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あくしでんと③

すいません、また途中までです。

日中更新致します。

「ねね、赤池さんもどう?ファッションショー!」


「え!?私も?!」


おっと、桂ちゃんの参加者勧誘が始まったぞ?

あ~…がんばれ赤池さん。

もちろん断ったっていいんだからね?

くけけ。

……えふん。


そういや全然気にしていなかった…というか、いつも通りの言動すぎて全く違和感を覚える暇もなかったのだけれど、桂ちゃん上半身下着じゃん…。パステルイエローの…あ、入学式の時に履いてたのと同じ色?なるほど上下揃い…って、そりゃそうか普通セットで買うもんね。

って事は今日は上下イエローか。

焼けた肌と焼けてない肌のコントラストに淡い色の肌着が実に映える。

桂ちゃんはパステルカラー好きだよなぁ。

うん、可愛い可愛い。

けれど、あの格好で歩き回るのは少々()()()()()のでは?

…すいませんボクも人の事はいえませんね。

そして、こっちも気付いていなかった事だけれど、満さん、いつの間にやら剥かれてました。…まぁ剥いたのは十中八九(じゅっちゅうはっく)桂ちゃんだよな、うん。

体の前は脱いだ体操服で一生懸命隠しているけれど背中側は丸見えです。

そういえば満さんのはちょっと変わってるというか…なんかピッタリしたタンクトップみたいな形してるな?ボク達が着てるスポーツタイプとは随分違うけれど、あれもスポーツタイプなのだろうか?いや、あんまりサポート性は無さそう?

あと色!ミントグリーンなの!すっごい爽やかな色!ただ夏服の白い薄手のセーラー服の時は着けられなそうだなぁとは思う。超透けそう。

ふぅむ、桂ちゃんと並んでるからか凄く白く見えるなぁ。実際白いんだろうけれど…同じ元気っ子カテゴリーでもインドアとアウトドアでこんなに違うんだね。

しかし、なるほど。こんな風に見てみるといろんな形や色があるモノだと改めて思う。体型や肌の色合いで同じ物を身に()けても全く印象が違って見えるんじゃないのだろうか?

例えば…ボクと なづなもお揃いの物を身に着けているけれど、髪の長さひとつで なづなの方がよりスポーティに感じるかもしれないし、逆の印象を持ったりするのかもしれない。

まぁ、基本的には人に見せるものではないと思うけれど。

…ん?…その割には可愛いかったり魅惑的だったりするよね?

…何故だ?


…うん、それはそうと…椿さん。


「え?はい?!」


堪能出来ましたか?


「…っあ!すっ!すす、すいません!」


椿さんってばさ、ボクが桂ちゃんや彩葵子さんと話してる間ず~っと背中を撫でてたんだよね。あ、背中を直接って事じゃなくて背中側のストラップ部分をね、さわさわ~って。たぶん無意識に。

少なくとも桂ちゃんと話している間は、ボク達の話を凛蘭さんと沙羅さんと同じ様に聞いていたはずだから、手だけが自動的に動いていたんじゃないかな?

ほら、電話してるときとか無意識のうちに落書きしてたりするじゃない?あんな感じでさ。

…まぁ他人の背中を撫で回すってのは、無意識だろうが意識的だろうがちょっとどうかなぁ…と思わなくもないけれど…そこはほら、お友達だし?ボクもスキンシップ過多な方なんでね?あんまり言えた義理じゃないかなって。


指摘されて初めて気付いたであろう椿さんの行動がまた、凄く漫画チックというか、台本がありそうな動きでさ、思わず笑っちゃった。

どんな感じだったかって?えっとね、ボクが指摘した直後は何を言われたのか解らないみたいな顔をしててね、ほんの一拍置いてから自分の腕を視線で追っていって、そこで初めてボクの背中を撫でている自分に気付いた…って感じだったよ。

気付いた後も背中から手が離れなくてさ、ふわぁ〜って顔が赤くなっていちゃんだけれど、あんなにハッキリと変わるものかって関心するくらい劇的な変化でさ。手を離す時も手を引くんじゃなくって体ごと後ろにピョンって下がっちゃって。

一連の動きがとっても漫画っぽかったんだ。

そんなに焦らなくても良いのにねぇ。まぁ照れているというか、恐縮している椿さんも可愛らしいのでボク的にはOKでした。


そんな事が有りつつ、そろそろ着替えようかと振り返りかけた…と、そのあたりで少し違和感を感じ、再度、椿さん達に目を向けたんだ…そうしたら…


ポタリ


…椿さんの体操服の胸元に何かが落ちるのが見えた。

その落ちた“何か“が体操服の上で丸い滲みを作る。


赤い…


血……血?!


椿さん!!

え?!どうしたのそれ!?え?


ボクの声にキョトンとしていた椿さんが、自分の胸元を見て目を丸くしたと同時に、ポタポタと体操服に滲みが増えていく。

鼻血…?

椿さん!鼻血出てる!

え?!あれ?!ボクぶつかったりしなかったよね?!

椿さんは椿さんで、慌てて鼻の下を手でグイッと拭ったんだけれど、流れ続ける血を拭い切れるはずも無く、頬の方に血の跡が広がるだけで、余計に痛々しく見える様になってしまって…。

え、えと、鼻血の時ってどうするんだっけ…?

頭は下げちゃダメなんだよね?上を向く…と、気道に血が入るかもしれないから、コレもダメで、えと、鼻骨の上を押さえるんだっけ?それとも小鼻だったかしら…?あれ…あれ?


「せり!落ち着いて、冷やす物。」


なづながボクの背をポンと叩いて横をすり抜け、椿さんに歩み寄り、ゆっくりとした口調で指示を出す。


「椿さん、鼻を(つま)んで、真っ直ぐ前を見て。血が口の中に溜まったら呑まずに吐き出して。いい?飲んじゃダメだよ?」


「ほら、せり。ぼーっとしてないで。ハンカチ持ってる?」


あ…、うん持ってる。濡らしてくる!

ボクは慌てて教室を飛び出し、廊下の流し台へと走った。

…あぁ情け無い、あんな血を見た程度で何をするべきか、どう対処すれば良いのか、そんな事もわからなくなっちゃうなんて…。

なづなが声を掛けてくれなかったら全然動けずに…もしかしたら、まだ立ちすくんでいたかもしれない…。


ハンカチと、ついでにポケットに入っていたハンドタオルを濡らして教室へと戻る。廊下にいた他のクラスの子が何やらギョッとしていた様だが、今は少々急を要する事態なので廊下の全力ダッシュくらいは大目に見て下さい。はいごめんなさいね、ちょっと通りますよ。


「ごめん、なづな、お待たせ。はい濡れタオルとハンカチ。」


「ん、大丈夫。ありがと。」


ボクが教室に戻ると、椿さんを取り囲む様にしていたクラスメイト達が道を開けてくれた。

ハンカチで鼻を押さえさせ、ハンドタオルで顔に付いた血を拭い、改めて顔を見ると…少し血の気が引いている様に見える。出血した事で気分が悪くなったのか…いや、元々貧血気味だったのかもしれない。

いずれにせよ、出血が落ち着いたら保健室へ連れて行った方が良いだろうな。正しい対処は専門の人に任せた方が良いに決まってるし、我がクラスの保健委員は現在時点で保健室でお仕事中につき不在ですからね。


「いえ、そこまでしなくても… 」


「駄目だよ椿さん。こういうのはちゃんと対処しないと。」


そうそう、ボク達のやり方が間違っている可能性だってあるんだから。っていうか間違ってる可能性が高い。なら、ちゃんと診てもらった方がいいに決まってるもん。という訳で後ほど保健室へ強制連行ですから。


「わかり、ました。」


素直でよろしい。

しかし…やっぱり少し顔色が良くないな…朝はこんなんじゃなかったと思うけれど…。


「さ、みんな。椿さんは大丈夫だから着替えてしまいましょう。間もなく先生も来るはずだから。」


パン、と手を打って彩葵子さんが皆に呼び掛けると、ざわざわしながらも自分の席へと戻ってゆくクラスメイト達。

おぉ、流石は委員長。


「なづなさん、せりさんも着替えて。椿さんには私が付いているから。」


「うん、ありがとう。そうさせてもらう、ね。」


そうだね、そうさせてもらおう。

沙羅さんに凛蘭さんも、ごめんねビックリしたよね?


「いえ、私達は別に…ね?凛蘭さん…凛蘭さん?!」


沙羅さんの声に焦りが混じるので何事かと凛蘭さんを見上げると…蒼白という言葉がぴったりと当て嵌まる様な顔色をして、カタカタと震えているじゃないですか?!

凛蘭さん!?凛蘭さん、どうしたの?!あ…()()()()()()()()()!?


瞬間。



凛蘭さんが、膝から崩れ落ちた。




PM21:45

ようやく、目標地点まで書けました…

次話は29日01:00予定です。



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