あふたーすくーるあくてぃびてぃ㊳
…またしても加筆予定でございます…
「小梅さんごめん、遅くなっちゃって。」
「いいよ〜…全然する事無くって暇だっただけだから…。」
ごめんて。
ご機嫌ナナメというよりはお疲れの様子。
待ち疲れというやつだろうか。
加藤 小梅さん
初等部の頃に何度か同じクラスになった事のある子で、少しおっとりした光さんとは別の意味で母性的なお嬢さんだ。
どういう意味かって? …え〜と、包容力がありそうなのは光さんと同じなのだけれど、雰囲気がとか纏う空気感がって事じゃなくて…つまり…その、物理的に?
ちょっと肉付きが良くて柔らかそう…みたいな?
まぁそんな感じです。
「で、どう? やっぱり部活中の部員が写り込むのはNGなんだよね? 休憩中に走ってもらう感じ? 」
「そうねぇ…ユニフォームでも着ていてくれれば陸上部の子ってわかるんだけど…ジャージじゃねぇ。」
むう確かに。けれど普段からあんな水着みたいなユニフォームを着て練習してるわけじゃないし、よしんばあのカッコで練習していたとしても新入生には『水泳部? 』とか思われそうだ。一発で陸上部だとわかるのは…そうだなぁ…例えば走り高跳びとかハードルなんかだったら直ぐに“陸上だ”って判別出来るよね。
まぁ残念ながら現在ボクらが狙っているのは短距離走の子なので、それらしい写真を撮るのがなかなかに大変そうなのだが。
しかし、しかしだ。現在ある素材を活かさなければ仕方ない。
「クラウチングスタートで跳び出した瞬間とか見栄えがする様に思うけれど…撮るの難しいかなぁ? 」
「ちゃんとしたカメラなら連写するとか出来るでしょうけど、スマホのカメラだと難しいんじゃないかしら…。」
う~ん。確かに連写があれば楽なのだけれどボクのスマホカメラにはそんな機能は付いていない…いなかったと思う。いなかったはず…あれ? どうだっけ? ちょっと心配になってきた…確認しとこう。
ええと…うん、なさそうだ。
よかった、やっぱりなかったか。
あ、いや、よくはない。あった方が良かったんだって。
あれば全部解決だったのに。
「動画で撮って編集してもらうのが一番早いかしら…。」
手っ取り早いのはその方法なんだろう。たぶん。
あくまでボク達的にはだけれど。
でもそれだと編集をする椿さん達の手間が増えるだけなんだよなぁ。後々の手間を省くのなら、今一寸だけ苦労しても良いんじゃないか…なんて思ったりもするんだよねぇ。
苦労するって言ってもやる事はシャッター押すだけだし…何度かチャレンジしてタイミングさえ掴めればなんとかなるでしょ。走る子には申し訳ないけれど…まぁそこはクラスの為って事で。
「一応手動で頑張ってみるよ。上手く撮れれば上々、失敗してもご愛嬌。最悪ポートレート風でも良いんだからさ。」
「…それはそうね。」
もちろんカッコよく撮れた方が良いに決まってるのだけど、然う然う上手くいくとは思えない。思えないが…やってみもしないで諦めるってのもね。もしかしたら凄く良いのが撮れるかもしれないし?
それにしても……
「なんか、スタートの練習しかしてなくない? 」
「そうね。でも随分と陸上部らしい練習風景になったのよ? 」
「そうなの? 」
「ええ、最初はずぅ〜っとストレッチしていたし、せりさん達が来る直前迄はグラウンドをひたすら走っていただけだったもの。他の部活と見分けつかなかたくらいよ。」
あぁ…まぁ運動部だからね。
怪我の防止の為に身体をほぐすのは必須だもの、そこに時間をかけるのは仕方ない。自分も一緒にやっているなら兎も角、見ているだけだと飽きるというのも理解らんでもないが。
「そっか。じゃあここから先の練習メニューから見栄えのしそうなのを選んで、休憩中にそれを再現してもらうって方向かな。出来れば撮りやすいのが理想だけれど。」
「…なるほど。そうね、それで行きましょう。」
一応方向は決したので、後は観察をしつつ休憩に入るのを待つだけなのだが…いやぁこれがまた、一向に休憩を取る素振りすら見えないんだよ。
桂ちゃん達の庭球部はサクッと休憩してたのになぁ…そりゃあね、部によってやり方が違うのは理解出来るけれど、ここまで休憩しないものだとは…。
「全然終わらないわね…。」
「思った以上に皆やる気満々だね? 大会とか近いのかな…? 」
「こんな時期に? いくら何でも早すぎない? せいぜい五月の連休辺りにならないとそういうのは始まらないと思うけど…。」
だよねぇ。
ボクは部活やっていないから、その手の大会やら競技会ってのとは直接は縁のない生活を送っている訳だけれど…周りにね、桂ちゃんみたいな部活っ子もいるし、すずな姉ちゃんが明之星の生徒だった頃は全国大会常連だった事もあって中学高校の大会がどの時期に集中するかはある程度知っているつもり…なんだけれど、新学期早々に大会があるなどとは終ぞ聞いた事がない。
ならば何故にこれ程気合を入れて練習しているのだろうか…?
「それなら大会が近いってのが理由よ。」
うおぉ?!びっくりした!
またしても、またしても背後を取られた!
右後方から声をかけられた所為で、危うく左横に立っている小梅さんに倒れ込むとこだった!
…あの下着談義の影響でクラスメイトのお胸が少々気になっていて、『このまま倒れ込んだら小梅さんの柔さを確認出来るかなぁ』なんて考えが過ぎったのは絶対ナイショです…!




