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極氷姫の猟犬  作者: 骸崎 ミウ
第8章
111/194

南支部へ〜5

愛莉珠が理玖を船に下がらせた理由は理玖が限界であった事もあるが、主な理由は最近身体を動かしていなかったからと理玖にいい所を見せたかったからである。



というのも最近理玖からの視線……というよりも彼女の使い魔の魔狼の視線がだんだん見下して来ている様に感じてきて来たからである。



理玖の魔狼は自我こそあれどその本質は理玖(アルファ)の無意識下の感情と狼の本能を足して2で割った様なもの。見下して来ている様な雰囲気が出ているのは少なからず理玖本人もそう思っているのであろう。



実際、理玖本人は愛莉珠の実戦での戦闘をあまり見たことない。訓練などで対峙する事はあれどそれはあくまで"訓練"である為、実戦とは程遠い。



ではその感情を消し去るにはどうすればいいかというのは簡単な話で力を見せつければいいというわけである。




***




「ほらほらどうしたぁッ!!勢い弱くなってるよエロダコ共ォ!!」




愛莉珠の叫びが木霊する海は彼女を中心に極寒の氷の海へと変貌していた。



海の水は氷結し、まるでビデオの早送りの様な早さで周りの被害などお構いなしに氷の大地を形成していく。一部の海洋生物はその急激な温度変化に耐え切れずに死滅し不恰好な氷のオブジェとなった。



一方でレッカークラーケは自身の身体の凍結を防ぐために墨の生成を抑えて代わりに体表の粘膜の生成に回してそれを防寒具の代用にしていた。



突如極寒の海とかしたこの場で適応する事が出来たがそれは彼らの攻撃手段の一つを無くしたという事に等しい。



愛莉珠は轟々と吹き荒れる温度を奪い尽くす暴風を自身のサーベルに纏わせると手元がブレる程の勢いで横薙ぎに振られた。



氷の刃の嵐が顕現した。そう勘違いするほどの突風が氷の大地を切り刻みながらレッカークラーケに襲い掛かる。明らかにオーバーキルなそれは当然ながらレッカークラーケには耐え切れず、一瞬でその肉片は粉雪の様に細かくなるまで切り刻まれ、数百ものレッカークラーケが塵となって消えた。




「さぁさぁさぁ!!もっと来なよッ!僕を喰らいたきゃ死に物狂いになって来なよッ!さぁッ!!」




そう叫ぶ愛莉珠の紅の目は爛々と輝き、その輝きと同じくらい狂気が宿っていた。



──愛莉珠の数ある二つ名の中で一般的に知られているものは『極氷姫』というものである。



雪の妖精を思わせる美貌に純白の軍服に身を包み、あらゆる敵を絶対零度で凍らし雷光を轟かせて一網打尽にするその姿はまさに大衆が憧れる軍姫。



その姿に惚れて戦乙女を志す人は数知れず。



一方で彼女と同世代かそれに近い世代の者からは別の二つ名の方が広まっている。



その二つ名は『白銀の狂竜』。



一度手元に置いたものは自身が飽きるまで手放さず、それを盗んだり傷つけたりすればどんな理由があっても自らの手で再起不能まで八つ裂きする。どんな立場の人間でも関係無しに。



そして気に入ったものを手に入れるのに一切の手段を選ばない。誰よりも血を求めて圧倒的な力でねじ伏せる事を好む常に乾きを抱く強欲な白き竜。




「アハハハハハハッ!!」




そんな白き竜の笑い声が極寒の海に響き渡った。



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― 新着の感想 ―
[一言] 飼い犬が飼い犬なら飼い主も飼い主か(٥↼_↼) 理玖の暴走癖も問題だけど飼い主はもっと欲深いのか(ʘᗩʘ’)
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