表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
孤独な公女~私は死んだことにしてください  作者: 結城芙由奈@コミカライズ連載中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

58/246

3-2 ヘスティア 2

 ヘスティアがポルトスと離宮を去り、再び一人になったサフィニアは庭の手入れを行っていた。


花壇の雑草を取り除き、空いた場所に新しい種を蒔いて水やりをする。ハーブを摘み取り、グミの実を採取しているとき。


ガラガラガラガラ……


馬車が近づく音が聞こえ、サフィニアは立ち上がって振り返り……目を見開いた。

1台の馬車、そして5台の荷馬車がこちらに向かって来ているのだ。


「え……? もしかして、ここへ来るの?」


茫然と馬車が近づく様子を見つめていると、騒ぎを聞きつけたチャド達が家から飛び出してきた。


「一体あれは何だ!?」


「こっちへ来るのかしら?」

「サフィニア様、何かご存じですか」 


カーラとジルが尋ねてきた。


「思い当たることなら、一つあるけど……」


先頭の馬車を見つめるサフィニア。


「それはどんなことなんです?」


チャドがサフィニアに視線を向けた。


「さっきポルトスさんが、女の子を連れて来たの。多分私と同い年位だと思うのだけど……その子が私の侍女になるんですって」


「え!?」

「侍女!?」


ジルとカーラが同時に驚きの声を上げたとき、離宮に到着した馬車の扉が開いてセザールが降りて来た。


「あ! セザールだわ」


サフィニアは笑顔で駆け寄ろうとした。


「セザー……!」


馬車から降りて来たヘスティアをセザールが笑顔でエスコートする姿を見て、サフィニアは足を止めた。


「ありがとうございます、セザール様」


ヘスティアは笑顔でセザールに礼を述べている。その姿はまるで……。


「ねぇ、ジル。あの人、すごく可愛いと思わない?」


「カーラも思った? まるでお姫様みたいよね。セザール様とお似合いだわ」


2人は小声で話をしていたつもりだったが、あいにく全てサフィニアの耳に入っていた。

実はサフィニアも、2人と同じことを考えていたのだ。


(そうよ……ヘスティアは私とは違って、本当の伯爵令嬢だもの……お姫様みたいなのも、セザールとお似合いなのも当然だわ)


サフィニアの胸がチクリと痛む。

エストマン公爵家で、自分に親切にしてくれる数少ない存在のセザール。

そのセザールが、何故か遠い存在に感じてしまう。


寂しい気持ちで2人の様子を見つめていると、エスコートを終えたセザールがサフィニアに笑顔を向けて近づいてきた。


「サフィニア様、お待たせして申し訳ございませんでした。ヘスティア嬢をお連れしてまいりました」


すると、ヘスティアは前に進み出てくると再び丁寧に挨拶をしてきた。


「サフィニア様、公爵様にご挨拶が終わりましたので戻って参りました。本日より、お仕えさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします」


「え、ええ。こちらこそ、よろしくね……」


エプロンドレスに、日よけの麦わら帽子をかぶるサフィニア。片や、美しいドレスに身を包んだヘスティア。


(これでは、どちらが侍女か分からないわ……それに私には会ってくれないお父様とは会えたのね……)


サフィニアはヘスティアに対し、羨ましい気持ちが込み上げてくるのだった――



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ