19.出発
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初馬車です
そういえば、馬車ってものがありましたね
私がつかってる大通りでも、走ってるのに
私の中の選択肢に馬車というものはなかったし
もとよりお金もないし
他の地域に行くこともないので、範疇外だったわー
出発前の馬車に荷物を届けるっていうクエスト受けたはずなんだけどなー
リアル馬車は、うん、なんかおしゃれというより
荷車って感じだったので
あー、現実はこんなものよねーと
イギリス風のおしゃれなのを想像していた私の脳内から
馬車の件を封印していたのも原因かもだけどね
ということで、砂漠まで、何組かに分かれて馬車で移動です
うちのクラスのやんちゃ男子グループや
おしゃれ女子グループは一番乗りをしようとして
ちょっと喧嘩が勃発
いやー、うん、すごい情熱だよね
私は、まぁ、うん、最後のほうでいいよ
その情熱は私にはないし
着いた順から出発だから
先行隊の案内があるほうが楽だし
2.3日でつける距離じゃないからねー
体力温存でいかないと
さすがに体力馬鹿ではないし
初砂漠だから、ちょっと緊張するよね
うーん、でも、寝ておこう
ちょっと失礼してっとおやすみなさーい
がたごとする振動でちょっと寝にくくて
半分起きたような寝てるような感じ
「今回の実習がきびしいのって
レベルの低い人退学にさせるためなんでしょ?」
「あ、それ聞いたことある!
ほんとなら、ちょっと困るなー」
んんっなんですと、
退学はほんと困ります
「とりあえず、リタイアしなかったらいいっぽいって私は聞いたんだど」
「えー、私は、使役獣をちゃんと使いながら行かないと駄目とか
先生が見てるらしいよー」
「うそー!それ恐い」
うん、ストーカーですね
いや、でも、先生だから、見てなきゃダメなんでしょうか
なんか、ちょっといやだよね
「まぁとりあえず、無理せず、リタイアせず、使役獣使って
でいいよね」
うん、その不安そうな声がちょっとかわいいです
「うん・・・たぶん
ねぇ・・・一緒に行かない?」
「行くっ」
「私もー」
いやぁ団結は大事ですねー
え?私ですか
私はちょっと・・・
みんなで行くのいいけど、絶対ペース配分違うから
長距離で動く時って、つかず離れずの位置が一番いいって
図書館の本に書いてあったのよね
それに、一応、クエストで、野外は出てるので
初めての人よりましかも
乗り合わせした時に、そんなことを言ってたので
食糧、水が足りなくなった時、困る
さすがにあげられる分まではもってきてないもん
月砂漠は、クエスト的にはおいしい場所だけど
かなり過酷な場所で死亡率がかなり高い
だから、Cランクのクエストのもバンバンあって
金額も高い
モンスターも、少ないから、草原とか森みたいに
狩りをしてご飯が入手できないんだよね
ラムムンのご飯の心配をかなりしてる
「あ、着きそう」
「起こしてあげよっか、でもすごいなー寝られるなんて」
「昨日寝られなかったんじゃない?」
うん、みんな優しいなー
ゆさゆさとされて
「起きて」
って言われた
ありがとう
起きてるつもりだったけど寝てたみたいです
返事したつもりだったんだよ
「あ、うん
ありがとう」
ふわふわしながら、外にでると
ぴかーんっと太陽の直射日光
そして、照り返し
じりじりと焼けるような温度
うわぁ馬車の中涼しくする仕組みになってたんだ
一気に目が覚めて、かつ汗がぶわりって浮いた
「じゃぁお互いがんばろうね」
私は声をかけて歩き出した
「うん、ありがとう、がんばろうね」
よかった誘われなかった
マントをしっかり着こんで、足がもつれそうな砂を小股で小さく歩いていく
前の方には、ずらずらと、単独だったり
集団だったりな先発隊のみなさんがいて
迷子には絶対ならなさそう
一応、方位磁石みたいなのがあって
ゴールに反応する石をおいてるらしく
行先は、かならずわかるようにはなってる
あ、乾いた枝発見
薪?ゲット
今は結構あるけど、中心に近くなればなるほどなくなるもんね
煮炊きできるほどラムムンも私も魔法できないものね
というより、私の場合は、どこまで使えるのかわからない
あの冒険家のお爺さんに伝授してもらった魔法は
本当にたくさんあって実験もなく使うには結構リスクが高い
軽量化の魔法は使ってる意識なく使えるから
所謂、MPの消費率は低いと思ってる
それにしても、熱い
そして歩きにくい
いつもの数倍、ううん数十倍しんどい
「ら・・・ラムムン大丈夫?」
体のほとんどはリュックサックの中だけど
やっぱり心配になっちゃう
ふよっと、小さな振動
まだ大丈夫だけど、ラムムンも体力温存中みたい
おりこうさんだなぁ
あ、日が傾いてきた
えーと、あの岩場でいいかな・・・
すでに重くなった足を引きずって岩場の影に入る
白と黒の世界という風な光と影の境界線
ほっと溜息が出た
「日陰ってすごいね」
でろんっとでてきたラムムンもぷるるんっと返事してくれた
テントは、広げて
風がはいるように投げるとぶわりっと
一人座れるくらいの高さの長三角に広がってくれた
ペグを砂に埋める
このペグ優れ物で
周りの砂を一時的に固めて、重しにしてくれるらしい
だから、岩場でなくてもいいけど
日陰にはいりたい
そして、見つけたいものがあるしねー
さーて荷物を下ろして、ラムムン風呂に入って
ご飯にでもしよっか!
砂漠はまじで半端なく暑く、そして寒いです、夜は氷点下になりますしね
しかし、いつかはやりたいキャラバン旅行
馬での旅行とかもあるらしく、きついけどおもしろそうだが
絶対にむりだろう(体力的に)




