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極氷姫の猟犬  作者: 骸崎 ミウ
第9章
129/194

現れし監獄のビースト〜1

狂気と混沌に満ちた監獄の下層部と中層部の境目に近い場所で断続的に揺れと轟音が鳴り続いていた。




「はい次」『ズガンッ!!』




その音と揺れの元凶(理玖)は足元に伸びているスキンヘッドの囚人の後頭部を鷲掴みにしてその顔面を壁に叩きつけて埋め込んでいた。



後方を見ると等間隔に壁に埋まった囚人や床に犬○家状態になっている囚人がいる事から彼女の仕業である事は間違いなかった。




「はい次」『ズゴンッ!!』




理玖は淡々とゴム弾やボディブローで意識を刈り取った後、路上に転がる石を見る様な目でただ淡々と壁埋めと床埋めの作業を繰り返していた。



そんな光景に目の前で道を塞いでいる囚人は皆怯えた様子はなく、何故か鼻息荒くして順番待ちしていた。



それもその筈。ここの囚人にとって壁尻や犬○家は日常茶飯事な事。この程度では臆する事ないのである。




「………さっさと退いてくれたら埋まらずに済むけど。もしかして、もっとキツいのにしなきゃ駄目なのか?」



「監獄長の調教が行き届いているからマゾになってるのよ。これもアイツらにとってはご褒美よ」




頭を掻きながら面倒くさそうにそうボヤく理玖に若干引きながらウィステリアがそう言った。




「じゃあ、結構痛いやつやりますか」




理玖はそう言うと銃を片手に目の前で順番待ちしている囚人を床に転ばせて仰向けにした。そして、銃口をその囚人のとある一点に向けて電磁加速を付与した状態で引き金を引いた。



常人の目には一筋の光線に見える弾丸が行き着く終着点。それはこの世の男達がどんなに身体を鍛えようとも鍛えられない急所であり、骨や筋肉といった装甲は無い皮だけの剥き出しの下半身の急所。……………そう、金的だった。




「─────────ッ!!??!?!?!」




囚人の声にならない絶叫が監獄内に響き渡り、口から泡を吹いて陸揚げされた魚の様にビクビクと身体を震わせた。



その絶叫を出させた本人はまるで道端に転がる石ころを見るかの様な視線で更に追い討ちで囚人の脇腹を蹴り上げて壁にめり込ませる。



それは奇しくも彼女の主人(愛莉珠)が以前この監獄で行った事とほぼ同じ事であった。




「ほら、ご褒美欲しい奴は前に来い。空まで飛ばしてやるから」




理玖がそう吐き捨てた瞬間、先程まで道を塞いでいた囚人達は一矢乱れぬ動きで左右に割れて道を開けた。



流石のマゾでも金的を消し飛ばされたくない様だ。



理玖は開かれた道の中央を堂々と歩き出し、ウィステリアはドン引きした様子で彼女の後を着いて行った。



しばらく2人が道なりに進むと廊下の終着点と思われる貨物エレベーターの扉がある広場へ着いた。




「この地図が正しければここが中層部への入り口ね。……まぁ、乗るには呼び出さなきゃいけないけど」



「今までエレベーターなんてありませんでしたから、きっとそうで───ッ!」




その時だった。



沈黙を保っていたエレベーターが錆びついた金属音を鳴り響かせて動き出した。轟々と重い音を響かせて僅かな衝撃があった後に閉ざされていた鉄の扉がゆっくりと開いていった。



鉄の扉から漏れ出る毒々しい色のランプを背景に広場に降りてきたのは先程までの囚人とは全く違うビーストの囚人であった。



足元まで伸び切った薄桃色の美髪に傷ひとつなくきめ細やかな玉肌、そのまま健やかに成長すれば絶世の美女に成り得る愛らしい容姿を持った少女で服装は縞模様の囚人服を改造して作ったのか縞模様に統一された露出度の高いものになっていた。



下着が見えそうなくらい短いミニスカートに上は自身の腕の2倍はある大きく長い袖が着いた肩と首周りだけを覆っている服を着ており、ブラ代わりのサラシが丸見えである。更に理玖が付けているよりも更に大きく尚且つ無骨な首輪をしており、その首輪を基点に幾つか鎖が伸びていた。



そして、彼女の両耳は枝分かれした珊瑚の様なものになっており、素足は猫科を思わせる脚に背には蝙蝠に似た翼が腰からは蠍の様な尾が生えていた。




「機嫌YOU☆!最下層からほぼ最短でたどり着いたのは貴方方が初めてであります!これには先日睡眠時間を返上して運んだ我々の目にも涙が溢れてきそうですっ……」




目の前のビーストの囚人はやたら大振りな振り付けをしながら芝居の様にそう言った。彼女の言葉に自分達を地下に運んだ犯人がわかった理玖から出る気配が刺々しくなった。




「さて……お二人がご想像している通りこのエレベーターは中層へと向かう唯一の手段です。そしてこのエレベーターは専用のキーがなければ動きません。そしてそのキーは私が──」



「要はお前を倒せばいいんだろ?」




ビーストの囚人の言葉を遮る様に理玖がそう言うとビーストの囚人はやれやれといった表情で首を振った。




「お話は最後まで聞くものですよ?まぁ、実際その通りですが。では…………始めましょうか」




そう言うとビーストの囚人は両腕を広げて何やらポーズを取った。理玖はそれを警戒してウィステリアを守る様にして前に出て銃を構えた。




「我はラビュリンス監獄長『雷鞭女帝』シュヴァルツ・ニューゲートの忠実なる豚奴隷にして信者である覚醒ハウンド………レオナルド・レイナットなりッ!!いざ尋常に勝負ッ!!」




覚醒ビースト同士の戦いが今幕を開けた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 飼い主が飼い主なら猟犬も猟犬だな(٥↼_↼) 少し前なら自分もブラ下げて物に容赦ね~ぞ(‘◉⌓◉’)
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