ほわいどんちゅーだんす㉗
「…はぁ~…先生……」
お姉様は心底意外そうな声で呟いた。
ずっと一緒だったボク達としては すずな姉ちゃんが教師という職に就いた事、選んだ事に違和感など無いのだけれど…傍から見ると違うのかな?
なんてったって すずな姉ちゃん教えるの上手かったし。ボクも桂ちゃんも すずな姉ちゃんに教わって成績上がったんだもん。実績があるんですよ実績が。え?なづな?…ん~…なづなって最初から成績は良かった気がするよ?教科書とか読むだけで八割方理解しちゃうタイプの人だからね。ああ、でも すずな姉ちゃんに解説してもらって理解を深める、みたいな事はしていたかも。
「勝手なイメージなんだけど…」
はい。
「起業とかして社長さんとかになってるんじゃないかって思ってたわ。」
起業!!!…そ…そうなんだ…へぇ~…
すずな姉ちゃんって、そんなイケイケな性格じゃないと思うのだけれど、それはあくまでボク達から見ての話だから…後輩さんの眼で見るとグイグイ引っ張って行くタイプに見えていたんだろうか?…見えてたんだろうなぁ。やり手の執行部って評判だったって話だし。
けれど、たぶん…起業の話を本人にしたら『ないない!』って大笑いしそうな気がするんだよね。向いているとか向いていないって事じゃあなくて、すずな姉ちゃんってパパに似て商売っ気がない感じの人だから。
ま、そんな事お姉様に態々言ったりしないけれど。
「でも、先生かぁ。似合いそう。」
確かに楽しそうではありますね。
生き生きしてますもの。
ボクがそう答えるとお姉様は目を細め『きっとモテているんでしょうねぇ…』なんて言ってクスクスと笑ってから、少し視線を上げて懐かしそうな顔をした。




