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使ってはいけない魔法

しんこんれいたい



「なんだ、あれ、」



ぼやける目が、ゆっくりと鮮明になっていく。その衝撃を脳内に映すために。



体が真ん中から割れて、血がどばどばと溢れ出した。画用紙にインクがじわっと染まるように地面に血の赤色が広まった。


だが、それを作り出す当の本人は黒の服を纏い、赤色なんてこれっぽっちも無い格好、姿になっていた。



「どうだ?俺の変身は、かっこよいだろう?」



「どこが、だよ。他人の体で遊びやがって………」



「ははははっw」



「まだだ、まだ。」



まだ諦めてなんていない。あいつは余裕ぶって高笑いを俺にこれでもかと見せてきた。しかし、それで燃えるのはもう一度立って戦ってやるという強い意志だ!



とどけ………!!



フォーサーにバレないよう必死に手を伸ばして、落ちている魔法の羽に手がかかった。

俺はそれを立ち上がると同時に引き上げて、フォーサーに向かって魔法を放った



「てめえは、許さねえええっ!」

「ファイアーイフリート!」



びゅんっ



「あれ?どうしたんですかねー?」



「なんでだよっ!なんで、効かねえ………!?」



フォーサーにはなったファイアーイフリートは間違いなく前に居たフォーサーを焼き殺したと思った。しかし、当たると思ったその一瞬にフォーサーは霊のように透明になって攻撃を避けてしまったのである。


俺は思わず魔法が出ていなかったのかと羽を見つめてみたが、どうやらいつも通りらしい。そう、つまりこれはまぐれでもなんでもなく正真正銘にフォーサーの力がそうさせているということだ。



「無駄なんだよ、俺に攻撃は通じない。おらよっ。」



「がっ!?やめろ!」



スキャロップスがフォーサーに雑に蹴られて俺の方まで飛んできて、その血に染まった全身と真っ二つになった体の全貌を見せて来た。



「うっ、、ひでえ……」



思わず吐き気が出てくるほどに酷いその死体。かつての仲間とは到底思えないほどに深く傷つけられていた。


臓器は体にくっついたまま外側に飛び立て丸出し状態。スキャロップスのあの顔は、丸ごと首から無くなっていて、寂しげに血が中から溢れていた。



「お前が仲間だと思っていたものたちを、裏切り者へと仕立て上げる。なんて最高なシチュエーションでしょう!お前は元から気に食わなかったらな、ざまあだよ!!!」



ぴょんぴょんと体を弾ませてそんなことを愉快に、笑顔で俺に叫んできた。その顔は、曇りなどないまさに晴れた青空のように澄んでいた。なんの悔いもないのだろう。



「ダメだこんなことをしては。無駄だ、無駄だ。」



「そいつは心臓を食ったし、そいつは脳を食ってやった。さ、どうかな?これでもまだ師団と戦うつもりかな!?仲間1人も守れなかった雑魚。」



殺してやる、殺してやる。


お前だけは。


ダメだ、そんな!


やめろやめろ。


何を考えてるんだ。


これを撃ったら、!


「ウィン………エナディングッ!!!!」



「おっといけないなあ。それは使ってはいけない魔法、猛毒魔法じゃないか。君はもう運営本部に監禁される運命だね。ちなみに俺にはそれも当たらないよ。」

「お前は本部に連行してやるよっ!」


レンドラピオでフォーサーは瞬時にきて、俺はあっさりと足で転ばせられてしまった。

フォーサーは俺の体を片手一本のみで、必死に抵抗する俺を余裕そうに抑えた。




「ころしてっ、!やるっ!!」



「さて、早く教えろよ。やつらの本拠地を。」



「本拠地だと、?教えねえ………!」



「仲間の命が懸かってると思え。」



「く、、、。クルパ、ドック。」



「っははは!ちょろいぜ、じゃあ俺はそこに向かわせてもらう。ああ、一応言っとくが、お前の仲間は全て俺が食ってやるからな。」



「待てっ!!」



「来れるなら来いよ。トリックスター相手にどこまで戦えるかな?戦争開始だ。」



ワープ

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