最終後日談 使役獣使になりましたっ
ぱんぱかぱーんっ
この世界にきて、早五年
私は、二十歳になり、地球にいたら成人式を迎え大人になる年
記念すべきこの年に
学校を卒業し、正式な使役獣使になりましたっ
不人気だったスライムも、ここ数年人気で今年の一年生にも
いたりします
なんか嬉しいよねー
スライムの地位向上って言ったら変だけど
人気が高まってラムムンも鼻が高いっていうか
そんな感じでご機嫌で、他の使役獣のスライムたちの
生活環境もよくなったらしく、喜びの声が届いてるみたい
卒業する前に、いろんなところから
将来先について、聞かれた
そして、自分の職場に来てほしいって言われて
すっごく嬉しかった
おばさんからは、宿屋をつがないかって言われたり
ギルドからは、冒険者を続けてほしいと言われ
依頼主からは、専属にならないかっていうお誘い
学校の先生たちからも、先生にならないかとか言われて
ほんと、嬉しかった
そして、私意外と欲張りだったんだなぁって
その時、気付きました
食生活に関しても、お風呂とか居住環境についても
ここでは、かなりハイレベルだったりして
それで宿のことにも口出しちゃって
おばさんたちいい人だから、
おもしろいねぇ、やってみようか
って言ってくれて、いろんなことしてくれた
あっもちろん、お金は出しましたよ
ちょっとずつ儲けてたんで・・・
だから、こそ、宿を継がないかって言われたらしいんだけど
ちなみに、隣の家まで、進出して大きくなってるんですよ
従業員さんも増やしましたが
基本スタイルは変更なしのままです
だから、宿は続けたい
二人の子供さんは、もう別の場所の別の家族でがんばってるから
継がせる気はないし
元々、おばさんたちどちらかが亡くなったり、仕事が出来なくなったら
宿はおしまいの予定だったんだって
あとは、悠々自適な生活するんだって
少しだけ、淋しそうに笑った
ほんと、仲がいいもんね、この夫婦は
やけちゃうよ、もぅ・・・
だからね、いろんなものが選べなかった
先生になるのも素敵だし
お世話になって仲良くなった司書さんや学生資材課のお姉さん
それに、それに・・・ときりがないぐらい
いっぱいいっぱい学校には思い出と、やりたいことがある
だってね、使役獣って
みんな、使うものだっていう意識なんだよね
大事なものだけど、そんなに大事にしてないの
っていうのが私の感覚だったの
私みたいに、話しかけたり、お風呂にわざわざ入れたり
一緒のベットで寝たりってしないんだって
だから、彼らの表情を読める人がそんなにいなかった
山先生とかは、さすがに、ベテラン教師だし
本当に使役獣が大好きだから、
そういうのは分かるみたい
だから、最初ラムムンを見た時、つむっとつついて
ラムムンを照れさせちゃったんだろう
きっと、良かったなって言ってくれたんだと思う
私とラムムンが出会えて、一緒にいられることに
よかったなって
真相は、ラムムンと山先生しか知らないけど
私はきっとそうだと思ってる
だから、先生にもなりたいって思う
先生枠は空いてないし
まだまだ私は教えられないと思ったら
クオン先生はにこにこして
「そこで、特別講師ですよ」
と私が、昔、先生たちと話をした事柄を出してきた
非常勤の先生や、先生が病気や出産の時
離れたい時などに仮に来られる先生がいるといいのにねって
それに、放課後だけの特別講師とか
という話をしたのよね
一学年四人ではやっぱり少なすぎて
積極性のない子や、クラスの中の上下関係で決まっちゃうもん
そういう「振り分け」もあると聞かされて
あの事件のように「きつい」職業だとは思ったけど
その内、自分でも気付くと思うんだよね
事実、三年になるまでに、半数の生徒はいなくなった
だから、あの事件後、いなくなったのがトップグループだったことに
みんな驚いたけど、退学者が出るのは当然みたいな顔してたもんね
ほんと、大人だよね
高校生や大学で、出来ないことがわかったから
退学します、新しい将来の道へと進みます
とか出来るんだろうか
そして、その時、危険と判断された使役獣は自分の手で始末・・・
さよならするんだもん
なぁなぁとかなし崩しはない
ほんと、きつい世界
だけど、その分がんばるんだろうし
いろいろ考えて大人になるんだろうなぁって思う
だから、先生もいいなって思えた
クオン先生は、いつもの影の薄さなんてどこいったという風に
話しだした
口調はいつも通りの間延びした感じだったけど
私は、週二回の臨時職員として雇われることが決定し
他の先生、特に補填できるような学科や授業の時は
前もって連絡してくれて仕事に入るという話しになった
だから、私は、
学校の臨時職員
ギルドの冒険者
宿屋の見習い店主
治療院での医者
お風呂屋さん
という五つの仕事についてます
学生時代の延長みたいな感じの日常だけど
人に教える、人を救う
使役獣と人との関係を良くする
おいしいものを広めようとか
やりたいことは、まだまだあって
一つずつ、やっていって
広まって、みんなで出来るようになればいいなぁって思ってる
あとは、おばさんにも言われたけど
「恋よ、恋っ」
おじさんに出会って一緒にいたい、生活を共にしたいって思える人が
出来るといいわねぇって言われて
そんなに忙しかったらデートもできないわよって
うん、でも、そうかも
遠くで気になる人見つめてるだけじゃだめだよね
うーん、アクション起こすべきなのかな
でも、これまでの関係とか壊れちゃったらいやだよね
とか尻込みしちゃう
でも、恋も仕事もがんばれっだよねー
よーし、がんばるぞー
いこーラムムン、今日もがんばろーっ
お疲れさまでしたーーっここまで読了感謝ですっ
ちなみに、アンが気になってる人は二人います
1.ギルドのおにーさん
2.食堂のおにーさん
年上好みですね
ユグくん、残念だねっ




