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すいんぐばい⑦

加筆予定です…。

「おお!やるぅ!」


「せりさん凄い凄い!」


なづなもニコニコしながら拍手してくれている。

あ、ありがとう?

で、でもですね、感心してくれているところ大変恐縮ではございますが、狙い通りでなかったんですぅ。ほとんど偶然なんです!10番ピンなんてクルクル回ってて倒れるかどうか分からなかったし、下手したら立ったままになっててかもじゃない? いやまぁ最終的に倒れてくれたのでストライクは取れたんですけれどね?


「驚いたわ。なづなさんも せりさんも、こんなに上手だなんて。」


お褒めいただけるのは嬉しいんですが、今のはホント偶然でね?

もうちょっとこう、思い通りに身体を動かせていれば、あんな微妙な倒れ方はしなかったと思うんですよ。そ、そりゃね。いつも理想通りに身体を操作出来る訳じゃないのは理解しているけれど、1投目くらいはイケるかなと思ってたからさぁ…ちょ〜っと納得いかないっていうか…あ、でもストライク取れたのは嬉しいよ? 褒められるのが微妙な気分ってだけでね?


「あっはっは、ごめんねぇ小梅さん。この子ってば完璧主義って言うの? 入れ込むと妙に拘るんだよね、完成度とか諸々。しかも なづなと一緒でさ、妥協点が高いのよ。 」


「あ、うん、それは理解(わか)る。」


理解(わか)られた?!

や、確かに拘りの強い方だとは思うけれども、別に完璧主義って訳じゃないよ?!むしろ『こんなもんでいいかぁ』って思う事の方が多いんじゃないかな?!


「それは()()()()()()()()でしょうが。思い入れがあると、かな〜り拘るじゃない。あの()()()()()()みたいにさ。」


うぐぅ!?

い、痛いところをっ!反論しづらい!

そ、そうだ なづなは?!今の話、何気に なづなにも飛び火していたけれど、どう思われますか、お姉様?!

…って、耳の穴に指ィ突っ込んで聞いてないフリしてるし!


「前は()()()()じゃなかったんだけどねぇ。いつの間にか()()()()()()()()()()のよ。」


“こんなんなっちゃった”って言い様(いいざま)がヒドイ!


「…こんなんなっちゃったのね…。」


こっ…!こここ小梅さんまで?!

そもそも“こんなん”って、()()()()なんだよぅ!?


「えっと、いいかな? 」


さっきまで耳を塞いでいた なづなが、耳を塞いだポーズのまま、ほんのちょっとだけ耳から指を離した格好で発言を求めてきた。

それに対して桂ちゃんが、ピッと掌を上に向けた頂戴のポーズで応える。

なんか…さっきも見たなこのポーズ。気に入ってるのかな?


「はいどうぞ、なづなさん。」


「…いや、そろそろ次、投げないのかな…って。」


「「あ。」」


『あ。』って。

…ボクも二人の事は言えないか…なんか話に夢中になって忘れてたけれど、そうだよ次は小梅さんの番じゃん。2ゲーム目もやるつもりならば、サクサクやらないと混んできちゃうかもしれないし、混んできちゃうと事前予約がない場合だと継続できなかったりするからね。

…ボクは1ゲームで離脱して観客になる予定なのだけれど。


「そ、そうよね、私の番よね。」


あわあわと立ち上がってボールを取りにゆく小梅さんと、入れ替わる様にボクが席に着く。席は空いてるんだから喋っている間に適当に座ればよかったのだけれど…なんか忘れてた。



「さてさて、小梅さんの腕前は如何程いかほどのモノでしょうかね。」


また桂ちゃんてば、そういう微妙に上から目線で…

結構自信ありそうだったし、1投目だからね。当たり前みたいに8〜9本…いや、ストライク取ってくるかもよ?


「…マジ?」


いや、わかんないけれど。

たださ、わざわざ一緒に行きたいって言うくらいなんだよ? 普通に考えたら、かなり好きなんじゃないか…って思うでしょう?

こういうのが好きな人って、それなりに上手いと思うんだよ。そりゃあ、野球好きな人が全員野球上手い訳じゃないとか、昔やってたけれど今は全然とか、他にも『出来ないけれど好き』みたいな例外はあるよ? ボクだってゲームは好きだけれど下手クソだしね。


「…私達のダンスも、そうだもんねぇ。」


おぐぅ!

そ…そうだね、い…いい例えだネ。

ダメージが凄いけれどネ。

ま、まぁ、小梅さんの言動からすると、そういう『下手の横好き』だとは思えないんだ。


「なるほどぉ…お、投げるよ。」


立つ位置が随分と右側だ。

という事はフックさせるのかな?

それとも斜めに真っ直ぐ?

小梅さんは、ゆったりとした動きで一歩目を踏み出すと、同時にボールを持つ腕を大きく後方へ振り上げ、頂点から振り子の様に前へと振り抜く。

振り上げた時のボールの位置が凄く高い!

それでもリリースは投げると言うよりも、そっとレーンに置きにゆく様で、接地したボールは振られた腕のスピードそのままにレーン上を滑っていく。

しかもかなりのスピードだ。

あ、これ、もしかしたらボクより球速が速いんじゃないか? 自慢じゃないが投球スピードにはかなり自信あったんだが…凄いな小梅さん!


「あ、手首回したね。」


なんと?!なづな、よく見てるな?!

確かにあの球速だと普通の回転じゃ曲がり切らないと思うけれど…なるほど、手首返して回転を上げたのか。

実際ボールはレーンの中央付近から急激に弧を描き、1番と3番のピンの隙間に吸い込まれる様に転がって行き…


バガァーーーーン!!!!!


今日一大きな衝撃音と共に、キチンと整列していた10本のピンが花火の如く四方八方に飛び散り、天井のモニターに七色の星が煌めいた。

ボクの時みたいな微妙な倒れ方じゃない、文句なしのストライクだ。うん!完璧!

凄い!すごい!


「うわぁ!小梅さんスゴイ!こんなに上手だったの!? 」


振り向いた小梅さんは少しホッとした表情ではあったが、グイッとガッツポーズをとって見せた。










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