032 ノリ悪いぞ〜
ギルド戦が終了し、私は特設エリアから通常エリアに戻った。目の前にはもちろん、由鶴と翼さんがいる。
「あー……疲れたぁ!」
「お疲れ様でした」
「でも聞きたいことが山ほどあるんだけど?」
由鶴や翼さんからの質問攻めにあった。そりゃ映像で見ていただけの由鶴たちには何があって防衛に成功したのか分からなかっただろうからね。
私はできるだけ詳細に、でも分からないことも多いからアバウトに、起きた事の顛末をすべて話した。
「なるほど、真紀さんのお母さんか」
「あれほど巨大なギルドを率いる真紀さんでも怖いものはあるんですね」
「もう何が何だかサッパリですよ。まぁ結果だけ見れば防衛成功なので文句も何もないですけど」
とはいえしっくりこない勝利だったのは間違いない。もっとゲームはスカンと爽快に勝利するもののはずだ。
「なーにしけた顔してんの! 小雛は勝ったんだからハイ! 背筋伸ばして両手を挙げる」
「えー? なにそれ」
「ノリ悪いぞ。ほらほら」
「えー、もう」
私は由鶴にされるがままのおもちゃになった。万歳させられ、わーいと叫ばされる。なにこの茶番。
私の顔を覗き込んで、由鶴と翼さんが神妙な面持ちになった。そして2人で顔を合わせてうんと頷く。
「これは小雛にはセラピーが必要ですなぁ」
「リーダーなのにこの落ち込みようは許容できません。隊員の士気に関わりますから」
「えー? 別にいいよそんなの」
「ほらノリ悪い! いつもの小雛なら何だかんだ乗ってくれるもん」
「まぁそうだけど……」
「じゃあ遊ぶよ! このゲーム、まだまだ遊び足りないっしょ!」
「っていうか目的忘れてない? 私、このゲームはやり込み用として始めたわけじゃないんだけど?」
「それ、もう一度アタシと翼さんの顔見てから言ってみてよ」
「え?」
私がこのゲームを始めたのは出会い目的だ。でもこのゲームで私は……私は……
「……いやいい話風にしたって騙されない! 私は恋人欲しさにやってるんだから!」
「あちゃ〜騙せなかったか」
いい友達との巡り合わせはあったけど、恋愛的な出会いはまだしてない!
「じゃあ行っちゃう? 出会いのために探索に!」
「探索〜?」
「うん。第二層には遊園地があるらしいから、そこに!」
「うーん……まぁじっとしているよりはいいか」
私たちPhoenixの次なる目的地は遊園地になった。
何をするというのか……。




