第六百九十六話 大暴れ猫族ユニット(前編)
第百章 大暴れ猫族ユニット
---三人称視点---
座天使ソロネを倒した事によって、
天使軍の空戦部隊は、少なからず動揺した。
それを見てニャラード団長は、一気に攻め立てる事を決意した。
「想像以上に敵の空戦部隊が動揺しているな。
この好機を逃す手はニャい。
ツシマン! 聞こえるかっ!?」
「ハイでニャんす! お呼びですか!?」
「好機が巡って来た。
ここは巨大化して、一気にあの空飛ぶ黒い船を叩くぞ!」
「その言葉を待ってました!」
「だがその前に「猫天使の鎧」と着ている服を脱ぐ必要がある。
おい! そこのおまえ達、来るだニャン」
「ハイ、ハイ、ニャーン!」
ニャラード団長に呼ばれて五匹の魔導猫騎士が飛んでやって来た。
「これから私とツシマンが巨大化を行うから、
お前達には私達が脱ぎ捨てた鎧と衣服を持ってて欲しい」
「ニャー、とんだ雑用を押しつけられたニャ。
でもこれで戦わなくて済むニャ。
だから喜んで引き受けるニャ!」
「……良し、ツシマン。 鎧と衣服を脱ぐぞ!」
「了解でニャンす!」
「「パージ開始っ!!」」
すると二匹が装着した白銀の「猫天使の鎧」がパージされた。
それから上着を脱いで、側に居るキジトラの魔導猫騎士に手渡す。
そしてズボンや袴を脱ぐが、
ニャラード団長とツシマンも少し恥ずかしそうだった。
こうしてニャラード団長とツシマンは、丸腰になった。
「行くぞ、ツシマン!」
「了解でニャンす!」
「「――独創的魔法「巨大猫族」っ!!」」
ニャラード団長とツシマンは、声を揃えてそう叫んだ。
すると彼等の周囲に尋常でない魔力が充満して、
その身体が異様な速度で大きくなっていく。
ぐんぐんと身体が大きくなり、
気が付けば全長10メーレル(約10メートル)に達していた。
全長10メーレル(約10メートル)を超える二匹の巨大猫。
前にも見たが、やはり色々とシュールな絵面であった。
「よーし、準備万端だニャンッ!」
「ハイでニャンす! それでニャラード団長!
これからどうしますか?」
「ここからは単純作業の繰り返しだ。
とりあえず余裕があれば魔法などで攻撃。
敵艦が攻撃して来たら「猫族バリア」を張るんだ」
「シンプルで分かりやすいでニャンす!」
一方、その頃、メルカバーの中央発令所。
液晶スクリーンを見据えながら、
天使長ミカエルと三人の熾天使は、
ソロネが敗れた事によって少なからずの衝撃を受けていた。
「まさか裏返ったソロネが敗れるとはな。
しかもあんな猫に敗れるとは……」
「同士ラファエル、私も同じ気持ちだが、
あの猫族という種族はあまり侮らない方がいいな。
見た目は只の猫だが、中身は化け猫、あるいはそれ以上の存在だ」
と、天使長ミカエル。
「おいっ! 前方に巨大な物体が突如現れたぞ!!」
『警告! 警告しますっ!
謎の物体が前方から接近中ですっ!』
熾天使ウリエルとAI制御システムの無機質な女性の声で、
ミカエル達も「何っ!?」と云って、
前方の液晶スクリーンにすぐさま視線を向けた。
敵影にしてはかなり大きい。
恐らく体長10メーレル(約10メートル)近くありそうだ。
そして距離が縮まると、その巨大な物体の正体が明らかになった。
「なっ……巨大な猫が二匹。
奴等め、また巨大化したな!?」
既視感のある映像を見てそう言う熾天使ラファエル。
「油断するなよ、彼奴等に空中要塞アーケインが撃墜されたからな」
淡々と事実を述べるウリエル。
「成る程、最大限に注意すべきだな」
「天使長、どうするつもりなの?」
と、熾天使ガブリエル。
「同士ラファエル、低周波ミサイルの残弾数を確認してくれ」
「あ、嗚呼、 制御AIシステムの告げる。
今のミサイルの残段数は?」
「残り130発です」
「思ったよりかはあるな。
良かろう、とりあえず30発ほどあの巨大猫に撃ち込めっ!」
「ご命令承りました。
前方の巨大な猫二匹に目掛けて、
低周波ミサイルを30発、発射しますっ!」
無機質な女性のAI音声がそうアナウンスする。
それと同時にメルカバーのミサイル発射口が開いた。
だがニャラード団長もその事にいち早く気付いた。
「ツシマン、あの筒状の爆弾が来るぞ!
ここは全力の猫族バリアで防ぐぞ!
――ニャーマン・バリアァァァッ!!」
「合点承知しました! ――ニャーマン・バリアァッ!!」
ニャラード団長達が即座に障壁を張る中、
メルカバーのミサイル発射口から、
30発の低周波ミサイルが発射された。
間を置かずして、ミサイルが障壁に着弾。
眩い光が生じて、耳をつんざく衝撃音が周囲に鳴り響いた。
30発に及ぶ低周波ミサイルが次々と突き刺さるが、
二重に張られたニャーマン・バリアは、
激しく振動しながらも、破壊されるまでには至らなかった。
結局、三十発のミサイルが直撃しても、
バリア自体は少し罅が入った程度で、
この状態でも何発かはメルカバーの攻撃に耐えれそうであった。
「良し、敵の攻撃に耐えれたニャン!
ツシマン、ここから攻めに行くぞっ!!」
「勿論でニャンす!」
「周囲の魔導猫騎士は、
タイミングを見て、私達に「魔力パサー」とかで
魔力を供給してくれニャン」
「ハイ、ハイニャーンッ!」
「さあここからが本番だ!
我等、猫族の力であの空飛ぶ黒い船を撃沈するニャン」
ピンチの後にチャンス有り。
それを有言実行すべく、ニャラード団長とツシマンは、
巨大化した状態で攻勢に転じようとしていた。
次回の更新は2025年11月2日(日)の予定です。
ブックマーク、感想や評価はとても励みになるので、
お気に召したらポチっとお願いします。




