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クロの戦記 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです  作者: サイトウアユム
第5部:神聖アルゴ王国編(仮)

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第18話『ドキッ! 女だらけの……』


 空は青く、雲一つなかった。

 強烈な日差しが容赦なく降り注ぎ、蝉は命を燃やし尽くそうとしているかのように鳴いている。

 クロノは荷馬車から飛び降り、砂浜を走った。

 カド伯爵領……長い海岸線の一角に窪んだ場所がある。

 そこは岩が転がる斜面で、その裾野は砂浜になっている。

 砂浜の広さは猫の額ほど、幼児でも往復するのは難しくない。


「ヒャッハーー! 夏だ! 海だ! 海水浴だ!」


 クロノは拳を突き上げた。


「クロノ、お前は元気だな」

「そりゃ、夢にまで見た海水浴だから」


 クロノは呆れたような表情を浮かべるティリアに答えた。

 去年は『死の試練』の影響で海水浴に行けずじまいだった。

 生産性がなくても構わない。

 ダメ人間と言われても気にしない。

 クロノは水着姿の美女を侍らせたかった。


「ほらほら、皆も早く来なよ!」


 クロノは斜面を降りる部下達に手を振った。

 女性陣はレイラ、女将、アリデッド、デネブ、フェイ、スノウ、スー、エリル、神官さんの九名、男性陣は副官、ケイン、タイガ、シロ、ハイイロの五名だ。

 エレナは仕事があるからと拒否した。

 何かを予感したのかも知れない。


「クロノ、士官クラスを引き連れて良いのか?」

「そこは対応済み」


 クロノは通信用のマジック・アイテムを取り出した。

 超長距離通信用マジック・アイテムの端末だ。

 部下達の反応は二つ……海を見たことがある面々は平然と、海を見たことがないと思われる面々はポカンとしている。


「……これが海」

『海』


 スノウは海を見つめ、迫力に圧倒されたように呟いた。

 スーは……細かな感情は分からないが、とにかく驚いているようだ。


『大将、天幕を組みやす』(ぶも)

「よろしく、ミノさん」


 へい! とミノさんは頷き、テキパキと指示を出した。

 天幕を組むのも訓練のカリキュラムに含まれているのか、軍属組は手際が良い。

 クロノとティリア専用、女性陣用、男性陣用、三つの天幕があっと言う間に組み上がった。


「天幕で水着に着替えたら、集合!」



 クロノは水着に着替えようとしないティリアを天幕に残し、砂浜に飛び出した。

 誰も砂浜にいない。

 どうやら、クロノが一番乗りのようだ。

 クロノは海パン姿で皆を待った。

 クロノの海パンはトランクスタイプ……ドワーフの職人が神聖アルゴ王国から輸入した羊毛を織り上げ、加工した一品だ。

 ただし、履き心地は今一つだ。


『あっしが二番ですかい?』(ぶも?)

「うおっ、ミノさん!」

『へへ、水着ってのは少し照れやすね』(ぶ、ぶも)


 副官は照れ臭そうに頭を掻いた。

 クロノは後退った。

 副官の水着がブーメランだったから、ではない。


『大将、どうしたんで?』(ぶも?)

「あ、いや、ごめんなさい」


 ぶも? と副官は不思議そうに首を傾げた。

 クロノは副官の筋肉に圧倒され、意味もなく謝ってしまったのだ。

 副官は鋼のような筋肉に覆われていた。

 四肢は大抵の動物なら撲殺できるんじゃないかと思うほど逞しい。

 大胸筋は装甲のように分厚く、腹筋は見事に割れている。

 隆起した僧帽筋は棍棒で殴られた衝撃さえも吸収してしまうに違いない。


「二人とも何してんだ?」

「ケインは予想通りと言えば、予想通りみたいな」

「双子のマネか」


 ケインはニヤリと笑った。

 ケインはがっしりとした体付きをしている。

 副官のように圧倒的な筋肉量はないが、体が満遍なく鍛えられている。

 ケインはマッチョに違いないのだが、細マッチョではなく、かと言って、マッチョと言い切れるほどではない。

 ややマッチョという感じだろうか。

 もどかしいマッチョなのだ。

 ちなみにケインが選んだのはボクサータイプの水着だ。


『海は初めてでござる』(がう)


 三人目はタイガだ。

 タイガは大剣を得物にしているだけあり、実に見事なマッチョぶりだ。

 タイガが二番目に出ていればクロノはケインをややマッチョと評さずに済んだことだろう。

 タイガの大胸筋と腹筋は素晴らしいが、上腕筋と上腕二頭筋の発達具合はそれらを上回る。


『俺、海、初めて』(がう)

『俺も、俺も』(がうがう)


 四、五人目はシロとハイイロである。

 シロとハイイロは引き締まった体付きだ。

 どういう訳か、二人は囚人服のようなフルボディーの水着を選んだようだ。

 何と言うか、実によく似合っている。


「あれ?」


 クロノは首を傾げた。


『どうしたんで?』(ぶも?)

「さっきから、男しか出てきてないよ。おかしくない?」


 クロノは真顔で言った。


「おかしくねーだろ」

「いや、おかしいよ。海水浴だよ、海水浴。『ドキっ! 男だらけの海水浴! ポロリもあるよ』……って、何処をポロリするんじゃー!」


 クロノが叫ぶと、シロとハイイロがキュ~ンと鳴いた。


『出てきたでござる』(がう)

「なん! でやっ! ねんっっ!」


 クロノは天幕から出てきたティリアに走り寄り、三段突っ込み……太股、腹、胸を手の甲で軽く叩く……を入れた。

 まあ、胸は流石に防御されたが。


「クロノ、熱がぶり返しているんじゃないか?」

「いや、ティリアこそ、読んで、読んで、空気を読んで! どうして、普段着なの?」


 クロノが必死に訴えると、ティリアは理解しがたいものでも見るような目でクロノを見た。


「普段着じゃないぞ?」


 ティリアは白を基調にした短パン・半袖に着替えていた。


「水着は?」

「あんな格好できるか!」


 取りつく島もなかった。

 だが、クロノは挫けない。


「あんな格好? あの水着は……と言うか、この水着も神聖アルゴ王国から仕入れた羊毛で織った水に透けない布なんだよ! しかも、ドワーフの職人さんによる一品! 買ったら、いくら掛かると思ってるのさ!」


 クロノは全力で主張した。


「くどい!」

「ちゃんと裏地も縫い込んで、色々と配慮してるんだよ!」


 クロノは泣きそうになりながら言うと、ティリアは気圧されたように後退った。


「まあ、二人きりの時なら有りだと思うんだが、外で着るのは問題だ」

「外で着るから意味があるんだよ! ちょっと開放的な気分になって、こう、何か、何かあるんだよ! 何かがっ!」


 何かーっ! とクロノは泣き崩れた。


『大将、レイラ達が出て来やした』(ぶも)

「だがしかし、ティリアが水着を嫌がるのは彼女が皇族だからでは! と言う訳で、他の方々は如何なものか!」


 クロノが振り返り、再び泣き崩れた。

 レイラ、女将、アリデッド、デネブ、フェイ、スノウ、エリルもティリアと同じように半袖・短パン姿だったのだ。


「神様! そんな大それた望みを抱いてる訳じゃないんです! ただ、リア充のように女の子といちゃつきたかった! それだけでこれからの苦難を乗り切って行くことができるのに……お、おのれ、神めぇぇぇぇぇ!」


 クロノは空を見上げ、呪いの言葉を吐いた。


「そんなお主に神様からの粋なプレゼントじゃ!」

「流石、神官さん! 分かってらっしゃる!」


 神官さんなら水着を着てくれるはず! とクロノは鼻息も荒く、振り向いた。

 だが、期待は落胆に変わった。


「どうじゃ?」

「ざっけんな!」


 クロノは神官さんを怒鳴りつけた。

 神官さんの水着はよりにもよって囚人服のようなフルボディーの水着だったのだ。


「ど、どうしてなのさ。いつも露出狂みたいな格好をしているくせに、このタイミングでフルボディーの水着とかありえない!」

「お主がワシのことをどう思っているのかよく分かった。じゃが、いくらワシでも下着とそう変わらない姿というのはな」


 神官さんは恥ずかしそうに顔を赤らめた。


「基準が分からない!」


 クロノは髪を掻き毟った。


『オレ、水着、着タ』

「ああ、スー。君だけが僕の気持ちを分かってくれる」

『オレ、嫁、当然』


 スーはえっへんと胸を張った。

 しかし、スーは普段からビキニを着ているようなものなのだ。

 むしろ、露出度が減っている。

 クロノはスーを見つめた。

 山岳地帯で育ち、今も昏き森に分け入っているせいか、スーはスマートな体型をしている。

 女性的な丸みが乏しいのだ。

 黒のチューブトップに覆われた胸はわずかに膨らみが見て取れる程度だ。

 しかし、鍛え上げられた体はとても魅力的だ。

 割れた腹筋は見事だし、引き締まった四肢はしなやかだ。


「……少し満足」

「無駄に良い笑顔だな」


 クロノはティリアの突っ込みをスルーした。



 クロノは木製のビーチチェアに寝そべり、海を見つめたが、泳いでいるのは男性陣のみだ。

 女性陣……スノウ、エリル、スーの三人は波打ち際で遊んだり、砂山を作ったりしている。

 スノウとスーがエリルを引っ張り回している感じだ。


「……雲一つない青い空、ギラギラと照りつける太陽、金色の砂浜、そして、砂浜で戯れる半袖・短パン姿の少女達」


 クロノはテンションが落ちるのを自覚した。


「クロノ、このイスは?」

「工房で作って貰ったんだよ」


 クロノが横を見ると、ティリアは小さなテーブルの挟んだ所にあるビーチチェアに座っていた。


「他に動物の皮でビーチボールと浮き輪を作って貰いました。ビーチボールはバレーボール並みに固いけど……ティリア、水着」

「断る」


 にべもなかった。


「クロノ様、アイスクリームみたいな」

「ティリア皇女も」


 アリデッドとデネブは陶製の容器をテーブルに置いた。

 女将特製アイスクリームはクロノが作ったそれよりも遙かに出来が良い。

 女将は流石だ、とクロノは視線を傾けた。

 すると、女将がスノウ、エリル、スーの三人を天幕に呼び寄せていた。


「私はついでか」


 ティリアは文句を言いながら、アイスクリームを口に運んだ。

 次の瞬間、ティリアは幸せそうな笑みを浮かべた。


「……美味いな」

「でしょでしょ! アイスクリーム最高だし! 他にも飴が支給されたり」

「カド伯爵領がクロノ様の領地になってから、毎日の食事も充実みたいな!」


 アリデッドとデネブは身を乗り出した。


「お前達は食べることばかりだな」

「ご飯は大事だし、超大事だし!」

「衣食足りて礼節を知るみたいな!」


 ティリアが呆れたように言うと、アリデッドとデネブは詰め寄った。

 そんな二人を見ながら頬杖を突き、これまた呆れたように溜息を吐いた。


「お前達は衣食住が満たされても、礼節が身に付かないんだな」

「そ、それは……それはそれ、これはこれみたいな?」

「これからは量だけじゃなく、質にも拘りたいみたいな?」


 アリデッドは何かを右から左に移すジェスチャーをし、デネブは照れ臭そうに頭を掻いた。


「いつまでも満たされそうにないな。クロノ、絶食させろ」

「ストップ、ストッ~プ! ご飯はあたしらの権利だし!」

「あたしらは権力者の横暴に断固として抗議するみたいな!」

「権利?」


 アリデッドとデネブが拳を振り上げ、猛抗議すると、ティリアは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。


「労働に対する正当な報酬みたいな!」

「ティリア皇女こそ、働かざる者食うべからず!」

「……フン」


 ティリアは鼻で笑った。


「く、クロノ様、は、鼻で笑われたみたいな!」

「働かずに食べる飯は……くぅぅぅっ、美味いに決まってるし!」

「ああ、美味いぞ。最高だ」


 ぎゃあああああっ! とアリデッドとデネブは悲鳴を上げた。

 よく分からないが、色々あるらしい。


「こ、この……うぐぐ、言葉が出ないし」

「こ、こ、この覚えてろみたいな」


 アリデッドとデネブは捨て台詞を吐いて、女将のいる天幕に向かった。

 多分、アイスクリームで心の傷を癒すつもりなのだろう。


「ちょっと泳いでくるよ」


 そう言って、クロノは立ち上がった。



「クロノ様、ナイスタイミングであります」

「嫌な予感がする」


 クロノはフェイの言葉を聞いて、逃げ出さなければならないような衝動に駆られた。

 それも可及的速やかに。


「今日はクロノ様が熱望した水練でありますよ」

「僕は水練をやりたい訳じゃないんだけど」

「このフェイ・ムリファイン、一肌脱ぐ所存であります」


 フェイはクロノの台詞を無視した。


「まあ、嫌な予感はするんだけど、何をさせるつもり?」

「水練でありますよ。シロ殿、ハイイロ殿!」


 わお~ん! と遠吠えじみた声が響いた。

 クロノは目を細める。

 シロとハイイロらしき人影が荷馬車から何かを下ろしていた。

 その何かはシロとハイイロの二人掛かりでも持ち運びに難儀する代物らしい。

 しばらくすると、シロとハイイロは息を切らしながら、クロノの元に辿り着いた。

 二人が運んでいたのは板金鎧である。


「侯爵邸の倉庫で見つけた板金鎧であります」

「どうしろと?」


 クロノは板金鎧とフェイを交互に見つめた。


「まずは板金鎧を着て頂くであります」

「えっと、その次は……予想できるけど」


 嫌な予感がした。

 いや、嫌な予感しかしなかった。


「沖まで船で運び、突き落とすでありますよ」

「いや、死ぬから!」


 クロノは突っ込むと、フェイは意外そうに目を見開いた。


「ご冗談を、であります」

「そっちこそ、冗談を言わないでよ!」

「本気でありますよ?」

「なお、悪い!」


 む? とフェイは訳が分からないと言うように唸った。


「分かってよ! 沈む、沈む、もの凄い勢いで沈むから!」

「ガッツでカバーであります!」

「無理! 僕のガッツは鎧の重みに太刀打ちできない!」


 むぅぅぅ、とフェイは唸った。


「では、水中で鎧を脱ぐ訓練に変更であります!」

「って、さっきまで沖から泳がせようとしてたの? どっちにしろ、死んじゃうよ!」

「為せば成るであります!」

「そんなに僕を殺したいの? 何か、恨まれるようなことでもした?」


 フェイは遠い目で水平線を見つめ、クロノに手を差し伸べた。

「殺したいほど愛しているであります」

「上手いことを言ったつもりなのか、本気なのか、分からない!」


 クロノは顔を覆った。


「そこまでクロノ様が嫌がるなら、水練は中止でありますね」


 フェイは板金鎧を担ぎ、クロノに背を向けた。

 黒い煙のようなものがフェイから立ち上っているので、神威術を使っているんだろう。


「……シロとハイイロの立場が」


 クロノはボソリと呟いた。



「一人で泳いでも面白くない」


 クロノは海から上がり、砂浜に横になった。

 クロノは目を閉じる。

 それでも、太陽の光は瞼越しにクロノの目を刺激した。

 視界が暗くなり、クロノは目を開けた。

 すると、レイラがクロノを覗き込んでいた。


「太陽がいっぱいだ」

「太陽は一つですが?」


 レイラは手を翳し、空を見上げた。

 クロノは波が届かない所まで移動し、再び腰を下ろした。

 レイラはやや遅れてクロノの隣に座った。


「レイラ、水着」

「……クロノ様が着ろと仰るのなら」


 レイラはしばらく沈黙し、いつもの微表情で言った。

 表情は変わらないが、悲壮感が漂っていた。


「いえ、そんなことは申しません」

「はい」


 レイラは小さく頷いたが、チラ、チラとクロノに視線を向けている。

 レイラはクロノの真意に気付いているに違いない。

 クロノはレイラに水着を着て欲しい。

 レイラもできることならクロノの望みを叶えたいと思ってくれているのだろう。

 だが、レイラの価値観は水着を着るべきでないと訴えているのだ。

 それ故の葛藤だ。


「クロノ様は泳ぎが達者なのですね」

「まあね」


 義務教育は偉大だ。


「クロノ様は何のために海水浴を?」

「水着姿の女の子と戯れたかったという気持ちも嘘じゃないんだけど……ぶっちゃけ、ダラダラ遊びたかったです」


 クロノはボーッと水平線を眺めた。

 領主になってから、休日はあっても、遊んだ日はなかったような気がする。


「クロノ様! ボクにも泳ぎ方を教えて!」


 軽い衝撃がクロノを襲う。

 スノウがクロノに抱きついてきたのだ。

 お! とクロノは口元を綻ばせた。

 プニッとした感触がクロノの背中に触れていた。


「水着じゃないと……はわっ!」

「エヘヘ、似合う?」


 クロノが振り向くと、水着姿のスノウが立っていた。

 スノウはオーソドックスなワンピースタイプを着ていた。


「ちょっと恥ずかしいけど」

『退ケ』


 スーがクロノとスノウの間に割って入る。

 押し退けられたスノウはムッとした様子でクロノの腕にしがみついた。


『……オレ、クロノ、ノ、嫁』

「う~、クロノ様はスーだけのじゃないよ」


 スノウは嫁であることを主張するスーに反論した。

 スノウとスーはクロノを挟み、火花を散らした。

 クロノはスノウとスーの慎ましい胸の感触に幸せを感じていた。



「痛いよ、痛いよ~」


 クロノは帰りの馬車で惨めったらしく呻いた。

 原因は日焼けだ。


「ったく、しょうがないね。二人とも」

「「氷舞つららまい!」」


 アリデッドとデネブが桶に魔術を放つ。

 桶がギシッと軋む。

 女将は呆れたように鼻から息を吐きつつ、桶から冷えた布を取り出した。


「はいよ」

「女将、ありがとう」


 はいはい、と女将はクロノの背中を冷えた布で覆った。

 ひんやりとした感触が日焼けの痛みを和らげてくれた。


「この前は風邪で、今日は日焼けかい。ホントに世話を焼かせてくれるね」


 そう言いながら、女将は満更でもなさそうだ。

 女将は姉御肌なのだ。


「で、海水浴はどうだったんだい?」

「水着が見れなかったことを除けば満足」

「アンタ、それしかないのかい?」

「……僕の、生きる原動力です」


 エロに対する執着が生きる原動力の全てじゃないが、無視できないパーセンテージを占めていたりする。


「来年も皆で海水浴したいな~。そして、次こそは、次こそは、水着を、水着を!」


 クロノは拳を握り締めた。

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