表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【天界編開始!】黄昏のウェルガリア【累計100万PV突破】  作者: 如月文人
第八十七章 竜驤虎視

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

620/745

第六百十六話 剛毅果断(前編)



---ラサミス視点---



 ウェルガリア歴1606年8月7日。

 オレ達はリアーナの瞬間移動場テレポートじょうから、

 猫族領ニャーマンりょうの王都ニャンドランドへ瞬間移動テレポートで転移した。


 そこからは転移石でガルフ砦の関所へ転移。

 すると関所の門番のキジトラの猫族ニャーマンに呼び止められた。


「ラサミス・カーマイン殿ですね?」


「はい、そうですが……」


「マリウス王弟殿下おうていでんかから伝言を授かってます。

 カーマイン殿一行は、ここからエルフィッシュ・キャッスルに向かい、

 王弟殿下おうていでんかや巫女ミリアム様を交えて、

 今後について会議を行う、との事です」


「そうか、それは断る訳にもいかないな。

 そういう事だ、今夜はこのガルフ砦に泊まるぞ。

 そして明日からエルフィッシュ・パレスへ向かうぞ」


「「「「了解」」」」「「はい」」


 そして翌朝の8月8日。

 オレ達は、マリウス王弟が用意してくれた二台の馬車に乗り込んだ。

 一台目にはオレ、ジウバルト、ミネルバ、バルデロン。

 二台目にはメイリン、ジュリー、マリベーレという組み分けになった。


 二台とも男性のエルフ族が御者を務めて、

 ひたすら馬車を走らせて、アスラ平原を駆け抜けた。

 用心の為に夜は、テントを張って野営した。


 馬車を走らせる事、三日目の8月11日。

 オレ達は無事にエルフィッシュ・パレスに到着した。


 とりあえずオレは馬車のエルフ族の御者さん二人に、

 相場より結構多めの報酬を手渡した。

 こういう時はケチったら駄目だよな。


 オレ達の目の前にはモノトーンでまとめられたシックな雰囲気に、

 自然が融合したエルフィッシュ・パレスの街並みが広がっていた。


「ここに来るのは、わりと久しぶりだが、

 前以上に栄えている感じがするな」


「そうね、人も前以上に居る気がするわ」


 と、メイリン。


「せっかくここまで来たから、

 少し街をぶらぶらしたい気もするけど、

 団長的には、その辺どうかしら?」


「ミネルバ、気持ちはよく分かるが、

 今回は止めておこう。

 この後に大事な戦いを控えているからな。

 今のうちから気持ちを高めておこう」


「そう、分かったわ……」


「悪いな、この埋め合わせは必ずするよ。

 とりあえずこのままエルフィッシュ・キャッスルへ向かうぞ」


 そしてオレ達は、一直線にエルフィッシュ・キャッスルへ向かった。

 十五分後、エルフィッシュ・キャッスルの城門に到着。


「ラサミス・カーマイン殿と「暁の大地」の方々(かたがた)ですよね?」


 左側に立った赤毛の男性エルフ族の門番がそう問いかけてきた。


「そうです」


 オレがそう言うと、門番の二人が姿勢を正して敬礼した。


「巫女ミリアム様からお話を聞いております。

 どうかご自由にお通りください」


「はい、警備ご苦労様です。

 おい、皆! 行くぞっ!!!」


 オレ達は堂々とした歩調で城門をくぐる。

 すると満開の花が咲き誇る庭園が視界に入った。


 花の種類は、白百合、グラジオス、ラベンダーなど。

 それ以外の花は少し分からないな。


「ここは相変わらず綺麗ね」


 と、メイリン。


「そうね、庭園の手入れも行き届いてるわ」


 感心したようにそう言うミネルバ。


「巫女ミリアム様は、こういう景観を非常に大切にする御方なのよ。

 大聖林の木々や花の手入れも徹底してるよ」


 マリベーレは、何処か誇らしげな表情でそう言った。

 まあ確かに景観だけでなく、

 城外や城内の内装や調度品のセンスも良いよな。


 まさかここまで大都市に発展するとはね。

 でもこの先の戦いに負けたら、

 このエルフィッシュ・パレスも大天使達に――。

 あるいは旧文明派のエルフ族に、

 この大都市が占拠されるだろう。


 巫女ミリアムとしては、その状況は何としても回避したいだろう。

 だがその皺寄せでオレ達の任務が厳しくなるのはゴメンだ。


 まあ多少きついのは我慢するが、

 巫女ミリアムが無理難題を吹っかけたら、

 その時は、のらりくらりと躱すぜ。


 その後、正面玄関にも男性エルフ族の衛兵が二人立っており、

 オレ達の姿を見るなり、敬礼した。

 それに対してオレ達も敬礼で返した。


「どうぞ、城の中にお入りください。

 二階の謁見の間で、

 巫女ミリアム様とマリウス王弟殿下。

 それ以外の連合軍の首脳部の方々がお待ちしております」


「ご丁寧にありがとうございます」


 その後、城内に入るとナース隊長が待っていた。


「カーマイン殿、久方ぶりだな」


「ええ、ナース隊長、お久しぶりです」


「ここから先は私が案内しよう。

 私が先を歩くから、後についてきたまえっ!」


「はい!」


 エルフィッシュ・キャッスルの内部は、相変わらず綺麗だな。

 白を基調とした石造りの内装が良いな。


 でも見た目だけじゃないくて、

 耐魔力の高い魔石を使用してるんだよな。


 心なしか、周辺を歩く兵士や武官、文官に表情が険しい気がする。

 まあ自治領エルバインの侵攻作戦が本格化しそうだし、

 穏健派のエルフ族としては、

 否が応でも緊張感が高まるんだろうな。


「着いたよ、それでは悪いが君達の武装を解除させてもらう」


「……了解です」


 謁見の間の前の扉には、数名の衛兵が待機していた。

 そしてその衛兵達は、ナース隊長の指示に従うべく、

 部屋の前で慣れた手つきでオレ達の武装を解除した。


「悪く思わんでくれよ。

 あくまで念の為だ」


 と、ナース隊長。


「……分かっていますよ」


 まあオレ達も今では少しは名が売れた連合ユニオンだからな。

 ぶっちゃけ丸腰状態でも、

 ここに居る衛兵達をぶっ倒す事も可能だろう。


 さて、この中で巫女ミリアムやその側近。

 またマリウス王弟や連合軍の首脳部が待っている。


 巫女ミリアムが急遽、オレ達をこの城に呼んだのも気になるぜ。

 まあ仕事だから、大概の命令には従うが、

 あまりにも無茶な任務が課せられたら、

 その時は上手い具合にはぐらかすかな。

 

 さて、ここからはオレの交渉術の見せどころだな。

 巫女ミリアムや他の首脳部の言葉に耳を傾けつつ、

 オレ達がどう動くべきか、その辺を見定めるか。



次回の更新は2025年5月1日(木)の予定です。


ブックマーク、感想や評価はとても励みになるので、

お気に召したらポチっとお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 ここからはまたシリアスムード。 早速ミリアムと会談。一体何を要求されるのか... エルフ族も色々と大変ですね。天使側に付いているのもまだいるし、どうなることやら。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ