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【天界編開始!】黄昏のウェルガリア【累計100万PV突破】  作者: 如月文人
第三部【天界】編

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第七百三十六話 刻苦精励(後編)


---ラサミス視点---



「――ペンタ・トゥレラッ!!!」


「――キリング・サイスッ!!」


「「ウ……ウオオオオオッ――」」


 ミネルバとジウバルトの必殺の一撃が決まり、

 眼前のオーガ二体は喉笛を切り裂かれて、

 地面にもんどり打って倒れた。


 これで残すはハイ・オーガ一体。

 ならばここでもオレの練習台になってもらうかね。


「ウオオオッ……」


 眼前のハイ・オーガは、

 両肩と両膝に鉄製の肩当てと膝当てを、

 その右手に鋼の大剣を握りながら、低い声で呻く。


 恐らく本能的にオレにビビってるんだろうな。

 だが悪いな。

 お前には実験台になってもらおう。


 オレは刀を黒鞘から抜いて、中段に構える。

 対する眼前のハイ・オーガも鋼の大剣を上段に構えた。

 そしてオレは腰を落として突きを放つ姿勢を作る。


「行くぜ! ――無明三段むみょうさんだんっ!!」

 

 踏み込むと同時に、三つの突きを放った。

 レベル94のオレならば、

 ハイ・オーガなど只の雑魚モンスターに過ぎなかった。


 胴体、小手、逆小手に突きが見事に決まった。


「う、う、ウオオオォォォッ!?」


 胴体と小手を打たれたハイ・オーガは、

 手にした鋼の大剣を地面に落として、片膝をついた。


 少し手加減したからな。

 ここでオレは聖刀を黒鞘に納刀した。


 更に軸足を右足から左足に変えた。

 要するに左構えから右構えにスイッチしたのだ。


 次に試すのは「ローリング・ナックル」だっ!


「今度はローリング・ナックルだぁっ!!」


 オレは前へ出る勢いを利用して、押し出すように右拳を前へ突き出した。

 そしてその右拳がハイ・オーガの顔面に命中する寸前に内側に回転を加えた。

 コークスクリューのジョルトブロウ。

 その必殺パンチがハイ・オーガの顎を綺麗に打ち抜いた。


 するとハイ・オーガは糸の切れた操り人形のように、

 前のめりに地面に倒れ込んだ。


 ハイ・オーガは地面の上に長々と横たわり、身体をわずかに痙攣させている。

 うむ、このパンチもこの半年でだいぶ練習したが、

 実戦でも問題なく使えるようになってきたぜ。

 

「悪いな、くたばりな」


 オレは右足を振り上げて、ハイ・オーガの首を全力で蹴った。

 するとハイ・オーガの首は、とんでもない方向に曲がって、

 しばらく何度か身体を痙攣させたが、すぐに動かなくなった。


「良し、これでモンスターは全滅だ。

 後は戦利品を収集するぞ!」


---------


 そして今回受けた討伐依頼を果たすため、

 オーガとハイ・オーガの死体から、

 角と牙を採取用ナイフで綺麗に切り取った。 


 何本かは角と牙が折れていたが、

 それでもオーガとハイ・オーガの角と牙がそれぞれ十本集まった。


 今回受けた討伐依頼も何とか達成。

 オーガの討伐依頼の報酬は250万グラン(約250万円)。 

 ハイ・オーガの討伐依頼の報酬は350万グラン(約350万円)。


 それを均等に八人で割り、

 一人頭約75万グラン(約75万円)の稼ぎ。


 またそれ以外にも討伐依頼を何個か受けたから、

 一人頭でも今回の遠征だけで、約1百万グラン(約百万円)以上を稼いだ。

 魔石も結構拾えたし、今回の遠征も大成功だった。


 それから探索前にメイリンが迷宮の上層に設置した転移ゲートに

 瞬間移動魔法テレポートで転移した。


 その後も特に何も問題は起こらず、

 オレ達は迷宮から出て、無事にリアーナに戻った。

 そしてリアーナに帰還するなり、冒険者ギルドへと向かった。


 討伐依頼の達成をギルドの職員に伝え、報酬を受け取った。

 それ以外の素材、ドロップ品、魔石もギルドで換金してもらった。

 勿論それも均等に八等分。


 たった一日で百万グラン(約百万円)以上稼いだ。

 一日の稼ぎとしては、荒稼ぎも良いところだが、

 冒険者はなんだかんだで金がかかるからな。

 だから稼げる時に稼ぐ、これが冒険者の掟だ。


「ふう、一日で百万グラン(約百万円)か。

 地味な学生なんかよりよっぽど稼げるな」


 と、ジウバルト。


「まあな、でも勉強出来るうちに勉強しておけよ。

 オレくらいの歳になると、

 勉学や学校の大切さがよく分かるからな」


「へっ、天使に攻められている時に、

 暢気に学校なんか行ってられねえよ」


「まあそれを言っちゃお終いよ。

 でも今はまだ平和なんだ。

 だから暇なときはちゃんと学校へ行けよ」


「はい、はい」


「この半年余りでワタシも随分貯金が増えました。

 天界遠征の前に武器防具を新調しておきたいです」


 まあバルデロンは真面目だからな。

 コイツが金使うところはあんま見ないし、

 本当に金を貯め込んでいるのだろう。


「そうだな、遠征前にまたドン・ニャルレオーネ辺りに

 掛け合ってみるよ」


「お願いします」


 と、こんな感じに今回の遠征も無事成功。

 だが後十日後にニャンドランド城で、

 各種族の頭目やエースを集めての会議がある。


 この会議で天界遠征のメンバーが正式に決まる。

 その前にもう一度、各団員の心情を聞いておく必要があるな。


「良し、それじゃ全員で拠点ホームへ行くぞ。

 最後にもう一度お前等の気持ちを聞いておこうと思う。

 オレに遠慮する事は無い。

 思った通りの本音を曝け出せよ」


 今のところ、全員が遠征に参加予定だが、

 中には本当は嫌な奴もいるかもしれんからな。

 だからこういう時はちゃんと話し合う必要がある。


 だが皆は特に不平を述べず、

 皆一緒に横一列に並んで、徒歩で拠点ホームへ向かった。



次回の更新は2026年2月5日(木)の予定です。


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― 新着の感想 ―
天界というステージに入ったゲーム感。それを感じる出だしですね。 ゲーム文学というとなんか新しい感じあるのですけども(そういうのを実践しているのがキサトンさんのウェルガリアだけだと思っているので)、そ…
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