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燃えゆく城

「あんなやつをみんなのところに………俺はなんて事を!!!」



「くっそ、俺のせいだ。フォーサーがみんなのことを殺さないなんてありえないだろうが。」



地面を激しく叩く、流れ込む血が音を立てて跳ねていく。服も顔も真っ赤に染まって人を連続で殺した殺人鬼のように体全体にそれを浴びた。



「せめて俺が止めないと………」



バックの中にあったワープの石は残り1つだった。手で胸の中に大事に抱えて草原に響き渡る声でこう叫んだ。



「ワープ」



体の血の流れが止まるのではないか、止まっているのではないか。熱気でいっぱいになって意識はだんだんクラクラとはっきりしない状態になった。


周りの景色は青一色になって、その中を流れ星のような光の粒が何個も駆け抜けていく。星々を見つめて追いかけて、やがて体は地へと行く。



「みんなっ!!」



ワープした場所、そこは夕陽のような暖かい色に包まれた建物の中だった。



「あったかい?いや、あっちい!!」

「なんだここ、ワープ失敗したのか?そんなことあるわけねえ。俺はちゃんとワープ出来たはず。でも、じゃあここは!?」



「え、は?」



黒い目がぎらりと揺らぐ、驚きからくるその揺らぎはそこに懐かしいあの景色を映し出す。



 ◆

「掃除だりー、、」



「今何と言った?奴隷は黙って働きなさい。これがグラハム、あなたの唯一の生きる意味なのですから。」



母のカンナ•サンダーランドは俺に毎日虐待を繰り返して、奴隷のように扱って、俺は自分が人間ではないようにさえ思えた。



理不尽、そんなことは特別思わなかった。俺にとってはこの生活が普通だったからだ。ただ、違和感はあった。兄だけは優遇されてるその違和感。俺にとってはこの違和感が何よりも大きい悩みだった。



ブラシ、ホウキ、ゾウキン、掃除用具入れはとてつもない悪臭がした。その掃除用具入れを掃除するのもまたまた俺だ。


兄はステーキを食べて俺は牢屋の中でカビが生えたパンを食べた。


こうして、俺にとっての普通が違和感へと変わり、いつしか母を恨むようになった。



死ねば………いいのに。



 ◆

ふつふつ、炎が柱となっている木を燃やしていく音が静かな部屋で鮮明に聞こえた。




そしてその柱の下には



「お母、、さん」

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