい権限高いの?囚人でしょ?一応」



「確かに私は囚人ですが、監獄長であるご主人様のハウンドである事に加えて、囚人に教えを解く教祖でもありますから」




理玖とウィステリアはレオナルドの両脇に掴まり、レオナルドは自身の髪を吸盤が着いた太い触手群に変えてそれを側壁に貼り付けながら登っていた。



──これはレオナルドの3つの異能力の1つである『変態』である。もちろんこれは姿形が変わる方の意味である。



この異能は彼女自身が経口摂取したものを自身の肉体に再現できるもので同時に3つまでなら再現は可能である。ただし、それ以上は肉体的に負担が掛かる上に再現するものは4日以内で経口接触したものに限る。



ちなみに彼女の先日の夕食はタコのカルパッチョである。




「……教祖?」



「えぇ……。実は私、ここへ収監されるまではそれなりの規模の宗教の教祖をしておりました。今は既に解体されてしまいましたが、ここで新たに開宗しました。………どうですか?御二方も被虐極楽教に入信しては」



「「結構です」」



「ふふふっ……最初は皆様そうおっしゃいます。ですがご主人様の寵愛を受ければ考えが変わりますよ」



「「結構です」」




そう聖母の様な笑みで入信を進めるレオナルドに2人は死んだ目で拒否した。



ちなみに何故レオナルドに運ばれているのかというとこちらの方が楽だと判断したからである。




***




「───ほぉ?お前はそっちに着くのかレオ」




無数の液晶パネルから発せられる青白い光のみが光源の監護内のとある一室。それぞれのパネルには監獄内の様子が映し出されており、この一室が監視室である事がわかる。



そんな場所で一際豪華な椅子に腰掛けているのはラビュリンス監獄長『雷鞭女帝』シュヴァルツ・ニューゲートであった。



そして彼女の視線の先には貨物エレベーターの通路の側壁を登っている3人が映し出されたパネルがあった。




「まぁ、お前がそちらに着くのは想定内。何故ならお前は私の寵愛を一心に受け止める愛しき豚であるからな。


それよりもだ……今回は運がいい。かの白竜の猟犬に爆弾魔の鏡猫までいるなんてな。あのいかにも達観した顔をこの手で歪めてみたいものだッ」




シュヴァルツは椅子から立ち上がり、3人が映る画面に近づいた。レオナルドが2人を抱えながら入信活動をして理玖とウィステリアはそれをげんなりと言った表情で耐えていた。




「さぁ!ここまで来いッ!這い上がってきたその暁にはこの私が直々に歓迎してやるぞッ!ハーッハッハッハッ!」




監護の女帝の高笑いが木霊していく。それはまさに魔王の様であった。



































「暗過ぎます。電気つけてください」




シュヴァルツが高笑いしているとバチンッと音が鳴り暗かった監視室は人工の光で満たされた。




「何をするッ!!今1番カッコいい所だっただろうがァ!!」




と先程とは違う怒鳴り声がまた監獄内に響き渡った。

諸事情により来週はおやすみします

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― 新着の感想 ―
[一言] 魔王ごっこの積もりで色々とやってくれてるようだが(ʘᗩʘ’) 終いには白の大魔王と紅蓮の閻魔大王がやって来るぞ(٥↼_↼)
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