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第49話 深層へ11


「私、やります……! ハヤテさん、私をテイムしてください……!」

「はい…………?」


 なんと、ひかるんはやる気らしい。


「だから、ダメだって……」

「なんでなんですか……!」

「いや……どう考えてもダメでしょ……だって、テイムって、いうこと聞かせれるってことだからね……!? 俺がひかるんに命令し放題になっちゃうし……悪用だってできるかも……。いやしないけどね。ひかるんだって、嫌でしょ。そんなの」

「わ、私は……ハヤテさんになら、……いいです……けど……」

「えええ……マジで…………」


 ひかるんをテイムしたら、あんなことやこんなこと……いや、やらないけどさ。

 それにやっぱ、ひかるんは犬や猫じゃないんだし……。

 半獣といっても、人間をテイムするってマジでどうなんだ……。


「でも、それしか方法はないですよね。実際。短期間で強くなろうと思ったら……そのくらいの無茶は覚悟します。私、もっと強くなりたいんです。おねがいです! 私をテイムしてください……!」

「うう……たしかに……それはそうなんだけど……」


 でも、いざテイムしようとしても、どうすればいいんだ……?


「美寄教授、そもそも、俺がひかるんをテイムすることって可能なんですかね? そもそもテイムってどうやってやるんでしょう?」


 俺は言い出しっぺの美寄教授に助け舟を求める。


「そうですねぇ。テイムにはお互いに信頼が必要です。お互いに、この人にならすべてをささげてもいいと強く思うこと。それから、お互いに主従関係を意識すること……そうすれば、自然にテイム関係になれると思いますけどね……」


「なるほど……?」


 よくわからないけど、とりあえずやってみるしかない。


「ひかるん……本当にいいんだな……?」

「はい。もちろんです……! テイムしてください。私、ハヤテさんにならすべてをささげても、いいって心から思ってますから」

「う……」


 女子高生に真剣な目つきでそんなこと言われると、理性がやばい。

 おじさんどうしたらいいの……。



 ◇



「で……なんでこうなってんのかな……」


 目の前には、アニマル系のえちえちコスプレをしたひかるん。

 そして俺の前にひざまずいて、おすわりをしている。

 マジで、なんでこうなった……。


「美寄教授曰く、主従関係をお互いに意識すればテイム完了っていってましたよね」

「だからってなんでこうなるんだ……」

「いいからはやく、続きしましょう……」


 美寄教授は、「ほんとうは二人が肉体的に結ばれるのが一番いいんですけどねぇ」とか言いやがった。

 けど、それは無視した。

 Jkに手なんか出せるかよ。

 だからといって、この羞恥プレイもなかなかだが……。

 美寄教授がいるからいいものの、これが二人きりだったらと思うとぞっとする。


「じゃあ、ひかるん……はい、お手」


 俺がそういって、ひかるんに手を出すと。

 ひかるんは甘えた声で「わん」と鳴いてお手をした。

 かわいい……。

 めっちゃかわいい。

 不覚にもだ。


「こんなんで本当にテイムできるのかよ……」


 半信半疑。

 すると、ひかるんが。


「あ……なんだか力がみなぎってきました……! もしかして、成功……!?」

「マジか……」


 二人して美寄教授の方を見る。

 美寄は魔力スカウター的なやつで、俺たちを何度か見たあと、


「うん、これテイム成功してますね」


 と言った。


 マジかよ……、マジであんなふざけた方法でテイムできちゃったのか……。


「やったぁ……! これで、深層へ行けますね!」


「喜んでいいのかなんなのか……」


 とりあえず、これで俺の魔力はさらに膨大なものになった。

 おもち、だいふく、いなりからの魔力に加えて、A級探索者のひかるんの魔力までも俺の魔力に加算される。

 数値だけで見ればすさまじい魔力だ。

 そして、テイムされたことで、ひかるんの基礎能力もかなり上がったようだ。

 さすがにひかるんは人間だから進化とかはしないよな……。

 しない……よな……?


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