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伝説のシャベル  作者: KY
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5-42 攻撃陣地

嗚呼・・・成る程、ここは議会にして裁判所でもあったようだ。ここは証言台、柵で覆われた周囲を兵士が取り囲みいつの間にか後ろの扉も閉ざされている。まあ、そんなことよりも確認したい事項があった。


「一つ、聞こう」


「何かね?」


「これは・・・この議会とやらの決定は、『フーリルユーキー』の総意と見ていいのか」


「勿論だとも!民より選ばれたわれわれ議員により下された結論だ・・・野蛮な武器を捨てて、観念したまえ」


「わかった――」


 オー・ケイ。観念してもらおう。



 周囲に目をやり状況、地理を確認。すでにこの場所に通された時点で大体の把握は終わっているが脳裏に焼き付ける。上から嫌な笑いをしながら見下す妖精と目が合う、だが1刻後には結果はどうあれどちらが強者か分かるだろう―――1つだけはっきりとしている。奴らはこの自分の『自由』を奪おうとしている。それが、何を置いても、決して許せない。



 胸当てにオーラを込める。半分に割れた『テンタクル』の青い宝玉、その魔法の効果は冷気と深い霧。


「何っ!?」


「うわあっ!何だ!?」「んぬっ獣人共、さっさと突っ込」「多少痛めつけても構わん、魔法を」

「がああああああああああああああああああああああああっ!!!」


 魔法発動と同時に、『ウォー・クライ』。オーラが全方位に撒き散らされ魔法の発現を阻害する。エルフ達の魔法は発現しないが、すでに発動して物理現象の階位に至った魔法の結果に対しては作用は無い―――深い霧は周囲を包み込んでいる。耳元にフィアが着く、レーダーに視界は関係しない。


 大盾を前面に出し周囲の木の柵ごと破壊しながら獣人の兵士がいた場所へと突撃する。


「ぎゃあっ!」「ぐへっ」


 槍を折り、跳ね飛ばし、倒れている体を存分に踏み砕きながら猛進する。右手にはシャベル、当たるを幸いに振り回していく。当たるものは机であり、椅子であり、調度品であり、ヒトであり、全てをスクラップにしながら進んでいく。視界は2mも無い、だが事前に想定した障害物の少ないルートを進んでいく。目に映る影は全て敵だ、悩む事無く破壊していけばいい。


「う、うわあああ」「ぎゃああっ」「ど、どうしたのだ」


 視界の聞かない議場内は騒然としている、議員とやらは想定もしていない自分の身の危険に恐れおののき兵士は敵を見つけることも出来ず職分を果たせない。悲鳴も周囲から聞こえ始める、炸裂音も聞こえる、同士討ちが始まったようだ。難儀なものだ、こっちには一欠片もそんな心配は無いというのに。


「皆の者落ち着け!奴を決して逃がすな、出口を固めよ!」


 議長とやらの叫び声が雑音騒音に混じり聞こえてくる、その判断は合理的だ。普通ならば混乱に乗じて逃げると思うだろう。だがそんな心配は無用、今向かっているのは議場の端、この空間の全てを狙える場所。いやいや、確かに心配しなければならない、奴らを逃がさないようにしなければ。



 議場の端、壁に到達。向きを180度転換、まだ霧が深いがここからならば全ての場所に射線が通る。オーラを込めるのは頭部、ヘッドギアの上から被っている『ワイバーン』の頭蓋。その大きく美しい緑の宝玉の魔法は、不可視の機関銃。


 炸裂音が響く。悲鳴が上がる。首をワイパーのように振り、綺麗に掃除をするように制圧射撃を叩き込む。腰を落とし、大盾で体を守りながらフィアからのレーダー情報を活かした一方的な攻撃。更にこれは火薬ではない為着弾音はけたたましいものの発射音は無音に近い。


 出口付近には念入りに、死体や負傷者は思っている以上に障害物になる。特に視界の悪い現状では踏めば足を滑らせ、どかそうと立ち止まれば後続とぶつかり、助けようともたもたすれば新しい犠牲者となる。


決して、逃がしてなるものか。


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