第51話 深層へ13
深層へとやってきた。
そこは深く暗い場所だった。
これまでとは明らかに雰囲気が違う。
出くわすモンスターも、いちいち強い。
そこらのゴブリン系のモンスターが、下層の中ボスくらいの強さがあった。
俺たちは深層にやってきてからも、次々と進んでいった。
敵は強いが、もはや俺たちの敵ではなかった。
『すげえええええ深層で普通に戦えてるじゃんwwww』
『おじさんすげええな』
『深層とは思えないスムーズさw』
『支給品 10000円』
『敵がゴミのようだ……』
深層も中盤くらいまで来た頃だろうか。
奥のほうから、モンスターが逃げてくるのが見えた。
なにか様子がおかしいようだ。
こっちに向かって、小さなドラゴンが逃げてくる。
「ドラゴン……!?」
「どうしたんでしょう……ちょっとようすがおかしいですね」
ドラゴンは弱弱しい感じのやつで、涙を流しながらこっちに近づいいてくる。
そして、俺の後ろに隠れるようにしてしゃがみ込んだ。
なんだこの弱虫ドラゴンは……。
もしかして、俺を頼ってきてるのか……?
俺って、もしかしてモンスターには好かれる体質なのかな。
そしてドラゴンを追いかけていたのは、3頭のケルベロスだった。
ケルベロスたちは俺を取り囲み、「ガルルルルル」と威嚇してくる。
とりあえず、このケルベロスを片付けないとな。
俺はだいふくに命令した。
「だいふく、わからせてやれ……!」
「がうがう……!」
するとだいふくは巨大化し、フェンリルの姿に。
だいふくがケルベロスに「ガルルルルル」と威嚇し返す。
するとあまりにもの迫力に、さすがのケルベロスも少しひるむ。
「よし、いなり、おもち! だいふくと三人でケルベロスをやっつけろ!」
「きゅい!」
「きゅる!」
「がう!」
三匹がそれぞれ、ケルベロス三頭をやっつける。
がぶりと噛んで、ケルベロスなんか蹴散らしてしまった。
さすがはここまでやってきた相棒たちだ。
「よし……!」
それで、問題はこのドラゴンだ……。
ケルベロスは倒れたというのに、ドラゴンはいまだに頭を抱えて震えている。
まさか俺たちにやられると思ってるのか……?
どんだけビビりなんだよコイツ……。
さすがの俺も、こんな状態のドラゴンを倒そうとは思えない。
「おい、大丈夫か……? お前……」
俺はドラゴンに手を差し伸べる。
するとドラゴンはおそるおそる顔を上げた。
まだ涙目だ……なんだこいつかわいいな……。
「ぐるるる……?」
「大丈夫、ケルベロスはたおしたよ。俺はお前の敵じゃない」
そういって手を差し出すと、お手してきた。
かわいい。
「これ、食べるか……?」
だいふくたちのために持ってきていたおやつを出してやる。
すると、ドラゴンはおなかが空いていたのかそれをがぶりと食べた。
「ぐるぅ♪」
「そうか、おいしいか。よかった」
どうやらお気に召したようだ。
それにしても、また変なのを拾ってしまったな……。
「ドラゴン……そうだな、緑色だから、よもぎはどうだ?」
「ぐるぅ?」
「お前の名前だよ。よもぎ」
「ぐるぅ!」
どうやら気に入ったようだ。
「せっかくだから、一緒に来るか?」
「ぐるぅ♪」
「よし」
ということで、俺たちの仲間にドラゴンが加わった。
これで4匹めの仲間だ。
「ふふ、ハヤテさんはやっぱり動物に好かれるんですね」
「いいハンターってやつは動物に好かれちまうからな」
「なんですか? それ」
「漫画のセリフだよ。俺の好きな。ハンターハンター」
「へぇ……」
俺たちはドラゴンのよもぎを連れて、次の階層を目指した。
コメント欄も、ドラゴンの加入を歓迎していた。
『うおおおおおおおおドラゴンキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!』
『かわいいいいいい!!!!!!!』
『なんだこの泣き虫ドラゴンwwww』
『強いのに弱いwwww』
『よもぎかぁかわいいなぁ』
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