ほわいどんちゅーだんす⑮
「わ、私なんて、そんな、」
「いやいや凛蘭さんなら。」
「な、なづなさん…!」
「ね!せりもそう思うでしょう?!」
はい?!
え? ん? ごめん考え事してた。
なになに? 凛蘭さんなら如何とかなんとか聞こえた気がするけれど…なんて? もう一回言って?
「も〜…凛蘭さんなら競技ダンスのドレスもきっと似合うよって話!そう思わない? 」
競技ダンスのドレス?
あぁ、確かに。
ドレスって結構身体の線が出るもんね。凛蘭さんは比較的身長あるし手足も長くて形も綺麗、そしてなんといってもメリハリボディ!似合わない訳がない!
個人的にはズバーッと背中の開いたヤツとか着てほしい!
「ラテンのドレスみたいな、ね。」
そうそう。
肩とか背中とかバーンッて見えてるヤツ!カッコイイよね!自分で着るのはちょっとアレだけれど。
「あ、あの… 」
若干蚊帳の外になりつつあった凛蘭さんが挙手をする。
はい、凛蘭さん。どうぞ。
「ラテンのドレスって…他のと違うんですか? 」
「うん結構違う…っていうか変えている、って言った方が良いのかな? ぱっと見で一番違うのはスカートだね。」
「スカート? ですか? 」
そう、スカート。
例外はあるけれど、ほとんどの人が短いのだったり、ザックリとスリットが入っているのだったり…兎に角脚が見えてるのを着ているね。ラテンダンスはステップが速くて複雑だから、脚を動かし易い様にそうなったって聞いた事あるけれど…残念ながら本当かどうかは知らない。悪しからず。あしだけに。
…ごめん、面白くなかった…。
こほん。
なんにせよ、凛蘭さんは脚が綺麗だから凄く似合うと思うな。…いや肩から腕のラインも良いから是非オフショルダーで…それから…あ、いっそのことビキニトップで袖だけ付いているとか、どうだろう?
「…それ、既にベリーダンスの衣装だね。」
『いくらなんでもセクシー過ぎる』と、なづなが苦笑する。
え? あれ? そう?
「えっと、ベリーダンス、というのは…? 」
「え? ああ、ベリーダンスはね西アジア…え〜と、地中海の東側…だと理解りにくいかな… 」
いや、わざわざ回りくどい言い方しなくても、普通にエジプトとかアラブって言えば良いんじゃないかな?
「あ、そうだね。その辺りの古いダンス・スタイルの総称らしいよ。ん〜…見せた方が早いかな? 」
…は?!
見せた方が早いって、踊るの?!
ていうか踊れるの?!
え? いつの間に覚えたんだ?!
ちょっとお姉様!?
そう問い正そうとした瞬間、なづなは傍に置いてあったスマホを手に取り『 ベリーダンス 』と入力した。
…ですよねー。
「ほら、これこれ。これがベリーダンス。ね? 衣装がセクシーでしょ? 」
「こ、これはちょっと…着るのに勇気いりますね…。」
「お腹と腰の動きを魅せる為の衣装だからねぇ。まぁラテンダンスのドレスはもっと普通だよ。」
次に表示された画像は赤いワンショルダーの如何にも『ラテンダンス』といった雰囲気のドレスだ。この写真も褐色でスタイルの良いお姉さんが着ているのもあってか、情熱的というか躍動感たっぷりというか、若干露出は高めだが実に格好いい。
どうですか凛蘭さんに似合うと思いますが?
まぁ趣味とは違うかもだけれど。
「そうだねぇ…凛蘭さんの好みからはちょ~っとズレてるかな? 」
「い、いえ、確かに私、可愛いのが一番好きですけど…カッコイイのが嫌いな訳では、ないので… 」
ほほう?
では…!
「あ、でも、着たいかっていうと…その… 」
ですかぁ~…。
まぁそうだよねぇ。




