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おやすみ お姉ちゃん⑦

「あ〜…せりは抱き心地いいねぇ…癒される…。」

「そう?低反発クッションとか添い寝用ぬいぐるみとかの方が気持ちいいんじゃない?」

「違うのよ〜、()()()()()()()んじゃない。()()()()()()()()()()癒されるのよ〜…。」


今ボクがどんな状況かと言うと…背後からすずな姉ちゃんに絡みつかれています。

右肩にすずな姉ちゃんの頭が乗っていて、両手は腹に回され、足は胡座をかくようにしてボクの脚をガッチリ固定している。

で、安楽椅子よろしく、ぎっこぎっこと前後に揺らされている訳ですよ。なんかもう抱き枕替わりにされているのか安楽椅子に縛り付けられているのか、何方(どっち)とも取れる状況ではあるのだけれど…すずな姉ちゃんが癒されると言っているのだから、まぁどっちでも良いや。

こうしているとボクだって、とても落ち着くしね。

ママも、すずな姉ちゃんも、なづなも、こんな風に触れ合っていると凄く安心するんだ。言うなれば精神安定剤みたいな?…少し違うか。

それにしても、ん〜…良い匂い。

身体を揺する度に、ふわりと香るのはすずな姉ちゃんのソープの匂い。それほど強い香りではないはずなのに、確かに漂ってくる優しい香り。

同じボディソープやシャンプー使ってるはずなのに、なんでこうも違うのかね?あの泡を転がす洗い方だとこうんな風に香るのかな?今度試してみよう。


「ねぇ、せり。」

「なぁに?」

「最近知り合った高等部の子って何人くらいなの?」

高等部のお姉さまというと、花乃お姉さま、蓮お姉さま、司お姉さまに優お姉さま、後は蓬お姉さま。

お名前を伺ったのは5人。

一緒にお仕事したというだけなら、もっといるけれど…それがどうかしたのだろうか?

「ふぅん…なるほどねぇ。」

な、なんだろう?

「いや、特に何かある訳じゃないけどさ。推薦状が複数署名で提出されたって聞いてね。」

あぁ、蓮お姉さまが言ってたアレか。

「ボク達も聞いたけれど、別に珍しい事でもないんでしょ?」

「まぁそうね。複数署名自体はよくある事よ。」

よくある事ねぇ…。


生徒会執行部は、所謂(いわゆる)徒弟制度みたいなものがあって、めぼしい学生を手元に置いて次期役員として教育する、みたいな事を行っている。

丁稚さんとか奉公さんみたいなものだね。

他の学校ではスール制度とかエンジェル制度とか対番とかっていう、上級生が下級生をマンツーマンで教え導く制度や慣習があるらしいのだけれど、明之星(ウチ)の場合は個人ではなく組織毎の指導になるので、やっぱり丁稚さんの方が近いかな?

まぁ制度や慣習関係なく、個人的に親しくなって一緒に行動する子達もいるんだけれど…こっちは、その、指導とか関係なくて、ね、まぁ…えと、所謂(いわゆる)カップルなので…除外で。


で話を戻すと、複数人が推薦者となる事そのものはさして珍しくはないのだけれど、高等部のお姉さま方が中等部の生徒を推薦するというのが中々に異例なのだそうな。

更に言えば中等部現執行部は去年、前体制から引き継いだ際に後継の指名をしなかった。

つまり、ボク達の学年から人材をピックアップせず、自分達だけで生徒会運営を行っていたんだね。

現執行部のお姉さま方は、次代の執行部はやりたい子が手を挙げて選挙で決めれば良いと宣言していたので、後継を育てるつもりはなかったんだと思う。

そんなスタンスの人達が、卒業生から『いいのが居たから推薦しといたんでヨロシク』って言われて素直に従うものかな?セリナ様の呼び出しだって執行部絡みじゃない可能性は充分あるんだから。

…あれ?なんかこれじゃあ執行部入りを希望しているみたいだね?

いや、誘われたならやってみても良いとは思っていたけれど、積極的にやると宣言した訳ではないし、あ、でも光さん達がやるなら一緒にやるのもいいかなぁとも思ったりしたよね…?


あれ?

あれれ?

そもそもボク、やりたいの?やりたくないの?

周りが求めてくれるなら応えたい。それは本当。

やるのなら本気で取り組む。これも本当。

でも自分から望んだ訳じゃない。

新歓祭の事も同じだ。

流されて引き受けただけじゃないか?

あれ?主体性ないなボク。


「どうした?せり?」

「え?あ、ごめん。考え事してた。」

「んで?勧誘されたら入るの?執行部。」

「…うん…誘われたら…と、思ってたんだけれど… 」

「入んないの?」

「…ううん、そういう意味じゃなくて… 」

「そっか。」

すずな姉ちゃんが体を揺するのをやめて、ボクを抱く腕に少しだけ力を込めた。

「…ちゃんと自分で決めれば、それでいいのよ。」

それだけ言ってまた身体を揺らし始めた。

決めれば、か。

そうだね。



「すずな、せり〜、お茶入れる?」

「お願〜い。」

洗い物を終えたママとなづな がリビングに戻ってきて

お茶のお代わりを淹れてくれる。。

因みにお茶は日本茶だよ?

ん〜、美味しい。

リビングにみんなで集まって取り留めのない事を話し

ゆったりとした時間を過ごす。

毎日こんな感じなのに、よく話題が尽きないなぁなんて思った事もあるのだけどね。

まぁこの先、通常授業が始まったら宿題やったり予習したりと、やる事が増えてこういう時間も減ってしまうのかもしれない。

二年生になると勉強も難しくなるって言ってたし。

すずな姉ちゃんに教わればいいって思うでしょ?

そう上手くはいかないんだよね。

すずな姉ちゃんは教師なので、授業に使う資料纏めたり、プリントの原稿作ったり、小テストの問題作戦したり、すんごいやる事が多いんだ。

去年見てて、教師にだけはなるまいと思ったくらい。

あれを嬉々としてこなしていくすずな姉ちゃんは、とんでもなく優秀なのか、変人なのか。


あ、もしかして、世の先生方も変人なんだろうか?

と、そんな事を口にしたら、つむじを顎でグリグリされました。すいません、ごめんなさい、イタイです。
















すいません。

ちょっと短いです。


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