24.過酷な旅 女子編
ひどい汚れ、酷い旅
泣きたくなるぐらい、肌は荒れて汚れた
こんな姿では、アーヴィン先生に見られたくない
だけど今、雨が降っているの
これは、ガーラド先生が言ってた試練の雨ね
「ルル、テントとお風呂の用意をしましょ」
「はい、ノネ様っ」
太陽の光が途切れ、雲が覆う空にほっとしてた
わたくしたちは、来るべき雨に備えなくちゃならない
薔薇のリキッドをたっぷり使って
全身を洗わなくっちゃ
髪の中まで、砂でじゃりじゃりなのは最悪だもの
大きなテントを広げて砂を払って荷物を置く
汚れた服は、脱ぎ捨てたいけど今は目があるから
まだ駄目
愚民どもに私たちの美しい肢体を見せるのはもったいないわ
雨は、1時間から3時間続かせるって言ってたわね
あの筋肉だるま
ルルの指示のもと、
お風呂用の大きな布地が四隅と三等分ずつの間隔で杖が立てられていく
これで水が、たっぷり確保できる
今ある水は、料理に使う
まだ雨が降るまでに間に合うはず
「ノネ様、今日の献立は、これでよろしくって?」
ローレの美しい髪も汚れている
「まぁ、ローレ、素敵ね
今日は、みんなでしっかり食べて、綺麗になりましょうね」
そっとほほに手を添える
焼けてしまった白い肌に、ぽっと赤みがさす
ふふ、可愛い子
「はい、ノネ様、御髪を洗わせてくださいませ」
「ええ、よくってよ」
久々のみんなの笑顔
そうよ、女の子ですもの、花のような笑顔を忘れてはなりませんわ
ローレが食事の支度を終え、テントの中でゆっくりと舌鼓を打っていると
雨は突然降りだした
「すごいわね」
水用の布地は4枚張った
1枚はお風呂用、2枚は、水用
残り1枚は洗濯用と、もし、上手に水を確保できなかった可哀想なクラスメイトに
分けてあげてもいいわ
もう、わたくしったら気遣いのできる素敵なレディだわ
そして、一躍トップに躍り出るのよ
美しさをとりもどしたら、あのにっくきグループ
ヴィルクーリーノ(勝利宴)を華麗に抜き去ってしまうの
そして栄光のゴールへ
「ノネ様、皆さま方、湯船が丁度よくなりましてよ」
にっこりと入口で、薄衣をはおったサラが笑う
美しい肢体をさらけ出してはしたない子
でも、その美しさは見せつけなくっちゃ
アーヴィン先生見てらして
わたくしたち美しき薔薇、アーヴィルスローラは
貴方の為咲き誇りますわ
お・・おぜうさまぁぁぁぁぁな彼女たちです
アーヴィン先生は薬草学の美形先生ですよ
え、クオン先生の影がうすいって、本人の自己紹介に偽りなしですよ




