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えぴそーどおぶおーでぃなりー⑮

本日より再開させて頂きます。

またお読み頂けたなら幸いです。






「あれ?せりが居る?」


おや?なづな、おかえり?…って、光さんが一緒だ。

あれ?菫さんと一緒だとばかり思っていたけれど…違うのか?


「なづなさん、何方に行ってらっしゃったんですか?」


そう質問したのは皐月さんだ。…あ、ちょっとホッとしてる気がする…そっか、そういえば なづなはいつの間にかいなくなってたって言っていた様な…。もしかして伝言もなく突然いなくなったので心配させちゃったのかな?だとすると申し訳なかったなぁ…いなくなったのボクじゃないけれど。


「私?えっと、プール見に行ってくるって、言ったと思うんだけど…聴こえてなかった、かな?」


なづなと光さんが少し戸惑った風に顔を見合わせて、もし聴こえていなかったのならごめんなさい、もっとちゃんと言えば良かったね、と頭を下げた。


「え…?…あ!」


椿さんと皐月さんが同時に声を上げて


「ここに来て直ぐに…言ってました…『後でプール見に行ってくる』って…。」


「…聞いてます確かに。失念してましたね…。」


ボクの隣に居てずっと黙っていた彩葵子さんが、そんな事もあるわよと、()()()()皐月さんに声をかけ、続けて言う


「流石に今日は、全員が集団行動してる意識なんてないんだから全体の行動を全部把握するなんて無理でしょう。集団って意識してる時じゃないと予行演習にはならないんじゃない?」


「そうかもだけど…すぐ傍に居た なづなさんと光さんの言葉もちゃんと聞いてなかったなんて… 」


彩葵子さんの問いに答えながら、益々しょげる皐月さん。

…何故そこまで落ち込むかな?言葉を聞き逃すなんてよくあると思うのだけれど…?


「たぶんなのだけど…修学旅行の予行のつもりじゃないかしら?」


光さん?え、予行演習?修学旅行の…?まだ二ヶ月も先なのに?ちょっと気が早いのでは…。


()()()()()、なんだと思うよ。皐月さんにとっては、ね。」


ふむ?…予行というのは?


「そのままの意味よ?修学旅行での引率を想定しているのではないかしら、って事。」


引率?!何故に先生方でなく、皐月さんがそんな事を想定しているのか甚だ不思議ではあるが…成る程?


「そりゃあ皐月さんが副委員長だから、でしょ。」


責任感の表れ…って感じなのかね?そこまで責任感持たなくても良い気がするのだけれど…ねぇ光さん、と同意を求めたボクに光さんが『そうね。』と応えたのを遮る様に、なづなが『ぷふっ』と笑った。

え?なになに?何も可笑しい事言ってないよね?


「…違う違う、皐月さんは…… 」


そこまで言って、くるりと背を向け“ちょいちょい“と手招きをする。こっちに顔を寄せろ、耳を貸せ、と。ナイショ話ですか?ほほう?お聞きしましょう。

3人で頭を寄せ合って、如何にも密談ですという体勢を取る。如何にもも何も密談なんだけれど。

…で?『皐月さんは… 』の続きをどうぞ?

なづなはわざとらしく周囲をうかがって、いっそう声を潜めて…


「皐月さんは、彩葵子さんに()()()()()()()()()()()()んだよ。」


いいところを見せたかった?彩葵子さんに?皐月さんが?なんでそんなこ………あ!!


「あ、そっか!そういうこもがっ…!」


思わず大きな声を出してしまったボクの口を なづなの手が塞いだ。そりゃあもう激しく。ほとんどビンタだったね。

声に驚いてボク達見ていた周囲の子達に、騒がしくてごめんなさい、なんでもないの、とボクの口を押さえたままの なづなが頭を下げる。いや、ごめん、つい…思い至っちゃったというか、思考が繋がっちゃったというか、わかっちゃったもので…反射的に声が出ちゃいました…。


で、周囲に一通り詫びたあと、ボクを見たなづなの顔がね、笑顔がね?それはもう…周りの空間に“ゴゴゴゴゴゴ“ってオノマトペが浮かんで見える様な笑顔で。

いやホントごめんなさい。


ふぅ、と息を吐いて なづなはボクの口から手を離した。


「ね?()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。乙女心なんだよ。」


そっかそっか。やっぱりね。

クラスの引率くらい私にも出来るんだからね!彩葵子さんに並べるんだからね!っていうアピールな訳ね。

…可愛いなぁ。


「…えぇと…少し聞きたいのだけれど…良いかしら?」


光さんが小さく手を挙げて、さっきの なづなよりも更に潜めた声で疑問を口にする。


「今の、なづなさんの言い方だと…皐月さんが彩葵子さんに…その……思いを寄せているというか…そんな風に聞こえたのだけれど… 」


そうだね。そう言ったと思うよ?

ボクにもそう聞こえたから。

…あれ?でも なづな、この前は『たぶん、だから人に言っちゃダメ』って言ってなかったっけ?!良いの?光さんに言っちゃったけれど?!


「別に広めようと思ってる訳じゃないよぅ…。光さんなら心に秘めてくれるって信じてるだけ。」


「それは、あの、勿論ご期待に沿う様にするわ…いえ、だからそうじゃなくて、皐月さんが彩葵子さんに…という方が気になるのだけれど…。」


珍しく若干取り乱し気味なようで、ひそひそ声がほんの少し早口で上擦っている。え…と。これは説明した方が良いのだろうか?…って説明するしかないよね?

どうする?なづなが説明する?説明するにしてもここじゃ不味くない?そんんな意味を込めて目配せしたら、軽く頷いて


「ちょっと、ここから離れようか。」


…と、人のいない奥の方を指差す。

まぁ他の子達に聞こえない場所ならどこでも良いのだけれど、奥の壁際なら後ろで盗み聞きされる心配はないものね。…最近背後に回られる事が多かったから注意はしといたほうがいいかな、って。


「先に行ってて。彩葵子さんにちょっと離れるって言って来る。」


「話の内容は漏らさない様に、ね?」


わかってますって。

いくらボクでもバレる様な事言ったりしませんよ。失礼な。


「彩葵子さん、皐月さん。ボク達ちょっと相談事があるので席を外すね。奥の方に居るから、なんかあったら呼んで?」


「ええ、わかったわ。光さんも?」


「う…うん、ちょっと関係あるんで、ね。」


嘘は言ってない…言ってないよ?

関係あるもん。巻き込んだとも言うけれど。


「…そっか、やっぱり… 」


やっぱり?


「いえ、なんでもないわ。うん、わかった。済んだらこの後の事を決めましょう。」


ん、了解。じゃあちょっと行ってきます。

彩葵子さん達の了承を得てサクッと移動。ミルクホールの奥へと向かう。ボクこっち迄来るの初めてかもしれない…いや多分初めてだ。だって厨房カウンターの脇に階段室があるなんて、今の今まで知らなかったもの。へぇ…あ、なづなと光さんプール見に行くって、ここを使って移動してたのか?

…まぁそれに関しては、今はどうでもいいか。


「あの、それで、皐月さんがという話なのだけれど… 」


光さんの食い付きっぷりが凄いです。

あくまでも なづなが感じた事だから絶対そうだという訳じゃない、でも的外れという程間違ってはいないと思う。そう前置きをして説明をする。当然これもボクらの主観が大いに入っているので、全部が全部正しい訳ではないという点に注意してほしい。

かくかくしかじか まるまるくまぐま 




「…まぁそんな感じでね、好きだとか、恋だ愛だって話ではないかもだけど…少なくとも皐月さんは、それに近い感情を彩葵子さんに対して抱いていると思う。」


無自覚な恋心ってのはよくある話だからね。

それも憧れと紙一重だから断言を避けているのだろうけれど、なづな自身は皐月さんの『片想い』を暖かく?見守るつもりでいるみたい。放置とも言う。


「…そう、なのね。」


一通り聴き終わった光さんは、少し目を伏せて、何かを思案する様にじっと黙り込んでしまった。あれ…?なんかこう…ボクが持っていた光さんのイメージからは結構ズレた反応をしているのだけれど…ボクはてっきり『素敵!』とか言って()()()()明るく微笑むんじゃないかと思っていたんだよね。

でも今は…暗い顔こそしていないものの何か思うところがある様だ。何かはわからないけれど。


「あの…光さん?…大丈夫? 」


「え?ええ、大丈夫よ。ちょっと考え事しちゃっただけだから。…でも、そう…皐月さんが……凄いわね…。」


あくまで『そうじゃないかなぁ?』って話だからね?鵜呑みにして後で『違うじゃない!』って言われても困っちゃうので話半分で聞いてね?なづなは かなり確信を持っていそうだけれど。ボクには実装されていない乙女心センサーでも積んでるのかね?


「うん、良いお話を聞けてよかったわ。恋にしろ憧れにしろ、お相手の為に頑張れるって、素晴らしいわよね。」


ぱあぁぁぁ

うお!眩しい!後光が差して見える?!

あぁそうそう。コレだよコレ!

光さんの聖女スマイル。うぅ浄化されそう。


「…あの…?2人とも?何故私、拝まれているの…?」


イエ、ナンデモナイデス。

キニ シナイデ クダサイ。


「そ、そう?…え?答えになってないのだけれど…?」


「う〜んとねぇ…光さんが尊いなぁって。」


「そうそう、癒される〜…って感じ。」


そんな言い訳をしながら左右から光さんの腕を取り、みんなの所へ戻ろうと促がせば、そうねと頷いて立ち上がる。



「お待たせしました。」


「おかえり。もうナイショ話は良いの?」


あ、はい大丈夫デス。スイマセン。


彩葵子さん達の居るテーブル迄戻り、画像チェックの進歩状況を聞くと、おおよそ欲しかった画像は集まりつつあると。あと必須なのはクラス全員がいる場面…それと校門、講堂、校庭、そして図書室くらいだそうだ。と言ってもこれからもカメラは逐一まわして、良いものはドンドン入れ替えていくつもりらしい。

ミルクホールで待機していた皆も、いつの間にか椿さんの後ろで確認中の動画に一喜一憂している。『私ってこんな顔で笑ってるの!?』だとか『貴女って声が付いてないとお嬢様っぽく見えるわね』とか、もう言いたい放題だ。それだけ打ち解けているという事なのかも知れないけれど。


「…みんなの気も抜けちゃったみたいだし…今日はこのくらいにしておく?」


「そうですね…正直これ以上何を撮ればいいのか…直には思いつかないので…今日は()()()で良いかもしれません。」


もっと素材は欲しい。けれど“何が欲しい”という明確なビジョンがある訳ではないので、このまま此処にいても時間を喰うばかりで建設的ではないと、椿さんは言う。

ふぅむ、なるほど確かにそうかも。

ならば図書館は明日か…月曜日に()()()で?


「ですね。出来れば菫さんと光さんが居る時が良いので。」


「菫さんと…私、ですか?」


「ええ。ちょっと撮りたい構図があって…それには菫さんと光さん、せりさんに なづなさんが不可欠なんです!」


は?

ボク!?

え?!?

まさかまた踊れって言うんじゃないでしょうね?!いやいやいやいや!今は無理だよ?!どうしてもやれって言うならちょっと気合い入れて練習して来るから!少し時間頂戴!?

なづなも…ほらぁ!激しく頷いてるでしょう?!


「あの…私、日舞を少しかじっただけなので…お二人みたいには踊れないのだけれど…。」


「いえ、別に踊る必要はありませんよ?」


あ、そうなんだ。よかった。

…じゃあ…何をさせられるんだろう…?こわっ……!






…日中に加筆します。

再開早々このような有様で、大変申し訳なく…。


どうも散漫な文章になってしまって…良くないですね…せめてもう少し、文章の勉強しなくてはなりませんね…反省しきりです。


日中どころか一日かかってしまった…


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