ほわいどんちゅーだんす⑫
加筆予定です…
小さなステップで2〜3個のステップを繰り返す凛蘭さんは、それなりに踊れている様に見える。
正直な感想を言わせて貰うのなら、いわゆる社交ダンス…パーティーなんかで踊るダンスであれば、このくらいのステップ幅で良いんだよね。
今日ボク達がやっている様なのは競技ダンスに限りなく近いから、動きも大きいしステップの幅も広い。全然知識のない人が見たら同じステップだとは思わないんじゃないかな?
たぶんだけれど、一般的には今 なづなと凛蘭さんが踊っている動きの方が『 社交ダンス 』だと認識されるんじゃないだろうか? 側から見たら寄り添って身体を揺らしているだけの様な…そんなステップ。
まぁ『 競技ダンス 』っていうのは魅せる事に特化してるから、ダンスパーティーのダンスとはちょ〜っと違うんだろうね。
そういえば、ダンスパーティーで目立ちたい人は競技ダンスみたいに踊ったりするってママが言ってたっけ。
斯く言うママは、卒業パーティーでめっちゃ踊って目立ち捲ったらしい。
…ふむ…凛蘭さん、ステップ幅を小さくしているから足元に注意が行き過ぎるって事は無くなっている様だが…それでも少しずつ腰が引けてきちゃってるみたいだなぁ… これはアレか? 身長差があるからか? それとも密着するのが恥ずかしいとか?
いや…先生とは組んでいたのだから、ある程度は平気なはずだよなぁ… ならやっぱり身長差で組み難いのか?
…うん、そこは如何ともしがたいので我慢して貰うとして、だ。凛蘭さん凛蘭さん、ちょっと姿勢が崩れてるよ、もっと腰をグッと!なづなに押し付けるつもりでグッと!
「グッと…こ、こうですか? 」
もうちょい…もうちょっと、こう…う〜…なんでそんなにジリジリと寄るかな? あのさ、今は恥ずかしいとか照れ臭いとかっていうのは一旦忘れてですね、思い切ってグッと!
「グ…グッと… 」
むぅ…動きながら修正するのはちょっと無理か…うん、わかった、ならば仕方ない。
はい!2人ともストップ!そのまま動かないで。
ボクのひと言でピタリと動きを止める なづなと凛蘭さん。素直ですね。まぁ、無理のない直立姿勢で止まっているからなんだろうけれど。
…では…。
なづなは そのまま動かないで。
凛ちょっとごめんねと、ひとこと断りを入れ、凛蘭さんの背中側から腰に両手を添える。
「ひゃあ?!」
あ、ごめん。
くすぐったかった?
「い、いえ、だ、大丈夫、です!」
そう? なら良いけれど…取り敢えず続けるね。
…添えたって言うより骨盤の直ぐ上を鷲掴みにしたって感じなので、少し驚かせてしまった様だ。が、しかし。こうしてしっかり掴まないと位置の調整が出来ないので、少々の事は我慢してほしい。大丈夫、すぐ終わるから。
ほら怖くない怖くない。
…どうでもいいけれど凛蘭さんウエスト細いな?!
こほん。
えっと、腰の位置はこのあたりで…そうそう、足ひとつ分ズレる感じで胸と胸を合わせるつもりで…あ、身長差あるからお腹と胸……
ベシッ!!!
あいたぁ!!
ちょっ…!蹴った?!
今蹴ったよね?!
膝から下だけ回して蹴ったよね?!
随分と器用な蹴り方したね?!
…じゃなくて!
ちょっと なづな?!
ボクは今、何故にお尻を蹴られたのかな?!
「そこまで低くないよ!? 」
お? おぉ…左様ですね。
これは失敬。
…確かにそこまでは差があるわけではないが、普通に立つと凛蘭さんの眼の辺りに なづなの頭頂部が来るぐらいだから…
13〜15cmくらいは違うのではなかろうか?
ボク達が平均よりちょっと…ちょっとね? …小さいとはいえ、だ、流石にパートナーである凛蘭さんとの間にこれだけ差があると、リーダーとしてはかなり小さいと言わざるを得ない。リーダーの方が大きいか、せめて同じくらいの方が見栄えが良いからね。…まぁ今は競技会という訳ではないから、気にしなくても良いっちゃ良いんだけれど。
立ち位置と立ち方を微調整した結果、先程よりも密着した形になった訳だが…少し背を反らせる様な姿勢に矯正された凛蘭さんのお胸がですね、なづなに届いているんですよ!
言ってる意味、理解ります?!背を反らしているのに2人の胸部に隙間が出来ないんだよ?!凄くない?!
いや、色々と大きいっていうのは着替えた時に認識していましたけれど、普段が猫背で俯きがちだったからギャップが凄くて…なんか想像以上でびっくりした。
ふぅむ…ボリュームで言ったら小梅さんと良い勝負なんじゃなかろうか…?
……いやいやいや!母性の象徴の話はどうでもいいんだよ!確かに興味はあるけれども、今はホールドとステップの話をしてるんだからさ!そっちに注力すべきでしょう?!
よし、切り替え切り替え。
「どう? ちゃんと立ててる? 」
…うん。ばっちり。
とても綺麗な形を保っていると思う。
そのままでもう一回やってみようか。
「ん。じゃ凛蘭さん、いくよ? 」
「は、はい。」
「…さん、しっ、」
すい〜、すい〜、と滑らかにステップを踏む2人の姿は、姿勢が良くなった所為か先程までと随分と違う…気がする。
心なしか動きも大きく堂々として、ステップ幅も広がって…いや、これ、なづなが少しずつ気付かれない程度に広げてるのだろうか? むぅ、なんかそれっぽい。
…これはまた…器用な事するなぁ…。
「はーい、ストップ。」
4つ程のステップを何回か繰り返したところで、なづなが動きを止めた。動いていたのは時間にして2分程度なのだが、凛蘭さんは既にじっとりと汗をかいている。
まぁ姿勢もキツかったろうし、普段使わない筋肉を総動員している訳だからね。汗もかこうってもんさ。そもそも目的がダイエットなのだから、汗かかなかったら意味ないし。
「凛蘭さん凄いね。足元気にしなくなってたじゃない。」
「え? あ、そうですね…でもそれは、歩幅が狭かったからだと思いますけど。」
「最初より随分広げてたんだよ? 」
「そ、そうなんですか? 」
そうなんですよ。少しずつ広げて、最終的には1.3倍くらいになってたんじゃないかな? ちゃんと大きな動きになっていたよ?
「ぜ、全然気付きませんでした…。」
うん、それは なづなのリードが上手だったんだと思う。身体のの傾け方とか勢いの付け方とか…いろいろあるんだろうけれど、うま〜く誘導していたんだよ。たぶん。
「そんな事出来るんですか?!」
「あ、いや、別にそんな…大層な事をしてた訳じゃ…ちょっと せり!変な持ち上げ方しないで?!」
えぇ?!
事実と予想を口にしただけなのに!
何故か叱られた?!
解せぬ!
17:20
加筆しました。




