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ただの奥歯  作者: 島猫。
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8:ホラー『ゴムスカートがズリ落ちる恐怖』

「あ、お母さん。ほらあそこ、大きなお人形」


ある日のお散歩中、息子のむー君がお母さんのスカートの裾を引っ張り、反対の手で夕陽の方向を指差しながら言いました。


「こら、むー君。スカートは引っ張っては駄目だと、いつも言っているでしょう?」


お母さんのスカートのウエストはチャックではなくゴムでした。ベルトの無い楽チン仕様です。その為、下に引っ張られるとスカートがズリ落ちて大変危険なのです。


「だってお母さん。ほら、あそこ」


謝らないまま話を続ける息子を、お母さんはキッと、厳めしく睨みます。


「うっうっうっ……うわぁーん」


むー君は泣き出してしまいました。


散歩道のすぐそばの畑で野良仕事をしていたご老人が、心配そうに視線をチラチラと向けてきます。

お母さんは羞恥でいたたまれない気持ちになり、息子の手を引っ張ってそそくさと歩き去りました。


翌朝、新聞配達員からの通報で消防と警察が駆けつけましたが、お人形のように、もう息はしていなかったそうです。

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