おやすみ お姉ちゃん
いちゃいちゃします。
するかな…?
ママと なづなと三人でお買い物。
近くのショッピングモールまで徒歩約6分。
駐車場はいつも混んでいて、空いてる場所を探す方が時間かかっちゃうので、ウチくらいの距離だと歩いた方が早かったりする。
大量に買い込む時は車で来た方が楽なんだけれど、日々のちょっとした買い物なら徒歩で充分。
という事で、お散歩がてらお買い物です。
道すがら、ここの駐車場って前はなんだっけとか、この喫茶店はパパが小学生の時からあるらしいとか、用水路のとこにある保育園っていつできたんだろうとか。まぁどうでもいい事を話しながら歩いていれば、すぐに到着しましたよ、と。
このショッピングモールはこの辺りで一番大きな駅から徒歩1分という立地にありながら、2500台収容出来る駐車場を完備している様な大型複合施設で、食料品から家電、服に靴、キャンプ用品も有ればアニメショップもあるし、ゲームセンター、映画館、自転車もバイクも、果ては車まで売ってるんだから驚きだよね。
そんな、なんでもある場所なので、何時も人が溢れている。まぁ、田舎だからね。
学校帰りの学生もフードコートでお喋りしている姿をよく見るよ。今もウチの制服の子達がチラホラ。
他の学校の制服もそこかしこに見えるね。
おや?
あれに見えるは満さんではなかろうか?
西高と北高の制服の子が一緒だ。
まさか絡まれてる…訳じゃなさそうだね。楽しそうだもん。ああ、奥のアニメショップに来たのかな?なら一緒に居るのは、さしずめオタ友…コホン、趣味仲間ってところかな?
…声は掛けないでおこう。折角、友達と楽しんでいるのに、単なるクラスメイトが混ざってもディープな話が出来なくなるだけで、良い事ないもんね。
…って、満さん、こっちに気付いた?
うわ、めっちゃ手ェ振ってる!
無視する訳にもいかないし…手を振り返すくらいは良いか。
お友達さん、なんか話しかけてるね?満さんがオーバーアクションで答えてる。
あー、凄いな満さん。声は全然聞こえないのに、身振り手振りでなんて言ってるのか大体わかるよ。
「あの子、クラスメイト?」
「うん、クラスメイト。」
「今日一緒にお仕事した子。」
「BODY languageだけで旅が出来そうね。」
ママもそう思ったらしい。
ママが軽く会釈して、ボク達も改めて手を振ってその場を離れた。満さんはお辞儀したり手を振ったりと、最後まで動きが忙しかったね。
買い物自体は目的の物が決まっているので、他の物には目もくれずに最短で済んだ。レジの列に並んでいる時間が一番長かったくらいだよ。
あとは帰ってお夕飯の支度なんだけれど…。
実はボク達、夕飯の支度を手伝った事がない。
あ、誤解のない様に言っておくけれど、ボク達が料理が出来ない訳じゃないよ?
本人が出来ると思っているだけで、完成品は世にも恐ろしい劇マズ料理って事でもないからね?ホントだよ?ちょ、ホントだってば!
…えふん。
料理そのものはママに教わったし、休みの日とかは一緒に料理する事だってあるし、お菓子作りなんかも一緒にするし、色々作らせてもくれるんだけれど、夕飯だけは手伝わせてくれないんだよね。
せいぜい盛り付けとか、配膳とか、その程度?
仕込みとか調理は絶対にさせてもらえなかった。
なんで?って聞いたら、“これはママの仕事だから” って言われたんだ。
何か凄いこだわりがあるみたい。
まぁ、パパ絡みの大切な思い出があるんじゃないかなって思ってる。
いつか聞いてみたいな、とは思うんだけれど…なっっっがいんだろうなぁ…。
そんなわけで、ボク達は帰宅後自由にしていて良い時間なんだけれど…宿題がある訳でもないし、さてどうしたものか。
「ママ、お風呂洗っておく?」
そう聞いたのは なづなの方。
「あ、そうね。お願いしてい〜い?」
「承りました〜。」
おお、やる事が出来ましたね。
ちなみにウチのお風呂は広い。バカみたいに広い。
そして無駄に多機能。
ジェットバスだわ、ジャグジーだわ、浴槽なんか3人入って寝そべれるんだよ?凄くない?
ちょっとしたスパ・リゾートみたいなお風呂なんだ。
キッチンはママの趣味全開で作ったらしいんだけれど、お風呂はパパの趣味100%で作ったんだって。
昔、一人暮らししてた時にお風呂無しのアパートに住んでいて、家を建てるならお風呂だけは豪華にしたいってずっと思ってたらしく、結果こうなった、と。
一点豪華主義というやつだろうか?
でもそのおかげで、なづなや すずな姉ちゃんと一緒に入れるし、ゆったり寝そべって暖まれるし、ボクは好きだよ。
そのかわり掃除はとんでもなく大変だけれど。
洗い場までちゃんとやろうと思うと、1時間やそこらじゃ終わんないもんね。
今日は時間もあるし、2人でやるから徹底的にやっちゃおうと思ってる。なづなもそのつもりっぽい。
家に着いたら、荷物をキッチンに置いて濡れても良い格好になってお風呂へGOだ。
そうはいっても、オーバーオールを脱いで髪を縛ったくらいだけど。
隅から隅までガシガシと洗って水をダバーーーッ。
気になる所をもう一回洗ってシャワーでジャーッ。
繰り返す事、数回。
もう2人して濡れ鼠。汗と飛沫でびしょ濡れですよ。
なづなが脱衣所に置いてあるバスタオル取るために屈んで、こう、四つん這いみたいな格好のなったんだけど、その時にね、Tシャツが身体に貼り付いて、肩から背中、お尻までのラインが顕になったのね。
貼り付いた薄い布から、うっすら覗く肌の色が妙に色っぽ…
ガンッ!!!
突然の音になづなの肩が跳ね、こちらに振り向く
「な?!なに?!どうしたの!?」
「ううん、なんでもないよぅ。」
額を壁にくっつけたままのボクを見て訝しげな顔で
「今の音、何…?」
「あ、うん、ちょっと滑って壁にぶつかっただけだから。大丈夫。」
「そ、そうなんだ、平気?」
そう言いながらバスタオルを渡してくれた。
額を壁に貼り付けたままタオルを受け取り、わしゃわしゃと体を拭っている間も、怪訝な顔のままこちらを見ている。そりゃそうだ。
壁に貼り付いたまま動かないとか、怪しさ満載だもの。
「せり?おでこ、大丈夫?」
「うん、全然平気。コブもできてないよ。」
額は付けたままぐりんと首を回して、なづなに笑顔を向けてみる。うわぁ、怪しんでる怪しんでる。…仕方ないので壁から離れて額を見せ
「どう?なんともないでしょ?壁も穴なんか開いてないよ?」
なづなが、ボクの額を摩りながら
「ホントに平気?痛くない?」
「うん、ホント。」
「…なら、いいけど。」
そもそもそんなに強くぶつけてないからね。お風呂だから反響して大きな音に聞こえただけだよ。
壁だって、タイルの向こうは無垢のコンクリートだもの、頭突きくらいで穴なんか開かないよぅ。
あ、頭突きって言っちゃった。まぁ、心の声で口に出した訳じゃないからセーフ。
実際、どういう事かって言うとね。自罰というか、煩悩退散の儀というか…そんな感じ?
さっきのね、なづなの姿を見たらね、こう、ちょっとムラッと…姉の半裸でそんな気持ちが湧いてくるとか、思春期か!あ、思春期だった!
こほん。
濡れたTシャツから透けて見える肌が色っぽいなぁとか、中学生かっ!…中学生だよ!
じゃあしょうがないですね、って訳にもいかなくて、衝動的に壁に頭をぶつけちゃったんだ。
ムラッとしたボクにボク自身が『なづなをヤラシイ目で見るなんて、ボク自身でも許さんぞ!』ってね、こう、怒ったというか…う〜ん、上手く説明出来ないね。ごめんね?
まぁ結局のところ、ちょと外部刺激を与えて冷静になろう、と。そんな感じかな。
身体を拭きながら洗い場から脱衣所に移動すると、濡れた下着も脱いで全裸になっている なづなが居た。…何度見ても柔らかな曲線を描く背中から脚へのラインが本当に綺麗。
…この姿だと全然イヤラシイって気がしない不思議。なんなんだろうね、この差?
まぁガン見するのは変わらないんだけれど。
ボクも濡れたTシャツと下着を脱ぎ新しい物を身に付けなづなと一緒にリビングへ。
「ママ、手伝う事あるー?」
「んー、こっちはいいわ。ああ、お風呂ありがとね。そぅねぇ…すずなが帰って来るのももう少し後でしょ?ちょっとのんびりしてなさい。」
「はぁ〜い。じゃ、部屋に居ま〜す。」
「はいは〜い。」
それならお言葉に甘えてゴロゴロしてますかね?
「せり、上ろっか。」
「そだね。」
どうしようか、ホントにゴロゴロする?いやぁ、なんか寝ちゃいそうだなぁ…。まだ教科書もないから予習も出来ないし…小説でも読もうか?…読んでない本あったっけ?
これという趣味がある訳じゃないから、時間が空くとどうにも手持ち無沙汰だねぇ。
あ、そうだ!
満さんが言ってた椿さんのお気に入りのマンガ、検索してみようか?なんか凄いらしいし。
うん、そうしよう。
「なづな、PC使っていい?」
「勿論いいけど、珍しいね?」
「満さんのお薦めとか、椿さんのお気に入りとか、ちょっと気になるなぁってね。」
「あ、それは私もみたいな。」
そうと決まれば検索検索。
「さてさて、どんなのですか〜ね?」
あれ?
おやすみしてない…




