あっとらいぶらりー③
サブタイトルを変更しました。
「そりゃぁボクだって寂しいのは嫌だけどさ。」
なづな程じゃないと思うんだよね。気づいてないかもしれないけれど、なづなが誰かを見送る時とかさ、凄く寂しそうなんだよ?前はね、そんな なづなを見るのが辛くて悲しくて、ボクがいるからボクがいるのにってね、思ってた事もあったんだ。
そんな事、絶対に言わないけれど。
ボクが寂しがってる様に見えるんならね、それはきっと、なづなが寂しいと思っている時なんだと思うよ?
「なづなが居てくれるなら、平気かなぁ。」
ぐっ、と言葉に詰まって、それでも何か反論しようとして、出てきた言葉が
「な、なら、せりは私がいないと寂しいって事だよね?」
「そうだよ。ボクは、なづなが居なきゃダメなんだよ?そう言ったと思うけれど…もう一回言った方が良い?」
「…じゃあ、やっぱり、せりは寂しがり屋さんじゃない。」
「なづなは、ボクが居なくても平気?」
これはちょっと意地の悪い言い方だったかなぁ?
そんな訳ないって理解っているのに。なづながボクを大事に想ってくれていて、ともすれば自分自身よりも優先して考えてくれるのに。
「そんな訳ないでしょ!」
だよねぇ。ごめんごめん、そんな顔しなくたって理解ってるってば。
究極的にはという話だけれど、ボクはなづなが傍に居てくれたらそれで充分なんだ。他に何も要らない。そう言ったし、なづなも『知っている』と答えた。でも、なづなはそれじゃダメなんだと思うんだよね。彼女が望んでいるのは、家族がいて、友達がいて、みんなが笑っている。そんな光景なんじゃないかな。
「まぁ、ボク達はお互い寂しがり屋なんだよ。ちょっと方向性が違うだけで。」
「…方向性が違うの?」
「うん、たぶん。求めているものがちょっと違うんだと思う。」
「…そうかなぁ…?」
なんか納得いってないって顔をしているけれど、これ以上は言わないでおいた方がいいだろうなぁ…。だってさぁボクの気持ちを言葉にしたらさ、
『君以外何も要らない!君だけでいい!君さえいれば生きていける!君だけが傍に居ればたとえ世界を敵に回しても!怖くなんかない!』
…ってな事を叫び散らかさなきゃいけなくなっちゃうもん。
いやぁ…流石に今世みたいな平和な世界でそんな事叫んだら、ただのイタイ人だよぅ。中二病は未だしも自己陶酔患者とか自己愛とかナルシシズムとか言われたら…結構ショックだよねぇ。
なづなは頻りに首を捻っているみたいだけれど、まぁ納得出来なくてもいいんじゃないかな。こういう考え方ってのは人それぞれだからね。
「ところで、なづな。聞き忘れてたんだけれど…。」
「うん?」
「セリナ様にお会いするの、一緒に行くんで良いんだよね?」
いやもう、ホントに今更なんだけれどさ、伝えてはいたけれど答え聞いてなかった気がするんだよね。聞いたっけ?聞いてないよね?
なんか横槍が入って、ちょっと別の方向に話が逸れちゃったんじゃなかったっけ?
「あれ…?答えていなかったっけ…?」
「たぶん…いや、自信ないから聞いておこうと思ったんだけれど…。」
「当然一緒に行くよぅ。だってご指名なんでしょ?」
うんまぁ、ボク達二人をご指名だったのは間違いない。けれど一緒に来いとも、何時何処へとも言われてないんだよね…だからさ、試験明けまでに何らかの指示、というかアプローチが無かったら此方から突撃しようかなぁってね、さっき考えてたんだよね。
「そ、そう…まぁ、なんのお話か気にはなるし、ね。」
そうなんだよね。タイミングがタイミングだったから、生徒会執行部に関係していると思い込んでいたけれど、そうじゃない可能性だって充分にあるんだもん。ただ単にボク達と話してみたいって思っただけだったら…。
ちょっと噂になってた目立つ双子が気になったので見てみたかった、とか。
もしそうだった場合、ボクの方から執行部入りの話なんかした日にゃもう…恥ずかし過ぎて人目を憚らず転げ回る事になるんじゃないかなぁ…。
「執行部の話であってもなくても会わないといけないのは変わらないんだし… 」
「菫さん達が執行部入りを希望しているんだから、参考になるお話を聞けるかもしれないよ?」
ああ、そうだよね。確かにそうだ。
けど光さんと菫さんなら、選挙やったとしても普通に当選しそうな気がするんだけどなぁ。必要ならサポートするのはじ吝かではないけれど。お節介かな。
というか、ボクらもそろそろちゃんと決めておかないといけないんじゃないなかろうか?勧誘されたら入る方向で、ってのは最初から考えていたけれど、結局は受け身の考えでしかない。ボク達は執行部に入ったとして、何がしたい?何が出来る?やりたい事はあるのか?
周りのみんながボク達に期待する事ってなんだろう?
うわ…執行部入りを希望する子って、こんな事をちゃんと考えてるの?
あ、そうか。これを相談するってのもアリかも。
セリナ様ならなんか答えてくれそう。
…そうなんだよ、たった一つしか歳が変わらないのに、3年生のお姉さま方って凄く大人な気がするんだよね。相談したら何でも答えをくれそうな、導いてくれそうな…そんな、大きな人に見えるというか…。
それに比べてボク達なんて、わーわーきゃーきゃー言ってるだけの子供な気がしてならないんだけれど、この一年でそんなに変われるんだろうか…不安だ。
最近、少々短い話が続いてしまっています…。
書きたい事は沢山あるのに、上手に纏められない己の技量のなさに嘆息を禁じえません…。
であるにしても、書きたい欲求は充分過ぎる程にあるので、やめるつもりは毛頭ないのですが。
今後もお付き合い頂けたのならば幸いです。




