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モンスターダービー開幕

「いいか、モンスターダービーのルールはわかったな?登場するモンスターをいかに早く倒すかの勝負。倒すと自動的に会場にワープされる。つまり、シルクスクリーンに接触している間は耐えるんだ!わかったな?」


「うーん、いいけど、モンスターってどんなモンスターが出るの?そんなに強いの?それにもよるよね。」


「もちろん、モンスターによってはとんでもない化け物もいるが、ほとんどは大丈夫なはずだ。俺たちでも倒せるレベルだと思う!まあ、一体だけ注意してほしいやつがいるけどな。」


ニュートンが言うのを止めるようにレーファンが説明をし始めた。


「精霊アラ。この大会で1番強いモンスターだ。やつの攻撃は、まさに神の所業。天候をありのままに操る精霊…」


「天候をありのまま!?なんだよそれ、なんでそんなやつがモンスターダービーに?」


「どこから引っ張ってきてるのかはわからん。だが、間違いなく1番強いモンスターだ。しかし、最強じゃない。当たり前だが、倒し方がある。」


今度はニュートンがレーファンの話を奪い、説明し始めた。


「特殊生物魔法2!対精霊魔法!ハイドバンドとディスポリア!精霊に苦痛を与える魔法と、精霊の透明化を解除させる魔法。通常状態だと攻撃がそもそも当たらないからな。まあこんなとこだ!」


「うえっ、昨日の野菜ジュースの味がまだ残ってるよ…」


「ごめんよトニー…」


「ほらほらお前ら、もういい加減雑談は控えるんだ。まもなくエントリーだからな。ていうか聞いてなかったろ、さっきの話!」


「はーい。」


「まじ聞いてないやん…。普通に落ち込むんだけど…。とりあえず…よし、ついた。ここのテントだ。」


俺たちは10個ほど並んだオレンジのテントの1つに入っていった。


「こんにちは。大会エントリーですか?」


「ええ。お願いします!」


「チーム名は?」


「ユナイテッドです。」


「はい!わかりました!」


ニュートンがチーム名を記入している。だが、俺…いや、きっとトニーもレーファンも気付いていることだろう。ニュートンは名前を記入しながら他のエントリーしているチーム名を確認していた。


(トリックスター、トリックスター…。あった!)


あの人の情報の通り、トリックスターの名前がそこにあった。さらに、リーダーのシルクスクリーンの名前まで!


「よし。それでOKです!健闘祈っていますよ!」


「あざっす!」




─大会当日会場─


「レーファン!まさか緊張してんのか?」


「いや、するだろ普通!死ぬかもしんないんだぞ?緊張するぜ…」


まあ緊張するのも仕方ない。こないだ決めた作戦通りに進むならシルクスクリーンに情報開示を求める役割はレーファンだからな。


「さあ!まもなくゲームスタートです!」


元気なアナウンスが響いたとき、どこから来たのか、誰の応援をしているのかわからない観客たちの歓声とか楽器の音がさらにでかくなった。


「ゲーム開始後、しばらくしてそれぞれのデータベースに他の全プレイヤーの位置情報が共有される。それを使って接触だ。」


「ああ。わかってる。お前らも他のプレイヤーの襲来に気をつけろよ。」


「こっちこそわかってる!!」


「さあ!ワープの時間です!ゲーム開始まで、3!2!1!!」




「ワーーーーーップ!!!!!!」


一瞬、その声とワープの音が会場に響いたのを最後に、俺たちは全く人気のしない暗い森へとやってきた。


「おかしいな。ワープして直後にすぐモンスターが現れるはずだが…まだ現れないか。」


「場所が違うんじゃない?ここから移動するとか。」


「いいや、それはない。チームごとに戦闘場所は決められてる。林の中に一つだけでっけえ不自然な空間があるまさにこの場所が戦闘場所としか思えない。」


ビカッ!!!!


「あぶねえ!トニー!」

「うえっ!?」

「おい!レーファン、位置情報まだか!!モンスターが現れたぞ!」

「まだだ!つうか…今の…」

「大丈夫か?トニー。」

「うん、ごめん。あちっ」

「ちょっとだけ火傷してる?」

「おい!避けるぞ!!!雹だ!!」


俺は反応しきれなかった。だが、バックに入っていた鳥の羽がまたもや光出して、さらに今度は勝手に魔法を繰り出した!


「デトナディア!?」

「連続爆発魔法!?なぜそんな簡単に!?って言ってる場合じゃねえだろ!!やつだ!もうわかったろ!?」

「ああ、」




「精霊アラだ!!!!」

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