表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/87

第21話 友達……家族……ですか……


「このあと、どうしようか」


 もう食事は済んだから、お礼は終わりだ。

 ひかるんにはもう俺と過ごす義理はない。

 ようがないんだから、もう帰ってもいいはずなんだけどな。

 俺は一応、きいてみる。


「どうしましょっか……えへへ……ノープランでした」


 かわいい。


「じゃあ、もう帰ろうか……あまり遅くなってもいけないし」


 おじさんが夜までJKを連れまわしていたなんて話になると、なんだか犯罪の臭いがしてくるからな。

 なるべくはやくひかるんを家に帰したい。

 それに、ひかるんも俺みたいなおっさんと長くいるのも嫌だろう。


「でも、私はもう少し辻風さんと一緒にいたいかな……なんて……」

「え…………」

「迷惑でしたか……?」

「い、いや……そんなことはないけど……」


 ということで、映画でも見ようという話になった。

 今やっている『ダンジョン&ドラゴンズ』という映画を見ようという話になった。

 俺たちの出会いもダンジョンの中だったし、ふさわしい映画だろう。

 映画も俺がおごると言ったが、ひかるんは自分がおごるといってきかなかった。

 今日は全部ひかるんのおごりだそうだ。

 まあ、お礼がしたいといってくれているのだし、甘えるか。


「映画……久しぶりにきたな」

「私も、あんまり見に来る機会もなくて……」

「家族や友達ときたりはしないのか……?」


 俺みたいなつまらないオッサンはともかく、ひかるんのようなJKはもっと映画とか見に来たりしているものかと思った。


「友達……家族……ですか……そうですね……あんまり、ないですね……」


 ひかるんは暗い表情で、うつむきがちにそう言った。

 もしかして、なにかまずいことをきいてしまっただろうか。

 とにかく、これ以上触れないようにしよう。

 二人でポップコーンとチュロスと飲み物を買い、席に座る。

 しばらく広告をみているうちに、映画がはじまった。

 映画はけっこうおもしろくて、集中して見てしまう。

 俺はすっかり隣にひかるんがいるという緊張も忘れて、映画に没頭していた。

 映画が半分ほど終わったころ、俺はドリンクを飲もうと、ドリンクホルダーに手を伸ばした。

 すると。


「あ……」

「あ……」


 ちょうど同じタイミングで飲み物をとろうとしたのか、ひかるんと手がぶつかってしまう。

 あれ……そうか、俺のドリンクは反対側だったな。


「す、すまん……」

「い、いえ……」


 JKのやわらかくて小さくて、すべすべした手。

 なんだか俺みたいなものが触れてはいけないような気がしてしまう。

 手が触れ合ったことに、年甲斐もなく俺は真っ赤になってしまった。

 ごまかすようにドリンクをすする。

 そこからは妙にとなりのひかるんが気になってしまって、なかなか映画に集中できなかった。

 あっというまに、映画が終わった。


「ふぅ……面白かったですね……」

「ああ、だな……」


 まあ、後半は妙に集中できなかったんだけどな……。

 そっからカフェでお茶をして、映画の感想をいいあったりした。

 映画館はイオンの中にあったので、ついでにイオンの中をウィンドウショッピングしたりする。

 ペットショップがあったので、寄ってみる。


「あ、猫ちゃんですよ……! かわいー!」

「おお……! かわいいな」


 まあ、猫ちゃんに目を輝かせているひかるんの方が可愛いんですけどね……。


「そういえば、辻風さんも、おもちちゃんとだいふくちゃん。飼ってるんですよね」

「ああ、そうだな」

「いいなー。写真見ましたけど、かわいいですもんね。今度、見に行ってもいいですか?」

「え……? あ、ああ、まあ……構わないけど」


 俺は反射的にそう返事していた。

 だが、……え、どういうこと……?

 ひかるんがおもちとだいふくを見に来るの?

 うちに……?

 え、それってつまりひかるんがうちに来るってこと……?

 それいいのか……?

 JKが家に……?

 いやいやいや……ダメだろ……さすがに……。

 俺、つかまるのか……?


 よし、そうだな。

 もしそのときはカレンも呼んで、一緒にいてもらおう。

 二人きりにならなければ、さすがにつかまらないだろう。


「ちょっと、トイレにいってくるよ」

「わかりました。私ここで猫みてます」

「うん。ちょっとドリンク飲みすぎたみたいだ」


 映画館で冷たい飲み物を飲みすぎたのと、ひかるんが隣にいることによる緊張で、俺は急激にトイレにいきたくなった。

 ので、ひかるんにはペットショップで待っていてもらい。

 俺はトイレに駆け込んだ。

 トイレから戻ってくると、ひかるんはペットショップのレジでなにやら買い物をしていた。

 ひかるんもペット飼ってるのかな……?


「戻ったよ」

「あ、辻風さん。これ……はい」

「え…………?」


 すると、ひかるんは先ほど買った品物を、俺に手渡してきた。


「これ、お礼です。ペットが遊べるおもちゃが入ってます。おもちちゃんとだいふくちゃんに、あげてください」

「お、お礼って……もう今日さんざんお礼はしてもらったんだけどな……」


 正直、こうやって丸一日JKと過ごせるだけで、おじさんにとっては度が過ぎるほどのお礼になっているんだけどな。

 なんだか、こっちまで若返ったような気持ちになった。


「いえ、最後まできっちりお礼させてください。私は命を救われたんですから。辻風さんにはお礼してもしすぎってことはないですよ。それに、これはおもちちゃんとだいふくちゃんの分ですから。今日一日辻風さんを引っ張りだして、おもちちゃんとだいふくちゃんにお留守番させてしまってますからね」

「なるほど……本当にいいのか……? ありがたくもらっておく……」


 ひかるんは本当にいい子だなぁとつくづく思う。

 ここまでできたJKってなかなかいないだろう。

 それか、最近の子はみんなここまでしっかりしているのか……?


お読みいただき、ありがとうございました!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、

『ブックマーク』と広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると幸いです!


評価ボタンは、モチベーションに繋がりますので、何卒応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

《連載版はじめました▼》
  転生したら世界樹だった件
ぜひ応援よろしくお願いしますね!
― 新着の感想 ―
[一言] 他の女性に預けて本命とデートしてるクズに見えんこともない(´・ω・`)
[気になる点] 32と22くらいならまあって感じだけど40超えと18以下はちょっとなぁ…流石に無理ある
[一言] JKと42歳は原則犯罪だからね?確か本人の同意は勿論結婚を前提にした付き合いであることが最低条件だから、保護者の同意とかも必要なんじゃないかな。後は純粋にキモい。勘違いおじさんは他人事として…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ