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クルパドック大戦①

「君たちの言い分もわかるよ、ただ仕方ないんだ。こればっかりはね。」



グサッ



街の一角、茶色の壁に覆われた二階建てのどこにでもあるような平凡な家が世紀末のような風景に変わったのはわずか数分の出来事だった。


アサシン幹部

ウラム・レンブラント

殺害数25



ウラムは街の中に存在する一家を次々に襲い、持っているオノなどの武器で虐殺をしてまわった。殺した後は速やかに死体の首だけをとってくぎで壁に固定をした。それをすることにとくに意味はないがなぜかそれをすることが彼の心の楽しみになっていた。



ウラムはアサシンでもトップクラスのサイコパスなのだ。



「はっははははははは!!今宵はなんと楽しい日だ。ついにやつらを殺せる日がきたのだ、巨大組織とやらは全てこの俺が殺してやろうか。」



ガチガチ、壁が危うく穴が空いてしまいそうになるほど何度も激しくくぎを打ちつけて脳天に突き刺したくぎがさらに深い色の血を浴びた。



「さ、次、次。」



「いやでもおかしいだろ!?なんでそうなんだよ、ここはゲームの世界じゃないのか?」



「それは俺にもわかんねえよ、アサシンが何かを動かしてるのかもしれないな、とにかく死なないように気をつけろ!」



「おう………」



「生きて合流だ。」



トリックスター

アワン•メカルック

殺害数0



「お前も必ず無事で居てくれよ!すぐにい………」



「あらららー?なんで急に、黙っちゃって、どうしたのかな?」



ブチッ



メカルックは無言で通信を閉じ、柔らかかった顔をきゅうくつに固めて険しい顔をした。



「お前の胸にあるそのマーク、」



「俺とは違うらしいなあ?俺のマークはアサシン、お前は。」



「トリックスター戦闘員、アワン•メカルック。お前を、、、殺す!!!」



レンドラピオ



「いいねえ!面白いじゃないか!全力でこいっ!」



「ファイアーイフリートっ!!!」



ドカアアアアアアアン



家や店、街の建物を道とともに真っ黒に焦げてやがて建物ごと全てが焼け倒れた。



「はあっ………。あまりトリックスターの戦闘員を舐めるなよ、」



「なんだこんなもんか。つまらないな。」



グサッ



「あっ、、、!」



「脳にくぎが深く入り込んだ、お前はやがて綺麗な標本となるだろう。死体のサンプルだ。」

「だがそれを作る上で1番困ることは死体は放っておけばすぐ腐ってしまうことだ。だが俺が芸術を感じるのはそこじゃない。」



焼け焦げた後少しで倒れるであろう壁に寄りかかって、脳に突き刺さったくぎだけを光のない絶望の目で見つめる。



切なさや残酷さなんてものを蹴り飛ばすようにしてくぎを深くうちつけ、何度も何度も何度も。



そして彼は最後に吐いたのだ。



「体は腐ろうともその人の経験や思い出で培われた心は永遠に腐らなく儚いのだ、俺はそこに果てしない芸術を感じる。」



焼けた壁はくずれ、メカルックはただ1人、言葉を放つこともないまま息たえた。


痛みのせいなのかなんなのか、仲間を思う気持ちなのか。


言葉が出てこなければ心はわからない。死んだはずのメカルックを濡らしたのは本人の大粒の涙だった。

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