表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
若き野原に華は舞う。  作者: しっちぃ
2.真白に開く藤の花房。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/23

ex.1(1)

 あの日を過ぎた、最初の週末。……舞も一緒に昼寝するようになった。それも、いつも同じベッドで。距離、ちょっとずつ近づいてたような気はしたけど、吹っ切れたように甘えてくるな、最近は。

 寝起きの、離れがたいようなまどろみ。向き合ってるとことか、『好き』を伝えあって、そのまま寝ちゃったときみたいな雰囲気。今は起きたとこだからその反対だけど、ほんわかな雰囲気に飲まれてるのは一緒。

 

「……舞?」


 今日もなんか、いつもより距離を近づけてくる。後ろ髪、指で梳かれれてる。そんなことしといて、不満げな顔してる。ちょっと、どきっとしたせい?そんなので怒んないでよ、ねえ。止めてって言ったり、手でどかせば止めてくれるって分かってても、してないんだから。わかってよ。

 

「一華ちゃん、お願いしたいことあるんだけど」

「ん、……何?」

「あのさ、……髪洗わせてほしいの」

「お願いなのに、あげたいことなんだね」


 髪梳いてたの、そのきっかけなのかな。相変わらず、優しいな。……あたしも、ちょっとくらいお返ししたほうがいいかな。それに、……近づきたいの、そっちだけじゃないんだよ。


「うん、……だめ?」

「いいけど、……それならさ、あたしも舞にしてもいい?」

「……こういうの、一華ちゃんから誘ってくれるなんて思わなかったよ……」


 あたしもそう。こういう気持ち、知るつもりすらなかったのに。あの時に火を着けられた感情、まだ熱っぽいみたいだ。


「嫌じゃない?」

「当たり前だよ、……もっと近づきたいって思ってくれてるんでしょ?」

「ん、まあ……そう、だね」


 まだ、頭撫でてくる手が止まらない。それどころか、ちょっと指で遊んでるような。『好き』でつながってから、なんていうか、……すっごく、甘えんぼだ。


「それならいっそ、体も洗いっこしてみる?」

「もう、どうしてそうなるのさ……、別に、してもいいけどさ」

「優しいよね、そういうとこ、……こういうの、つい思っちゃうんだよね、変なのはわかってるけど」


 別に、嫌じゃない。想像もできないのに、……舞だから、なんだろうな。あのノートのせいで、あたしとしたいことあるのが分かってるのも、そういう気持ちに抵抗を持たなくなってる理由かも。


「そんなの今更だよ、あのノート見てるんだからさ」

「それもそっか、……好き」


 不意打ちのような言葉、不意に近づいた顔。……ちゅー、したいの?寸止めしてくるの、ギリギリで持たせてる感じ。少し、覆い被さるようにして、……あの時と、おんなじ。

 ……いいよ、きても。そんな風に言うには、熱が足りない。背中に、手を回す。軽く引き寄せて、……それだけで、分かってくれる。


「舞……っ」

「っ……、ん、……ちゅ」

「……ぅ、ぁ、……、ふぅ」


 一瞬だけ、これも、我慢してるみたいな。それだけなのに、頭の中がほどけていく。……舞だけじゃなくて、あたしも夢中になっちゃってる。


「そろそろ、起きなきゃだね、お風呂の前に、全部済ませておかなきゃ」

「んぁ……、そっか」


 頭、まだふわふわしてるまま、うなずいてはみたけど、何言ってるんだろう。手、なんか離せないや。ゆっくり滑らすように下ろしても、……舞の体も、動くのゆっくりだ。

 離れられないの、一緒なんだ。伝え方は全然違うのに、気持ちは一緒なんだね。気づかされて、少しだけ、ほっぺが上がったような気がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ