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極氷姫の猟犬  作者: 骸崎 ミウ
第8章
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南支部へ〜14

検査の結果、理玖の身体は特に問題はなかった。強いて言えばまた魔力量が増幅したくらいである。



違法魔道具の中でも特に危険なパラレルコンパスが見つかったことで上から下まで大騒ぎになり、一部暴走しかけた所もあったがそれもすぐに収まった。



愛莉珠からの連絡を受けたユグドラシルは後日協会の監査員と共に南支部へと調査する事となった。



パラレルコンパスはそれ単体では稼働しない。稼働させるには1度使用者本人の魔力で満たした後、外付けの魔力タンクと繋げて1日放置する。それを得てまず稼働状態にするのだ。



そして稼働状態を維持したまま世界間を移動する為の『扉』へと向かい、その『扉』に向かって起動する。そうすることで並行世界へと渡る事ができるのである。



手順は多少手間ではあるが、別世界へと渡るわけだからそれ相応の魔力が必要となるし、パラレルコンパスはあくまで行きたい場所への道標にしかならない。



それでも危険視されてるのはその使用者本人の行きたい世界の『扉』に導くことが1番の理由である。




***




〜side愛莉珠




パラレルコンパスの騒動があったその日の夜。リクはなんだか無気力だった。頬突っついても胸揉んでも無反応だった。



リラックスとかそんなんじゃなくて、なんか考え事をしてる様なそんな感じ。



……………まぁ、考えてる事は多分あのコンパスの事だろうけど。



並行世界というのはある意味魅力的なものだ。



人生はゲームのマルチエンドみたいにその選択次第でエンディングが変わっていくもの。だけど、現実(リアル)はトゥルーエンド一択。それが幸せなものでも苦痛に満ちたものでも関係なく。



あのコンパスはそのマルチエンドの世界を移動できるもの。隣の芝生は青く見えるとはよく耳にするけど、まさにそれらしい。




「なぁ、お嬢」




とそんなことを考えていたらリクが話しかけて来た。




「ん〜?なんだいリク」



「…………あの魔道具って俺でも使えたか?」



「…………いや使えないね。使おうとしたらリクの異能でブッ壊れるよ。多分」



「そうか………」



「……………行きたくなったの?」



「少しは」




僕の質問にリクは短くそう答えてまた静かになった。



リクがその並行世界に思いを馳せるのも理解できる。リクの場合は一体どんなものだろうか?



『僕と契約しなかったら』とか『最初からビーストだったら』とか?これはありきたりなやつだろうけど。



またそんなことを考えていたら、リクはいつの間か身体を丸めて眠ってしまった。



リクは身体を胎児の様に丸くして寝てる事が殆どでこういうのって防御的で抑制が強い人がよくなるんだっけ。あとストレスがある場合とか。



その事をふと思い出して多分あれかなと思いついた。




あの2人(両親)が生きていたら』……と

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― 新着の感想 ―
[一言] 考えるなも酷な話だけど(ʘᗩʘ’) そういうのはあっちゃいけない問題な気もするが(´-﹏-`;)
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