クルパドック大戦⑨星の光
「まずは状況を確認するべきか………どこにやつはいる?そして誰がそこにいる?」
師団はミリアを逃すことが出来たことで少々の落ち着きを取り戻した。まずは周りの状況を確認することから始めることにした。
「レーダーにはない、ってことはヤマタノオロチと戦闘中のプレイヤーは全員敵か。」
「っくそ、引けるわけがない。こんなとこで終われるか、絶対にここで仕留める。」
レンドラピオ
ビュンッ!!!
師団には考えがあった。もちろんただ突っ込むだけでない、自分の中で最大限を出すための作戦がそこには仕込まれている。
(どこかで聞いたことがある、ヤマタノオロチはある一定数の速さであれば反応が普通より遅れると。それがどれくらいなのかは知らないけど、それを利用して戦闘する、それしかない!)
脳内で何度も技を繰り出すイメージを繰り返し、呼吸もする。何度も何度も、繰り返して、そうしてついにヤマタノオロチが師団の目の前に姿を現す………
「があああああああああっ!!!」
「っ!!!?」
ドカアアアアアアアン
「なんだよそれっ、反則だろ!」
確かに大きな攻撃はなかった、だがタイミングが悪かったのかヤマタノオロチの咆哮によって師団は加速していた体ごと地面に吹き飛ばされてしまった。
「はぁっ、はあっ、」
「マサムネ………お前、なんでこんなやつと1人で戦ってるんだ、無茶だろ!」
「うるせえ黙れ、俺にだって、俺だって、守りたいものの一つくらいあんだよ、」
頭から血をだらだらと流したまま、何の処置もせずに放置されているその体は、師団が見ても限界を迎えていたのがすぐにわかった。
「ファイアーイフリートッ!!!!」
「がああっ!」
「水!?」
ヤマタノオロチには3つの大きな頭があり、そこには3つの口もある。その口から放たれたのが津波のような勢いのある水だった。
「キャノンデビエンド!!」
ブンッ!!!
咄嗟に反応したのはキャノンデビエンド。風によって波を別の方向に反射させる、それが目的だったが、キャノンデビエンドが波に当たった瞬間、あっという間に風が水にのみ込まれ、師団に津波が襲いかかっていく。
「はっ!?最大威力が、一瞬で………」
「おいてめえ早くどけろ!」
「っ、ボヒェル!」
高度の高い位置へと一瞬でワープすることができるボヒェル。津波を避けること、そしてもう一つ。
「マサムネあいつ、、何を。」
スキル発動
変形体
「まぶっ………!」
「目が開けねえ、、あれは光!?」
ヤマタノオロチの足下にいるのはキャラスフェインガーによって自動硬直状態にされてしまった仲間2人だった。
「光になる、たったの一瞬。その瞬間だけであの2人を助けるっ!!!!」
「津波の中に突っ込む気かっ!?」
「ぐああああああああああっっ!」
ヤマタノオロチはある一定の速さを超えたプレイヤーには反応が通常より倍に、遅れる。




