ほわいどんちゅーだんす㉕
短いですが
…一年ぶり…に
こっそり…。
「〜〜〜〜…!!!」
なづな が自分の顔を覆い隠しながら、そっぽを向いて声にならない呻き声をあげている。
…自分で言っておいてなんだが…『声にならない呻き声』って変な言葉だね?
いやまぁ他に表現を思いつかなかったんで、ニュアンスで感じ取って頂けるとありがたいです。
はい。
…で、まぁ、ボクはといえば なづな が何故こんなんなっているのかが理解らず、内心わたわたしているのだけれど…いや、だって、だってさ!?今の会話の中に照れちゃう様な言葉なんてあった?!
無かったでしょ?
…無かった、よ…ね?
気の効いた台詞なんて吐けなかったし、カッコ良くも無かったし、それどころかツンデレ風味な間の抜けた受け応えになっちゃってたんだよ?
“笑わせる"のなら兎も角、“照れさせる”要素なんぞ微塵も含まれていないはずなんだけれど?!え、なに、どういう事?あれれ?!
と…とりあえず、だ。
なんだかよくわかんないけれど、ちょっと声をかけてみよう…
いや、なんて?なんて声をかければいいの?
カッコつけて『どうしたんだイ?』みたいに?
それとも戯けた感じで?
ちょっと揶揄う様な感じの方が良いか…?
…いや無いな…それは無い。
じゃ…じゃあ、どういう風に…!?
……ええい!ままよ!
普段通りに!うん、普段通りだな!
何事も無かったかの如く普段通りに!だ!
え〜…ぇえっとぉ…
あの……なじゅな?
…うおおぉい?!全然普段通りに言えてないじゃないかボク!?
声、裏返ってるし!
いや、だがしかし、このままでは何もわからないし、何も進まない!とりあえず…!とりあえずで良いんだ!声を掛けて反応をだね…
内心大パニックになりながらもそう思い直して、もう一度声を掛けようとした時、
「…待って…ちょっとだけ、ちょっとでいいから…」
え?
今、待ってって言った?
なんだかよくわからないけれど、待てと言うなら待つよ…?
肯定を示す為に こくり と小さく首を縦に振る。
「…ありがと」
なづな はそう言うと胸に手を当てて大きく深呼吸をふたつ、そして目を閉じて言い聞かせる様に何かを呟く。
残念ながらなんと言ったのかまではわからなかったけれど、これはあれかな?自己暗示的なヤツ。
前にちょっとだけやり方を聞いた事があったはずだけれど…えぇと、確か…思考を分散させて、通常じゃない自分を慰める役と普段通りの行動をする役で役割分担するとかなんとか…言っていた様な……並列思考の応用らしいのだけれど、ボクには何やらさっぱり理解出来なかったんだよな。
うん、そうだった。
「…そう…そうなんだよ…せり は偶に天然なんだから…
気にしちゃダメなんだって…わかってる、わかってる…… 」
なづな はモゴモゴと口の中で呟いているだけなので、はっきりとは聞き取れないのだけれど…
なんとなく…なんとなく、若干…若干ね?失礼な事を言われた気がする。
…まぁ、別にイイのだけれどね…。




