021 思い出デート
「いや決意を固めた……じゃないんだけど!?」
「えっ!? いい感じにまとめたのに何で!?
「デート!!!!!!!!」
由鶴は大きな声を出した。私はその圧を受けたように、体が少しのけぞってしまう。
「デート……だったねそういえば」
「そういえばじゃないよ! アタシこのデートをずっっっっと狙っていたんだから! 楽しみにしていたんだからー!!!」
「や、やめて体を揺らさないで〜〜」
こんなに動揺というか、涙目になるほど駄々をこねる由鶴は初めて見たかも。
落ち着いた由鶴はシュンとして、まるで借りてきた猫のようだ。
「デートなら今から再開しようよ。もう誰かに絡まれたりしないでしょ」
「小雛〜〜。うん、行く行く!」
あはは、そんなに私のデートの練習に張り切っていてくれたんだね。優しいなぁ由鶴は。
再びトナカイたちを召喚して、空に飛び立った。空デートというのもなかなか良いものじゃないかな?
「由鶴はどこか行きたいところある?」
「小雛とだったらどこへでも」
「えへへ……じゃああの場所がいいかな〜」
私はトナカイのラジコンを操作して、とある場所に向かった。
ビル群たちが立ち並ぶ第二層。それはここも例外ではない。
「ここって……」
「うん。コピーエリアだとエリア1になってる場所! 私たちの土地だよ」
「いやいや、別にアタシたちの土地ってわけじゃないから」
ここはギルド戦だとエリア1に分類されている場所だ。
私たちPhoenixが獲得した場所!
「あ、ここってロボットと戦ったところだよね?」
「そうだね。あの時は死ぬかと思った〜。小雛がボロい盾出しちゃってね」
「なっ……あれのおかげで勝ったんだからいいじゃん!」
「アタシの天才的なアイデアでね」
「ぐぬぬ……」
由鶴には舌戦では勝てない。
いや勉強でもスポーツでも勝てないけど。いい勝負になるのはゲームくらいかな。
「ねぇ小雛、これからこのゲームで、最高の思い出いっぱい作ろうね!」
「由鶴……うん! もちろんだよ!」
「じゃあはい」
「……はい?」
「鈍いなぁ、手を繋ぐんだよ」
「な、なんで?」
「なんでって、デートだから!」
「あ、あぁ……」
とりあえず由鶴の手を取って、街を練り歩いた。私たちの獲得したエリア1を、余すことなく、すべて!
「絶対に、譲りたくない」
「そうだね、真紀さんには負けないよ」
来る防衛戦に向け、デート中といえどやはりゲーマーの血が騒ぐのでした。




