るーてぃんちぇっくあっぷ②
こんなにぷりんぷりんだったのか。
あ~…そうかぁ。そうだよなぁ。
ほとんど毎日なづなの身体を見てたのに何故気付かなかったんだろう…
考えてみれば…いや、考えるまでもなく原因はこれだよなぁ。あぁいや、たぶんオシリも…なんだろうなぁ
そっかそっか…日々少しづつ、本人すら気付かない程ゆっくりと成長していたから、身体はそれを変化として受け止めていなかった訳だ。
体重増の理由はこれかぁ。体型が変わった自覚はあったけれど、それに伴って体重も変わっている意識はなかったなぁ…。毎日なづなを見ていて変化を認識しているのに、自分の身体が同じように変化しているという感覚が希薄だったんだ。体型が変わった事を知っていても、自身の解釈と事実の間に齟齬があった、というところだろうか。
それにしても…
改めて自分の身体を見下ろしてみると…
育ってるな。確かに育っている。
そういや、すずな姉ちゃんも言ってたっけ。
「私は去年の せりさんの体型を知らないけど、結構変わってるんじゃないの?」
変わってます。少なくとも去年の今頃は平坦人間ペターンだったもん。
「平坦人間…?」
すいません気にしないで下さい。
戯言です。
「何を気にするなって?」
あぁ、なづな、光さん。いや大した事じゃないよ。
それよりどうだった?伸びてた?増えてた?
「伸びてたし増えてたよ。せりもでしょ?」
そう言いながらボクに差し出すした用紙には、ボクの用紙に書いてある数字とほぼ同じ数字が記されていた。身長はピッタリ同じ、体重はグラム単位が違うもののほとんど変わらない。この差って筋量の差じゃないかな?なづなの方が筋肉量が多い気がするんだよね。なんとなくだけれど。
「ん〜…私の方がちょっと重い…。」
「そんなの誤差でしょ。」
「そうよ、飲み物一本分も無いもの。」
それはたぶんボクの鍛え方が なづなに及んでいないからだと思う。筋肉の重さの分、ボクより少し重いだけじゃないかな?ボクがちょっと筋トレしたらすぐに並ぶくらいの差だよ。
だんだんと待ちの人数が増えてくると、ざわめきも増してくるのも仕方ない。が、聴こえて来る会話がみんな体重の話ばかり。やれ何kg太っただの、もっと痩せたいだのと…キミ達は今のままでも充分可愛いんだから、無理に痩せなくたって良いんだよ!寧ろもっと食え!
…などと思ってしまうのは以前でちょっとした事があったからなんだけれど…まぁこれは現世の子達には関係ない事なんで言わない。
ボクも体重気にしてただろうって?違うよ?
ボクが気にしてたのは身長。
体重が平均値なのに、身長が平均に届いてないから納得いかないって言ったんだよ。あんだーすたん?
「鈴代さーん。視力検査どうぞ〜。」
あ、はい!
毎度の如く用紙を保健委員の子に渡してブースに入る。…はい終了、ボクの場合は一瞬だ。なんてったって全部見えるからね。両眼2.0は伊達じゃないんですよ。
それが済んだら心拍測って目の検査して扁桃腺やら覗かれて…そんなもんだっけ?意外とアレだね、一度流れが出来ちゃえばスルスルと進んじゃうもので一番混雑しているのが視力検査になってしまっている。
因みに今は菫さんが聴診器当てられているとこです。
さすがに初等部の頃みたいに体操服をべろんと捲って素肌を出すような事はしていないけれど、服の下に聴診器というか手を突っ込まれてちょっと恥ずかしそうだった。お医者様…女医さんなのだけれど、先生にも言われていた言葉が原因なんだけれどね。
なんて言われていたかったって?ああ、それは『あなた…もうブラはちゃんと着けないと駄目よ。』って。もちろんボクも同意見だ。
で、ボクの番。
ボクはちゃんと着けているからね、体操服の一枚や二枚捲ったところで如何って事はない。…んだけど…実はボクも言われちゃったんだ…スポーツタイプじゃなくて、ちゃんとしたのを着けなさい、って。むぅ…。
去年ちょっと膨らみだしてから、ずっとこのタイプで不都合がなかったから着けていたんだけれど…そろそろ考えなきゃダメかぁ。
なづなも同じ事言われるだろうし、近い内にお買い物かな?
ま、それ以外は何も異状なく終了しました。
すこぶる健康体だそうですよ。ちょっと背が低いのを除けばね!
「はい、せりちゃん。健康優良児ですね~。」
「やった♪ありがと、柚ちゃん。」
お医者様の横でボクの用紙に記入してくれていた、柚ちゃんこと野中柚子
さんから用紙を受け取り挨拶を交わす。あとは、この用紙を保健室を退出する際に提出用のBOXに入れていけば定期検診は終了だ。
とりあえず今回の定期検診でわかった事は、おニューも下着は買いに行かなきゃいけないって事と、それが必要なのは最低三人いるって事。
…うん、どうでも良かったね。
「せり~…やっぱり言われた?…ブラ… 」
…なづなも言われたかぁ。思った通りだけれど。
「言われた言われた、ちゃんと支えないと靭帯が切れちゃって大変だとか脅かされたよ。」
「切れちゃうのはやだなぁ… 」
やだよねぇ痛そうだもん…ママかすずな姉ちゃんに言って選んでもらう?ボク、正直どんなのが良いのかさっぱり分かんないんだよねぇ。そりゃ可愛いのとかセクシーなのとか色合いがどうのってのは分かるけれど、機能的なことはさっぱりだもの。
「だよねぇ、適当に調べたって自分に合うのがどれかなんて…私もわかんないよ。」
ボク達の体型に合うのってどんななんだろうね?
あ~…そっか、菫さんがさっき言ってたみたいに、ここでBHWを計っていれば今ここで大体どんなサイズの物か分かったんだなぁ…。
そう考えると、『なんで計ってくれないんだろう』とか思っちゃう…のは、ちょっと都合が良すぎるか。
光さん菫さんと連れ立って保健室を出ると、既に2組の子達が廊下に並んで待機中だった。ウチのクラス、やっと半分終わったばっかりなのに、もう来てるのか…まぁ流れは出来ているのでたいして澱む事無く進むとは思うのだけれど…このペースで7クラス分の人数を見なきゃいけないってのは大変そうだなぁ。
お医者様はまぁ、慣れっこなのかもしれないけれど保健委員の子達がね?
がんばれ柚ちゃん。
保健室を出る前から何か思い悩むような顔をしていた菫さんが、不意に顔を上げ至極真面目な顔で口を開いた。
「ところで光さん。つかぬことをお伺いしますけど… 」
「ええ、なにかしら?」
「どんなブラを着けているの?」
いきなりブッ込んできましたね!?
そしてボク達じゃなくて光さんなのは何故ですか?
「…え?だって なづなさん達ってスポーツブラでしょう?」
そうだけれど…何で知ってるの!?
「いや、だって見てたもの。べろんって捲ったところ。」
あ、左様で。
そっか見られてましたか。
「で、どんなのを着けているの光さん?」
「どんなのと言われても…ごく普通のものだけれど…。」
光さんがそう答えた瞬間、ガシッと両手を取って、グイっと間合いを詰めて、鬼気迫る…と言うと少し大袈裟かもだけれど、何か焦っているような真剣な表情で
「その“普通“というのが知りたいの!」
…ちょ…!ちょっと菫さん!?
もう少々、加筆予定です。
時間が足りない…
平坦人間ぺターン
姉妹であるツルーンと共に愛機バストナインを駆って「爆新人類ヴォイーン」と戦うスーパーヒロインもの。
80年代後半に発売されたOVA。
という妄想。




