表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
179/247

あるお姉さまの独り言

番外編です。









あら、ごきげんよう。

どう? 新しい学校には慣れたかしら?

慣れた? そ。それは良かったわ。

で? どうしたの今日は。

え? 特に用事はないけれどネタを拾いに来た?

なにそれ…あ、もしかして新聞部に入ったの?

なんでまた…ああ、カメラやりたいからか。そっか、そうだった。写真部って新聞部に吸収されちゃったのよね。


けどネタと言われても…う〜ん…じゃあ、ここのところ噂になっている中等部の白い双子の話をしましょうか。知ってる? あら知っているの? まぁちょっとした有名人だものね。見た事は? 遠巻きにならある? それはそうよねぇ、高等部ともなればいくら同じ敷地内と言えど中等部の子とがっつり関わる機会なんて…部活か委員会くらいしかないもの。相手が何方(どちら)もやっていないとなれば接点なんて…ね。


私自身もね、つい最近まで実際に見た事はほとんど無かったのだけれど…まるでお人形の様な容姿をしていてとても目立つ子達だとは思っていたのよ。

ああ、『ほとんど』というのは自分から見に行った事が無いという意味よ。だから目撃したこと自体は当然あるわ。校内行事や全校集会等がありますからね。あの髪の色は此方がわざわざ探す必要もなく目に入るのよ。チラッとだけど、まぁ目を引くわね。

それでも流石に『一度も見た事が無いとは言えない』って程度ね。


まぁ私は高等部だし部活動も真剣にやっているほうじゃないので、中等部の子との接点は皆無と言っても良い。ごく一部を除いてね。だから下の子達の情報なんて余程の事がない限り聞く事はなかったのよ。

つまり。

あの双子ちゃんは“余程の事”だったってわけ。

ガンガン耳に入ってきたもの。


今年、高等部からの入学だと知らないのも無理ないけど、去年あの子達が中等部に入学してからというもの、一部の子達の間でとても話題になっていたのよ。主に運動部…というか陸上部の子達の間で。

なんでも、初等部の頃に陸上競技のいくつかで学年別の全国記録を叩き出したとか、非公式だけどタイ記録だったとか…兎に角身体能力がとんでもないとか、そんな事を言っていた気がするわ。

嘘っぽい? そう思うわよね。それがね、全部事実らしいのよ。なんの誇張もなく全て。

でね、当然中高問わず陸上部の部員達が勧誘に行ったわけ。ところが当の本人達は部活動に入る気は全く無かったらしくて、勧誘は悉くお断りされたみたい。そんな凄い運動能力があるならやれば良いのにと思ったものよ。私なら天狗になっちゃって自慢しまくるわね、きっと。



まぁ…後々聞いた話なのだけど部活動に参加しなかったのにも()()()()理由があって、あの子たち生まれつき色素が薄い所為で日差しに弱いんですって。直接聞いた子の話だと、あまり長時間強い日差しに当たっていると、日焼けではなく火傷になっちゃうので屋外のスポーツは…って言われたそうよ?

そうなると気になるのは普段の授業よね。運動会とかはまぁ…日傘や日焼け止めなんかで対応出来るとしても…水泳の授業とかどうしてたのかしら? ずっと見学だったとか? 

もしかして…泳げなかったりするのかしらね?


そんなこんなで肌が弱いって話が広まってからは一旦は双子の話題も落ち着いたのよ。

ところが。

次は球技大会で話題になっててね。

確かバスケットボールで3ポイントシュートを決めまくっただのソフトボールで打率8割だっただのと…これまた嘘みたいな話が流れて来て、今度は球技系の運動部がこぞって勧誘に行ったらしいわ。

これも全部お断りされたみたいだけれどね。

この時は室内競技だった事もあってか『習い事をしているので』というのを理由にしていた様だけど、入れ替わり立ち替わり来る勧誘を断り続けるのはさぞ大変だったでしょうねぇ。

私だったらうんざりしそう。


で、その双子ちゃん。

新年度になって別のところから目をつけられたらしいのよ。

今度は部活ではなく委員会の方から。

これも聞いた話なのだけど、進級式の設営を手伝いに来て、その時に高等部三年生のお姉様方に気に入られたんですって。確かに容姿は整っているし身体能力も高く成績も優秀、それでいて謙虚で嫌味がなく素直で温順ていうのだから、おおよそ理想の後輩よね。そんなのがいたら可愛がっちゃうでしょ。


…なんかこうして羅列すると『実在するの? 』って言いたくなるわね…。


で、まぁ、設営に参加していた高等部のメンバーが連名で推薦したのだそうよ。執行部に。本人達も『やっても良い』と言っていたみたいだから、早晩執行部入りするのではないかしら。

というか…入ってもらわないと半年後にはとんでもない事になるのは目に見えている。なにしろ執行部の中等部生は現時点で決定的に人数が不足していて、人員の補充は急務なのだから。

…私が心配する事じゃないのだけどね。


…執行部といえば、歴代役員達って何故か綺麗な子が多いのよね。

あれ何なのかしら? 私が中等部に入った時からずっとよ? 初めて執行部のメンバーの顔を知った時は“顔で選んでるんじゃないか”って本気で疑ったもの…。今代だって美人美少女ばかりだし、例の双子ちゃんだって他のメンバーに勝るとも劣らない容姿でしょう? もうほんと、なんなのよアレ?

確かにね? 明之星(うち)って容姿の整った子が多いのは事実なのだけど、執行部の顔面偏差値の高さは異常よ?!

え? 役員が揃ってるの見た事ない?

…あなた始業式の時なにしてたの…?

朝礼台の脇に整列していたでしょう…

…見てなかった?

あ、そう…。

朝礼にはもう少し真面目に参加する事をお薦めするわ…。


…まぁいいわ…。

それでね、実は双子ちゃんの他にも執行部に入る予定の子がいるのだけれど、その子は自薦なんですって。

ええ、自分で売り込んできたって事ね。


先生方が言うにはその子も優秀だそうよ?

今は友人がその子の面倒をみているのだけれど、なかなか意欲的らしくてね、毎日放課後に訪ねて来るんですって。

まぁ私もちょくちょく顔を出しているけど、実務に関わる事から心構えまで、それはもう色々な事を教えてるみたい。私が教わる立場だったら脱走してるかもしれない…いや、だってお姑さんのお小言みたいなんだもの。事ある毎に繰り返し繰り返し同じ事を…よく嫌にならないものだと感心するわ…。

その子にも目的…目標かしらね? が有って、その為に必要だと思っているから真剣に聞いているんでしょう…けど、ねぇ。あのお姑さんみたいな話し方は改めてさせた方が良いかもしれないわね…。

自分を頼ってくれる後輩って存在が初めてだから、ちょっとはしゃいじゃってるポイし、その子が執行部入りしたら一緒に仕事をする事になるんだもの、煩いお姑さん認定される前にそれとなく注意しておこうかしら。

…そうね、それが良さそう。


え?

その子と双子ちゃんの関係?

…さぁ? 私は知らないけれど…?

あ〜…でも、少なくとも双子ちゃんを意識しているのは間違いないわよ? ライバル視してるって風でもなかったけど…気にはしてる? みたいな感じね。ほらアレじゃない? 強敵と書いて友と読む、みたいな。

一目置かれたい、並び立ちたいってヤツ。

わかんないけど。


その子に関してはねぇ…私はまだそれほど絡んでいないから確かな事は言えないけれど、少なくとも悪い子じゃあないわね。真面目だし熱心だし、まぁ少し勝ち気なところはあるけれど、それもリーダーとしては必要な資質ではあるからね、良いんじゃないかしら。

ほら、双子ちゃんって押しが弱そうじゃない? 強引に進めるってタイプじゃなさそうでしょ? だからね、同じ世代にタイプの違う子がいるのは良い事なのよ。

執行部にいる今の中等部三年生の二人、知ってる?

そうそう、百合沢セリナと百合沢アスカ。あの二人も全然タイプが違うのよ。かたやノリと勢いでガンガン行くタイプ。かたや冷静に淡々と物事を進めるタイプ。

全然違うのに衝突する事なんて殆ど無いのよ? 不思議なものよねぇ。


ん? その子はいつ執行部に入るのかって?

ん〜…いつなのかしら?

その辺は聞いてなかったわ。

いずれにせよ双子ちゃん達の世代が入って来れば、ちょっとは楽になるんじゃないかしらね。


……友達思いなんですね…って、何が?

執行部の御友人の心配をしてるから…? え? なんの事? 私は“私が楽になる"って言ったのよ?

双子達が執行部に入る事と私が楽になる事が結びつかない…って…ちょっと、失礼ね。私も執行部役員なのだけれど?

私だって仕事はしてるんだから、今より人数が増えれば負担は減るでしょうが。そりゃ確かに現メンバーでは一番ちゃらんぽらんな性格だとは思うけど、居ない者扱いはあんまりじゃないかしら?!

え? そうじゃない? じゃあどういう…あ。

……ちょっとまって、もしかして知らないで話してたの?

私が生徒会役員だって事を?

…嘘でしょ? 

前に会った時に言ったわよね?

…言ってない?

あら…? そうだったかしら…?

……

…………

………………

ま、まぁ、それはどうでも良いわ。うん。


あ…っと、もうこんな時間なのね。

私そろそろ行かないと。

何処にって、部活よ部活。

ん?

執行部なのに部活もやっているのかって?

あぁ、うん、そう。籍を置くのは自由だからね。

部活だって兼部してる子もいるわよ? まぁ体育会系の兼部は流石に難しいでしょうけど、文化部だったらね。家庭科部と理学部、みたいな活動がバッティングしない部だったらいけそうでしょ?

やる気のある子はね、そんな事もするのよ。

私?

私は、なんとなく?

…特に理由は無かったわねぇ。


…さて、じゃあちょっと気合い入れて行きますか。

ふふ、これつけるとね、気合いが入るのよ。

やるぞー!ってね。

とは言っても、久々だから練習についていけなさそうな気がするけれど…ま、ほどほどに頑張ってくるわ。え、なに? 何部かって? …このカッコ見てわからない? わからない…あぁそう…。


…なんか全然、ネタになる様な話出来なかったわね、ごめんなさい。まぁ近々新歓祭もある事だし、そっちの方なら話題もあるんじゃないかしら? 出し物するクラスとか当たってみたらどう?

ええ、そうしなさい。

じゃ、私行くわね。


「お姉さま!」


ん〜?


「ヘアバンド、お似合いです!」


あら、ありがとう。

ふふふ。コレお気に入りなのよ。


では改めて


ごきげんよう。

またね。













正直申しますと…最近、上手に会話や状況が転がってくれなくて、少々詰まり気味でありまして…一度番外編で気持ちを切り替えようとこの話を書きましたました。



P.M.14:15

加筆修正致しました。

本日はこれにて終了です。


P.M.18:10

言い回し等、若干の修正。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ