クルパドック大戦②
クルパドック城下町11番通り
アワン・メカルック 死亡
「メカルックの信号が途絶えた………おわりか、」
「いったい誰だ、メカルックを殺したやつは。」
「特定しました。敵はアサシン所属の、ウラムというプレイヤーです。」
「ならば近場にいるトリックスターのプレイヤーにウラムを殺すよう指令を出せ。」
「了解。」
◆
「組織本部より指令!組織本部より指令!アワン・メカルック死亡、殺したプレイヤーはウラム、」
「繰り返すっ!」
「ウラム………」
丘の上から町を見下ろしていたのは、メカルックとは同期のプレイヤー、深い交友関係である正宗マサムネ。
緑の画面には赤い点が一つだけ、ついては消えてを繰り返していた。メカルックの位置情報はマサムネに転送されて共有が済んでいたため、位置を表す赤い点が消えたことで状況を瞬時に理解した。
「指令は以上。近くにいるものは直ちに向かうこと。」
「行くか。」
龍雲りゅううん!!!!
雷は、大きな音を立てて地を均すように無限に地に降り注いだ。永遠に続き流れる雷は、町を一瞬で地獄に変え、下にいるプレイヤーはやがて上の空を見上げる。
「あれはっ、なんだ!?」
普段はやりたい放題のウラム。狂気に染まり切ったあのウラムが、もうすっかり冷静ではいられなくなっていた。それも当然、空に浮かぶ雷雲が、巨大な龍のように飛んでいたからである。
「こっちに、くる。」
ドカアアアアアアアン
竜のように連なった巨大な雲は、地の果てに突っ込むスピードで、空から一直線にウラムの脳、そのポイント一点を狙って世界に響く「雷鳴」と共に「落雷」をした。




