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極氷姫の猟犬  作者: 骸崎 ミウ
第8章
121/194

南支部へ〜15 終

パラレルコンパスの騒動があった次の日、愛莉珠が率いる新人の挨拶周りの部隊は急遽予定を前倒しにして中央に帰還する事となった。



そして海が見える駅のターミナルで愛莉珠とエイハブは慌ただしく列車に荷物を詰め込んでいる隊員を眺めながら会話をしていた。




「なんか大変な事になっちゃったねぇ」



「全くだ。一体どこのバカがあんなの手に入れやがったんだ」



「裏市に行けばたまにかなり高値で販売されてるからね。あとは自作」



「できるもんなのか?俺はそういうの詳しく知らねぇんだよ」



「素材を揃えて組み立ててればなんとか。だけど、高純度の隕鉄とか今は絶滅しちゃった幻獣の血液とかクソ面倒くさい手順で作る護符とか必要だから割に合わない。僕の実家でも全部揃えられるかわからないくらいだからね」



「なるほどな。…………ところで坊はどうしたんだ?」




エイハブがそう愛莉珠に聞く先には海の方をぼんやりと眺めている理玖がいた。心なしか尻尾のボリュームが無くなっており、あまり元気が無さそうな感じであった。




「昨日からあんな感じだよ。………まぁ、原因はコンパスなんだけど。流石の僕でもかなり踏み込んだ話になるから今のところは様子見」



「…………………あぁ、そういう事か」




愛莉珠の省いた説明でもエイハブは理玖が何を考えているのかわかった様だった。




「少し坊と話してくる」



「……うん、お願い。リクの昔を知ってるジジイなら大丈夫だと思うし」




そうしてエイハブは理玖の方へと向かった。




「なにシケた面してんだ理玖。そんなに空にいる2人が恋しいのか?」




エイハブが声を掛けても理玖はそちらの方を見抜きもせず黙ったままだった。ただ、耳はエイハブの方に向いてる為、聞こえてはいる様だった。




「そんな調子だとあの姫さんや過保護な女帝が心配するぞ」



「…………ねぇ、エイハブ爺さん」



「なんだ?」



「……父さんと母さんのこと、割り切ったと思っていたけど、やっぱりまだ駄目だったみたい。お嬢からあの魔道具の事聞いてからずっと頭の中で同じ事考えちゃう」



「………そりゃあな。人間、割り切るなんて中々出来るもんじゃねぇよ。特に家族のこととかな」



「父さんと母さんは死んだって聞いたけど、帰って来たのはネームタグとスーツの切れ端と武器の一部だけだったから実感が無くて………


あの魔道具を使って会いたいって思った。けど、会いたくないって思った。だってそれ使って行っても結局そこには"俺の父さんと母さん"はいないから」



「…………」



「だからお嬢に俺にはあの魔道具は使えないって言われて安心した。だって使えたら会いたい会いたくない関係無しに使ってたと思うから」



「…………お前はそれでいいのか?」



「今はいい」



「そうか………だが、あまり溜め込むな。お前は昔から溜め込みやすいからな。近くに鬱陶しい程構ってくれるやつがいるんだから、そいつに甘えてけ」



「よくしてるよ」




理玖はそこで話を切り上げるとそのまま愛莉珠の元へと向かった。そして2、3個会話をすると今度は愛莉珠が理玖の頭を撫でた。



その光景を見てエイハブはため息をついた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 心の整理の問題だけど(ʘᗩʘ’) 異世界に行けて、向こうから来た事例もあるだけに逆パターン考えれば理玖が居なくなった世界から誰か来るって事もあり得るのか?( ・ω・) でもそれ以前に前々か…
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